瘡守稲荷神社・疣神様
〜静岡県富士市本市場〜
(2010年3月4日更新)


新版「駿河の伝説」(羽衣出版発行)と新版静岡県伝説昔話集(上巻)を見ていて、富士市本市場(ふじしもといちば)にいぼ神様があることを見つけました。「富士町本市場下町のかさもり稲荷の境内に、疣神さまのお宮がある。お宮にはきれいな白石が沢山ある。疣の出来た人がその石を借りて、疣をこすると取れる。疣が取れたら白い石を浜で拾って、二つにして納める。」とありました。

本市場区公会堂の北側に瘡守稲荷 北側のおうらい橋から見た瘡守稲荷
本市場区公会堂の北側に
瘡守稲荷神社
北側のおうらい橋から見た
中央の電柱の後ろが瘡守稲荷神社


早速訪ねてみると、かさもり稲荷は浄土宗法源寺の向いに太い二車線道路をはさんだおうらい橋の袂と本市場区公会堂の間にありました。稲荷の社の前の古い高札には消えかかった字で「瘡守稲荷神社(かさもりいなりじんじゃ)、当社の白石は江戸時代から熱病を癒す霊石とされています。今は家内安全、病気平癒、進学などあらゆる祈祷にこの白石1個をお借りして、お礼のときは2個にしてお返ししてお参りするようにいたします。疣神様ともいわれます。」と本の記載と同様の説明がありました。

瘡守稲荷の鳥居とお堂 瘡守稲荷の説明
瘡守稲荷神社の鳥居とお堂
鳥居の右に説明の高札
瘡守稲荷神社を説明した古い高札
お堂の中の小さなお稲荷さん 白石を借りていぼをこするといぼが取れる
お堂の中の小さなお稲荷さん 白石を借りていぼをこすると
いぼが取れる


どうも瘡守稲荷神社の全体の様子が書籍の記載と感じが違うので、お向かいの法源寺に寄って奥様から昔のことを取材させて頂きました。以前現在広い二車線道路道路になっているところにあったものが現在地に移転されたとのことでした。近くにお住まいのお年寄りの方のお話では沢山の方がいぼとり祈願にお参りしていぼがよく取れたとのことでした。

日本国語大辞典によると瘡(かさ)は天然痘、できもの、はれもの、かさぶた、梅毒のこというとなっていますが、この稲荷の主役は天然痘感染を避けるための疱瘡神(ほうそうがみ)であったと思われます。瘡を治すことから皮膚病一般の神様となって、疣神様になったものでしょうか。大阪府高槻市西真上にある瘡除け神社として信仰を集めた通称笠森稲荷といわれる笠森神社が江戸の谷中感応寺西黒門際、谷中大円寺境内、小石川御薬園北の3か所に勧請されたといわれています。笠森稲荷は瘡守稲荷とされて疱瘡神として信仰されたそうです。(2001年10月10日記)

 富士市本市場にある静岡県富士総合庁舎へ仕事で出掛けた帰りに、庁舎のすぐ近くにある瘡守稲荷神社に立ち寄らせて頂きました。赤い鳥居が夕日があたっているせいか、9年前に訪れた時よりもお社が新しく見えました。古くて字が消えかかっていた瘡守稲荷神社の高札に本市場区氏子の記名で白い紙に印刷したお知らせが貼ってありました。(2010年3月4日記)

夕日に映える瘡守稲荷神社 印刷された瘡守稲荷神社の説明
夕日に映える瘡守稲荷神社 印刷された瘡守稲荷神社の説明

(写真2010年2月18日撮影)

瘡守稲荷神社へのアクセスGoogle Map

JRにて

 JR新幹線新富士駅を下車して1500mほど県道174号線を北上して、左折して県道396号線、600mほど西進したところのセブンイレブンを右折します。100mくらいのところに長寿会憩の家の看板のかかった本市場区公会堂があり、その北側に瘡守稲荷神社があります。JR富士駅を下車した時は500mほど北上して右折、県道386号線を600mほど東進して同セブンイレブンを左折します。

マイカーにて

東名高速道路富士インターを出て県道353号線を南に走り右折、県道396号線を600mほど西進したところのセブンイレブンを右折します。100mくらいのところに長寿会憩の家の看板のかかった本市場区公会堂があり、その北側に瘡守稲荷神社があります。

参考サイト

静岡県富士市ホームページ 富士市について詳しく知りたい方は御覧下さい。

参考文献

新版駿河の伝説 宮本勉校訂 羽衣出版発行 1994年7月29日初版
新版静岡県伝説昔話集(上巻) 羽衣出版発行 1994年4月5日初版
日本国語大辞典3 小学館発行 2001年3月20日第2版第1刷

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