手湿疹(てしっしん)

hand eczema

当院の手湿疹の新患数
月/年 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012年
1月 21人 42人 20人 27人 27人 27人 52人 38人 38人 50人 38人 43人 48人 48人 49人
2月 16人 30人 32人 31人 32人 26人 29人 45人 29人 42人 48人 30人 30人 24人 46人
3月 45人 29人 32人 30人 38人 33人 36人 32人 38人 51人 35人 34人 38人 27人 30人
4月 58人 35人 26人 39人 31人 29人 27人 41人 47人 42人 45人 37人 20人 44人 20人
5月 55人 53人 79人 50人 35人 41人 41人 56人 47人 56人 71人 43人 49人 39人 33人
6月 33人 28人 30人 56人 53人 44人 56人 45人 40人 53人 56人 37人 40人 35人 33人
7月 41人 45人 32人 45人 35人 49人 38人 54人 48人 44人 43人 43人 45人 19人 15人
8月 42人 20人 23人 32人 33人 48人 25人 42人 38人 47人 45人 34人 31人 33人 20人
9月 33人 39人 37人 41人 36人 35人 36人 34人 47人 36人 39人 41人 29人 26人 26人
10月 46人 39人 49人 37人 60人 63人 41人 52人 52人 46人 59人 50人 36人 38人 23人
11月 48人 62人 41人 38人 50人 39人 56人 66人 56人 62人 58人 42人 41人 28人 *
12月 40人 41人 38人 32人 37人 45人 46人 78人 39人 61人 39人 40人 56人 40人 *
年間合計 478人 463人 439人 458人 467人 479人 483人 583人 419人 590人 576人 474人 463人 401人 *


2005年12月は寒さと乾燥が厳しかったためか手湿疹の新患数が78人と新記録でした。年間の新患数も500人を大きく超えて583人の新記録でした。(2005年12月末記)皮膚病毎日ランクも御覧下さい。



某雑誌社の取材の折に手湿疹は女性が多いかまたどの年代に多いかの質問を受けました。
とりあえず9月から11月までの3か月の手湿疹の患者の内訳を調べて見ました。
合計が132人で、そのうち男性は33名、女性は99名、女性が男性の3倍でした。
女性の20才代から60才代が二桁、20才・30才代が44名(33.3%)、40才・50才代が33名(25%)。
(最低年令が男性16才、女性11才、最高年令が男性81才、女性85才)


2004年9月〜11月 10才代 20才代 30才代 40才代 50才代 60才代 70才代 80才代 合計
男性の新患(人) 33人
女性の新患(人) 22 22 15 18 13 99人
合計(人) 12 28 25 18 21 18 132人


手のひら・手の甲・指時には肘から下の腕の部分に発生する湿疹を手湿疹(てしっしん)といいます。手湿疹は当院では年間第4位の皮膚病で、手のかぶれすなわち接触性皮膚炎(せっしょくせいひふえん)の一つと考えられています。
主婦の手に生じた場合は主婦湿疹(しゅふしっしん)といいます。

手湿疹
(1999・8・11撮影)
手湿疹
(1999・12・14撮影)


手の汗っかきの場合が多く湿疹反応が少ない場合は発汗異常性湿疹(はっかんいじょうせいしっしん)としたほうがよいでしょう。
また手の皮膚が硬く胼胝(たこ)のようになり皮膚にひびあかぎれが出来る湿疹を手胼胝状皹裂性湿疹(てべんちじょうくんれつせいしっしん)で、俗にあかぎれと呼ばれるものも手湿疹の仲間です。

指と手のひらに限局して利き手の指の第1指、第2指、第3指に始まり乾燥してかさかさし角化して硬くなり時にはあかぎれまで出来るものを進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)といい、手湿疹の1つのタイプと考えられています。

職業的には理容師・美容師,調理師などの料理人,食品加工業者,清掃業者,銀行員,パソコンを頻繁に使っている人,書類を頻繁に扱う人,布類を頻繁に扱う人などにしばしば発生します。
このなかでも有名なのは美容師皮膚炎(びようしひふえん)です。

手は毎日の生活の中で最も外界の異物に接触する部位といえます。
中でも洗剤・シヤンプー・紙類・布類が接触原因と考えられています。
また水を頻繁に使用することも原因の一つとされています。

手のひらは汗を出す汗腺がたっぷりありますが、皮膚のあぶらを出す皮脂腺がまったくありません。
しかも手のひらと指は角質層が厚く十分の皮脂と水分が必要です。

手のひらには皮膚からにじみ出てくる皮脂がわずかにあって手の汗と適度に混ざりあって天然自前のハンドクリームとなって手の皮膚を正常に保っています。
普通正常の手の皮膚はややしっとりしています。

手を頻繁に洗ったり水を頻繁に使用すると手の皮脂がとれてなくなってしまいます。
洗剤・シヤンプー・油が良く落ちる薬用せっけんなどを使えばなおさらです。

手の汗は精神性発汗ですから仕事や運動などの緊張によるストレスで汗がどっと吹き出して手の皮脂が流れてしまいます。
皮脂が流れてしまうとかわむけが起きて手あれになり高じると湿疹を発生します。

手は生まれつきあぶら不足を起こしやすい部位なのです。
正常の皮膚の人でも手のあぶらが取れるような状況のあとにはハンドクリームなどによる手のスキンケアが必要なのです。

手湿疹は1年中発生しますがどちらかといえば冬に多く見られます。
冬は主として乾燥と寒さで皮膚の皮脂と水分が不足するために起こります。
夏は主として発汗から起こります。

治療はステロイドの外用が主で、ハンドクリームを頻繁につけさせます。
手湿疹が大変治り難い場合は手の水虫あるいはカンジダ症のことが稀にありますので、皮膚科では顕微鏡検査で確認します。
白癬菌あるいはカンジダ菌ががいれば手白癬あるいはカンジダ症ですので抗真菌剤を使用します。


当院での治療紹介します


(1)治療は長期戦ですから手のスキンケアに特に力を入れます。
スキンケア用のハンドクリームを常に持参してもらい頻繁に使用して頂きます。
スキンケアクリームには保湿剤であるヘパリン類似物質を含んだ外用薬 あるいは 尿素を含んだ外用薬を汎用しています。

(2)湿疹反応には適切なステロイド外用薬を使用します。

(3)あかぎれ状態にはアルキサ軟膏を使用します。

日常生活での注意

(1)仕事をするときは薄い木綿の手袋(ドライブ手袋など)をしてからゴム手袋あるいは合成樹脂手袋を使用してもらう。

(2)洗剤を使う頻度を少なくするために油のついた食器は紙などで油を除去してから洗ってもらう。

(3)手洗いなど水を使うチヤンスを少なくしてもらう。

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