足白癬・手白癬・爪白癬(みずむし)

tinea,trichophytia

当院の足の水虫の新患数
月/年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年
1月 21人 14人 14人 12人 11人 22人 15人 14人 25人 19人 20人
2月 16人 15人 17人 13人 20人 14人 18人 23人 25人 16人 10人
3月 27人 28人 23人 26人 18人 29人 29人 35人 30人 32人 31人
4月 50人 36人 28人 41人 41人 46人 49人 50人 27人 32人 41人
5月 86人 65人 76人 53人 45人 66人 79人 100人 87人 76人 55人
6月 47人 67人 86人 100人 64人 94人 106人 114人 71人 67人 82人
7月 66人 64人 99人 65人 82人 79人 128人 148人 98人 82人 65人
8月 57人 61人 74人 70人 64人 73人 64人 75人 68人 62人 *
9月 58人 51人 35人 44人 52人 55人 44人 37人 50人 40人 *
10月 25人 25人 30人 42人 26人 28人 45人 44人 29人 21人 *
11月 11人 19人 14人 12人 24人 13人 33人 26人 19人 14人 *
12月 8人 18人 8人 14人 20人 23人 22人 21人 12人 14人 *
年間合計 472人 463人 504人 490人 467人 542人 632人 687人 541人 475人 *


                          

足の水虫が水虫の代表、足の水虫の年間の新患数は過去9年間の年間最多人数は2005年の687人です。また月間最多人数は2005年7月の148人です。今年は10月末現在で447人ですので年間500人を超さないかもしれません。足の水虫に対して爪の水虫と手の水虫は少なく、昨年の水虫患者では足の水虫を100%とすると爪の水虫は17%、手の水虫は1%でした。
皮膚病週間ランク皮膚病毎日ランク月間リスト(2007年10月)年間新患多いもの30も御覧下さい。
(2007年11月18日記)


当院の手の水虫の新患数
月/年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年
1月 1人 0人 0人 1人 0人 0人 0人 0人 0人 0人 0人
2月 0人 0人 2人 0人 1人 1人 0人 0人 2人 0人 0人
3月 1人 0人 0人 0人 1人 0人 1人 0人 0人 0人 0人
4月 1人 5人 0人 0人 1人 1人 0人 0人 1人 0人 0人
5月 2人 1人 1人 0人 0人 0人 0人 1人 2人 0人 0人
6月 1人 1人 2人 4人 0人 2人 2人 0人 0人 0人 2人
7月 3人 2人 3人 0人 0人 1人 1人 1人 0人 0人 1人
8月 1人 14人 3人 2人 0人 1人 2人 0人 0人 1人 *
9月 1人 1人 2人 2人 1人 0人 0人 0人 1人 1人 *
10月 2人 1人 1人 0人 0人 1人 2人 0人 0人 0人 *
11月 0人 1人 0人 0人 4人 1人 0人 0人 0人 0人 *
12月 1人 0人 1人 0人 0人 1人 0人 0人 0人 1人 *
年間合計 14人 26人 15人 9人 8人 9人 8人 2人 6人 3人 *


                         

当院の爪の水虫の新患数
月/年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年
1月 6人 3人 4人 4人 0人 1人 2人 1人 5人 6人 6人
2月 2人 4人 5人 7人 5人 3人 2人 6人 7人 4人 1人
3月 9人 3人 3人 5人 4人 12人 5人 8人 6人 3人 4人
4月 5人 3人 1人 5人 9人 4人 7人 3人 4人 6人 6人
5月 18人 5人 5人 11人 6人 6人 15人 17人 12人 7人 2人
6月 9人 6人 12人 18人 7人 11人 21人 13人 19人 7人 14人
7月 7人 5人 12人 15人 11人 8人 30人 22人 10人 7人 10人
8月 1人 5人 13人 5人 13人 14人 9人 8人 14人 12人 *
9月 15人 6人 12人 6人 6人 9人 12人 6人 4人 4人 *
10月 5人 3人 3人 7人 2人 7人 7人 10人 5人 5人 *
11月 1人 6人 2人 1人 4人 2人 7人 3人 3人 6人 *
12月 1人 3人 0人 4人 2人 6人 3人 3人 3人 4人 *
年間合計 79人 52人 72人 88人 69人 83人 120人 100人 92人 71人 *

 
                           


女性水虫患者が増えたのか?

6月19日(水曜)に地元のテレビ局のI氏から同局の健康のコーナーで「水虫をとりあげることになりました。
最近女性に水虫が急増しているのはなぜですか。」というメールが送られてきました。
とりあえず5月の51人の水虫患者を調べてみたところ男性20人(39.2%)女性31人(60.8%)でした。
女性が多いが果たして増えているのか無作為に平成8年と平成13年のカルテを調べてみました。

年度 調べた人数 男性 女性
1996年
(平成8年)
56人 34人
(60.7%)
22人
(39.3%)
2001年
(平成13年)
58人 29人
(50.0%)
29人
(50.0%)

5年前には男性のほうが多かったのが女性の水虫が多くなって来て逆転の勢いであることがわかりました。
調べてみたところ正式に保険本人の女性が確かに多くなっていました。
カルテ記述からパートなどの何らかの仕事に関与している女性が殆どであるとの印象を持っています。
遊びを含めて家にだけいる女性が少なくなり何らかの社会参加をしている女性が多くなったからでしょうか。


今年度の6月21日現在までの165人(男性75人、女性90人)の年令別分布を調べてみました。
男女ともに50才代がピークで、最低が10才の女性で最高が89才の男性です。



足の裏・手のひら・足のゆびの間の皮膚の表面の角質層というところに白癬菌というかびが寄生して皮膚病変を起こしたものをみずむしといい、現在の足白癬・手白癬・爪白癬のことです。
以前は汗疱(異汗性湿疹)に似ていたので汗疱状白癬(かんぽうじょうはくせん)と言われていました。
さらに昔は水瘡(みずくさ)とも言われました。

足に出来たみずむし足白癬(あしはくせん)といいます。
手に出来たみずむし手白癬(てはくせん)といいます。
爪に出来たみずむし爪白癬(つめはくせん)といいます。

なお足背とか手背にまで白癬の皮膚病変が広がりわどってたむしのようになることがあります。
その場合にはみずむしというよりもたむしすなわち体部白癬(たいぶはくせん)といったほうが良いと思います。

みずむしのほとんどは足白癬ですが約3%ぐらいは手白癬を併発します。
手白癬だけということはまれです。
また水虫の約15%は爪白癬を併発します。
爪白癬だけということはまれです。

なぜみずむしのほとんどが足白癬なのでしょうか。
それは不特定多数の人間が集まる場所例えば浴場とかプ−ルの床などが主な感染源だからです。
そこを人は2本足で歩きますから当然足の裏の皮膚から伝染します。

その上白癬菌に増えて下さいとばかりに靴とかストツキングなどを常用しているからです。
ちなみに手白癬は足から伝染するのがほとんどです。

みずむしには皮膚症状によって3つのタイプ(趾間型・水疱型・角化型)があります。

趾間型の水虫
(1999・8・7撮影)
水疱型の水虫
(1999・8・10撮影)
趾間型の水虫
(1999・8・10撮影)
角化型の水虫
(1999・12・24撮影)


趾間型は足のゆびの間が白くふやけたり、あかぎれのようになるタイプです。
水疱型は足の裏とか手のひらに水ぶくれが出来たりかわむけが出来るタイプです。
角化型は足の裏とか手のひらの皮膚が厚く硬くなって亀裂が出来るタイプです。

爪白癬は足の爪とか手の爪の色が白くなって厚くなり、もろくなったりもします。
爪白癬にはほとんどが足白癬手白癬が併発しています。

爪の水虫
(1999・8・10撮影)
足の水虫(田虫型)
(2000・2・19撮影)


当院での診断と治療を紹介します。


診断は白癬菌の顕微鏡検査陽性を原則としています。

初めての患者さんは殆ど例外なくみずむしの外用薬を使っています。
しかも適切でない外用薬によってかぶれを起こしていたり細菌感染を併発していることが多々あります。

みずむしの外用薬を使用していると白癬菌の検出に苦労します。
しばしば第1回目の顕微鏡検査で白癬菌が見つけれないことがあります。

白癬菌陰性の場合は診断を確定するために当院では1週間毎に3回まで顕微鏡検査をしています。
また少しでも早くに治療にかかれるよう白癬菌培養検査も補助的に行います。

培養した白癬菌
(1999・9・14撮影)


治療は白癬菌陽性の患者さんにのみ抗真菌剤すなわち水虫薬を外用します。
かぶれとか細菌感染を併発している場合はもちろんその治療もします。

治療の期間は発病後1年未満のものは6か月間とします。
それは患者さんが自宅の床等に落とした白癬菌が6か月ほど生存するからです。

また発病後1年以上のものは冬期を含んで1年間を原則としています。
それはしっかり定着した白癬菌を菌が元気でなくなる冬期に治療すると有効だからです。

外用薬のみで治癒しない場合と爪白癬と角化型白癬は抗真菌内用薬を使用します。
最近新しい抗真菌内用薬のイトリゾールカプセルとラミシール錠が登場していますが当院では先ずグリセチンV錠(グリセオフルビン)を使用しています。

新しい抗真菌内用薬のイトリゾールカプセル50mg(ヤンセンファーマ、協和発酵)は効果に比して薬価が高いのが難点です。
1日1回1カプセルから2カプセルの内服ですが1カプセルが637.30円です。
1カプセル内服でも単純計算で1週間内用すれば約4500円(保険全額)、2週間で約9000円(保険全額)もかかります。
当然2カプセルならその倍で1週間で約9000円(保険全額)、2週間で約18000円(保険全額)です。

もう一つの新薬のラミシール錠(ノバルティスファーマ)の場合は1日1回1錠で薬価はイトリゾールの半分で304.60円です。
しかしラミシール錠はドラッグインフォメーションの「警告」が気になります。(2003年12月に改訂されました。)

警告

重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸など)及び汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。本剤を使用する場合には、投与前に肝機能検査及び血液検査を行い、本剤の投与中は随伴症状に注意し、定期的に肝機能検査及び血液検査を行うなど観察を十分におこなうこと。


重要な基本的注意

重篤な肝障害は主に投与後2カ月以内にあらわれるので、投与開始後2カ月間は月1回の肝機能検査を行うこと。また、その後も定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。


ところでグリセオフルビンは薬効の面も殆ど同程度でしかも古くから使用されているので臨床のデーターが豊富で安全性が証明済みです。
しかも薬価も安いのでグリセオフルビンがお薦め薬剤です。
私の医院ではグリセオフルビンの中で薬価の最も安い1錠9.30円のグリセチンV錠(日本化薬)を使っています。
1日2錠から4錠の内用ですから薬剤費はわずかの20円(保険全額)から40円(保険全額)です。
保険全額で1週間で140円から280円、2週間で280円から560円です。

なお半年間グリセオフルビンを使用して良くならない場合は、イトリゾールカプセルを1週間に2回のペースで2カプセル内服を半年間続けます。
間歇的内服法を行えば副作用を心配することなく治療が可能です。
イトリゾールカプセルは薬価が高い薬剤ですが2週間で5080円(保険全額)ですみます。

なお爪白癬で何らかの理由で内服薬を服用出来ない人には水虫薬をたっぷり使用しサランラップで覆うサランラップ法を行います。
最近の抗真菌外用剤は強力ですからこの方法が可能になりました。

最後に一言。


みずむしを苦労して完治しても白癬菌と相性が良い体質は生涯続きます。
ワンチヤンスでまたみずむしになってしまうことがあります。
不特定多数の人が裸足で歩く場所に行った時は神経質に対処して下さい。

たとえばホテルや旅館を利用した時は安全なのはベツドメーキングした寝具の中だけです。
裸足になれるのはそこだけですよ。

入浴かシヤワーの時は必ず裸足になります。
入浴後・シヤワー後は濡れたタオルで足の床に着いた汚染部をしっかりぬぐいましょう。
白癬菌をシヤツトアウトしてすぐに靴下などを履いて床に直に接触しないようにしましょう。

一般家庭でも共同生活者にみずむしの人がいる場合はホテルを利用した時と同様に対処しなければなりません。
共同生活者のみずむしを是非治させましょう。

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