院内調剤と院外調剤の比較(2)
(2006・4・1改正)
医薬分業すると医療保険の負担が増えます。
(新点数で計算してあります。)


Q4.

前回の受診が月末だったので月がかわり、Dさんの手湿疹も1週間治療してかなり良くなりました。
しかし右手の母指の周りが赤く腫れて強い痛みを感じました。

そこで再度Z医院を受診しました。
診察の結果ひょうその診断で次のような外用薬と内用薬の処方箋をもらいました。
なおフシンジンレオ軟膏を使用しての皮膚科軟膏処置をしてもらいました。

診察後処方箋を持ってかかりつけのP調剤薬局へ行きました。
P調剤薬局では服薬情況を聞かれ、服用の指導後薬の情報を薬剤手帳に記載して投薬してもらいました。

処方箋

1)フシジンレオ軟膏 10g

2)パスタロンソフト 40g
  ザルツクス軟膏 10g
        (添加剤を使用して混合)

3)ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒 2.5g×2 食前 7日分

4)バナン錠 1T×2 食後 7日分

Z医院の保険点数全額とP調剤薬局の保険点数全額の合計はいくらでしょうか。
その合計とZ医院で院内調剤して投薬した場合の保険点数全額とを比べ分業は負担増であることを確認してみて下さい。

なおDさんは6才以上でP調剤薬局の調剤基本料は49点として計算して下さい。
またZ医院でのフシジンレオ軟膏の処置での使用量は1gとして下さい。
薬価は以下のとうりです。

フシジンレオ軟膏 1g 20.80円
ザルツクス軟膏  1g 27.60円
パスタロンソフト  1g 8.50円

ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒 1g 17.40円
ビブラマイシン錠100     1T 110.10円


さあ調剤薬局の保険点数院内調剤と院外調剤の比較(1)を参考に算定してみましょう。
計算なんか面倒だという方及び計算の済んだ方は以下をご覧下さい。
算定の内訳を詳しく説明してあります。

A4.


Z医院が分業の場合の保険点数


再診料 71点

皮膚科軟膏処置 45点

フシジンレオ軟膏 1g 20.80円(2点)

処方箋料 68点

保険点数合計は186点

Z医院の保険点数全額は1860円

P調剤薬局の保険点数


調剤基本料 42点

薬剤服用暦管理料(特別指導加算) 44点

薬剤情報提供料 15点

薬剤料(外用薬)

処方 1

フシジンレオ軟膏 10g
 208円(21点)

処方 2

ザルツクス軟膏 10g 276円
パスタロンソフト 40g 340円
              616円(62点)

計量混合調剤加算   80g 
 

外用薬調剤料(2調剤)  20点

薬剤料(内用薬)

処方 3

ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒 5g 87.00円(9点)

9×7日分63点

処方 4

バナン錠 2T 
 220.20円(22点)
22×7日分 154点

内用薬調剤料(2剤)    70点

保険点数合計は42+44+15+21+62+80+20+63+154+70=571点

P調剤薬局保険点数全額は571点(5710円)。

Z医院とP調剤薬局の保険点数合計


186点+571点=757点

Z医院が医薬分業した場合の保険点数全額7570円

Z医院が分業していない場合の保険点数


再診料 71点

皮膚科軟膏処置 45点

フシジンレオ軟膏 1g 2点

処方料 42点

薬剤情報提供料 10点

薬剤料(外用薬)

処方 1

フシジンレオ軟膏 10g 208円(21点)

処方 2

ザルツクス軟膏 10g 276円
パスタロンソフト 40g 340円
混合外用薬   50g  616円(62点)

外用薬調剤料 6点

処方 3

ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒 5g 87.00円(9点)

 9×7日分           63点

処方 4

バナン錠 2T  220.20円22点)
22×7日分       154点

内用薬調剤料 9点

保険点数合計71+45+2+42+10+21+62+6+63+154+9=485点

Z医院が医薬分業していない場合の保険点数全額は4850円。

Z医院が医薬分業をしてP調剤薬局で調剤の場合の保険点数(A) 7570円
Z医院が医薬分業をしないで院内調剤の場合の保険点数(B) 4850円
(A)−(B) 2720円
(A)−(B)/B % 56.1%


このケースでは56.1%の増でした。
個々の例で異なりますが医薬分業により医療費が先ず5割は必ず高くなります
医療保険の負担増の一つの要因に分業率が5割を越した医薬分業の増加にあると思います。

患者サイドから考えて各医療機関でお薬を出す日本の医療システムは世界でも先端を行くものです。
今のシステムを残して薬剤師さんに税理士とか司法書士などのような公的資格をとってもらい、医療機関と契約を結び薬剤部門のアドバイスをして頂くのが最もよいと考えます。

医療用レセコンも普及し昨今手書きのレセプトを提出する医療機関がほとんど無くなっています。
医療保険証をカード化し受診した医療機関の薬剤を入力出来れば薬剤の重複防止とか相互作用防止が充分に可能な状況になっているものと思います。

参考文献


薬効別薬価基準保健薬辞典 (平成18年4月版)薬業研究会編 じほう発行
診療報酬点数と早見表(平成18年4月改正) 医療保険業務研究協会発行

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