いぼ治療に思う(2)
伝染性いぼの自然治癒のいろいろ


1998年・1999年・2000年の3年間に私の医院を受診したウイルス性いぼの患者さんは721人です。
そのうち尋常性いぼといわれるタイプのいぼは653人で年間にして200人以上で毎日新しい患者さんを1人診ている勘定になります。
尋常性いぼは手足に出来ることが最も多く、魚の目あるいはタコと間違えられていることがしばしばです。

尋常性いぼは人乳頭腫ウイルスというウイルスが皮膚に住みついた時に出来ます。
尋常性いぼは大変面白い皮膚病で、大変治りにくいかと思えば1日で消えてしまったり、一度治っても何度も何度も再発する場合もあります。
でも殆どは治ると再発することがありません。

最近は精神神経内分泌免疫学が発達してきました。
尋常性いぼのウイルスが皮膚に存在すると局所にサイトカインが出来るそうです。
サイトカインを脳の視床下部にある中枢で認識して、そこで作られた化学物質(神経ペプチド)が免疫系に流れます。
神経ペプチドを感知した免疫系がいぼウイルスに対する免疫を作り、免疫が作られるといぼが取れます。

これがいぼの自然治癒のシステムと考えられます。
自然治癒も漫然と起こることは稀で殆どは生活上の心の前向きの変化をきっかけに起こります。
結婚、妊娠あるいは出産でいぼが落ちた例を時々経験します。
私の自然治癒の経験に次のような例があります。

平成10年12月19日に19才の男の患者さんが数日前に左足底に1個の尋常性いぼに気がついて受診されました。
ところが左足にひどい水虫状態があったので顕微鏡検査したところ水虫のかびが陽性で、いぼ治療の前に水虫を先ず治療することとしました。
水虫のつけ薬を投薬し、いぼの治療は3週間後から行うすることを約束しました。
約束より遅れて平成11年3月2日に再診した時には水虫は健在でしたが、いぼは完全に消えていました。


水虫のつけ薬がウイルス性いぼに効果がありませんが、いぼを取ろうと受診したことがきっかけで起こった自然治癒と考えることが出来ます。
いぼのある場所に炎症があるとサイトカインが出来易いようで、私の経験に次のような例が17例もあります。

平成11年11月9日に21才の男の患者さんが約2年前から両足に沢山の尋常性いぼがあったので受診されました。
就寝前にスピール膏を貼って朝にスピール膏を外してデルマクリン軟膏を外用するように指導しました。
そして1週間後から液体窒素によるいぼ冷凍凝固法を始めることを約束しました。
デルマクリン軟膏は湿疹に効果のあるスキンケア的なつけ薬で市販薬にもしばしば含まれている薬です。
スピール膏は皮膚をかぶれさせたりふやけさせたりする薬で、いぼがやわらかくなっててピンセットでむしりやすくなります。
約束の平成11年11月16日再診した時には、いぼは完全に消えていました。


デルマクリン軟膏のほかにスキンケアによく使うパスタロン10ローションを使ったこともありますが過去4年間に16例もありました。
スピール膏でかぶれたためにサイトカインが出来たことと前例同様の自然治癒システムが働いて治癒したものと考えられます。
暗示効果を強めるために私はデルマクリン軟膏とパスタロン10ローションをいぼに効果のある薬として患者さんに勧めています。
さらに面白い経験があります。

ところで昔からいぼとりのお呪いをしたり、いぼとり地蔵さんに祈願して熱心に祈るといぼが治るという事実があります。
これはお呪いやお祈りによって視床下部から大量の神経ペプチドが分泌されるためと考えられます。

この話を聞いた当院担当のE製薬のAさんがこれまでになかなか落ちなかった右膝にイボが出来た小学校4年生の子供さんに早速実施してみました。
子供さんを自宅の近所にある神社につれていってイボトリを祈願させ、スピール膏を夜貼って「いぼ無くなれ」のおまじないを熱心にさせました。
難治だったイボが約2か月で下の写真のごとくきれいにイボが取れました。
この経験でAさんは私のいぼ治療の考えに100%同調してくれるようになり、イボが取れる前と取れた後の写真を提供してくれました。


右膝のイボ オマジナイとスピール膏で取れた
膝に出来た径1cmのイボ オマジナイとスピール膏で取れた


両手にラケットが握りにくいほどイボが沢山出来ている顔見知りの高校生の患者さんが受診しました。
液体窒素によるイボ冷凍法をしたところ、こんな痛いことはもうやりたくないので、他にいい方法がないでしょうかと求められました。
そこでウイルス性のイボは暗示で落ちることがあるからいぼ消えろ、イボ消えろと毎日念じるようにアドバイスしました。
彼は痛い目にあいたくない一心から私の言葉を信じて念じ続けたところ3週間ほどでイボが完全に落ちました。


いぼ消えろ、イボ消えろと念じることによって免疫を作らせる化学物質が作られたものと思われます。
なすのへたでいぼをこすっていたらとれたとか、ヨーグルトを飲みつづけるといぼがとれると言われて熱心に実行したらとれたなどはこのケースと思います。
先日高校時代の同級生で建築会社に勤めているH君に会ったときのこと、ひょんなことからいぼの話になりました。

若い頃にH君は手に沢山のイボが出来ていて、ある日たまたま建築現場で手袋が破れていたためにセメント原液がイボについたところなんと長年あったイボがみるみるうちに取れてしまったそうです。
その経験からH君はセメント液がイボに効くと考えるようになって自分の息子が出来たイボもセメント液をつけて治したそうです。
その後会社の部下にもセメント液を薦めてイボトリに何度も成功したことを得得と話してくれました。


セメント原液の刺激でイボの局所がかぶれたことでサイトカインという物質が出来て脳内分泌が起き、彼がセメント液でイボが必ずとれると説明したことにより脳内分泌が強められた結果イボがとれたものと思います。
さらに究極のケースはいぼ取り神様・仏様でいぼが取れることです。
ネットサーフィンをしたら200か所以上のいぼ神様と仏様を検索出来ました。
お祈りによる脳内分泌システムに普通の自然治癒システム以上の何か大きな力の関与を感じます。
これに関してはいぼとり神様・仏様のホームページの私の訪問した61か所のいぼ神様・仏様を御覧下さい。

伝染性いぼの治療を自然治癒力・心の力・神仏の力に任せることを奨めているのではありません。
やはり伝染性いぼの治療で最も効果のあるのは現代医療の力です。
伝染性いぼであることを皮膚科専門医に正しく診断してもらい、皮膚科での治療を行った上で自然治癒力・心の力・神仏の力を借りた方法を併用して欲しいと思います。

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