十五夜 義経硯水(いぼとり)
〜静岡県静岡市清水区蒲原硯水〜


義経硯水の供養塔 義経硯水の供養塔

県道396号線(旧国道1号線)の日軽金研究所入口を西へ過ぎてまもなくの道路北側に義経硯水(よしつねすずりみず)があります。硯水は蒲原木之内家菩提所で1167年(仁安2年)に作られ、初代清實以後の蒲原一族と浄瑠璃姫等の五輪の墓が建てられました。1933年(昭和8年)に国道工事の為に墓地を縮小され現在の大きさになりました。

1174年(承安4年)に源義経が東に下る時に菩提所の涌き水を使って蒲原神社へ奉納する文と愛知県矢矧(やはぎ)の長者の娘浄瑠璃姫に文を書きました。送られた文を読んだ浄瑠璃姫は源義経を慕い矢矧から奥州に下る途中に病で倒れこの地で亡くなりました。その時以来涌き水が義経硯水と言われるようになりました。1654年(承応3年)に供養塔が建てられました。

その後1817年(文化14年)には地蔵尊が建てられ、「いぼ神様」として尊ばれ参詣者が絶えなかったとのことですが旅人が持ち去ってしまいました。現在の地蔵尊はのちに再建されたものです。

東側から見た義経硯水の古蹟 蒲原一族の五輪の墓と地蔵尊
東側から見た義経硯水の古蹟 蒲原一族の五輪の墓と地蔵尊
正面から見た義経硯水の古蹟 義経硯水供養塔の水
正面から見た義経硯水の古蹟 義経硯水供養塔の水


そんな謂れから義経硯水の水をイボにつけるとイボが落ちるということで現在も訪れる方がいるそうです。現在は涌き水は涸れてしまいました。(2000年8月21日記)

義経硯水へのアクセスGoogle Map

JRで

JR新幹線静岡駅でJR東海道線に乗り換えてJR新蒲原駅下車。
駅前の県道396号線を東方向に約徒歩8分で着きます。

マイカーで

東名高速道路清水ICで出て国道1号線を東へ向う。
由比町寺尾で県道396号線に入りJR新蒲原駅前を過ぎるとまもなく道路左側に硯石があります。(2008年8月21日記)

参考文献

広重の東海道五十三次旅景色 堀晃明著 人文社発行 1997年5月1日第2刷
静岡県レジャーガイド遊ぶ 静岡新聞社発行 1994年11月19日初版
静岡県広域道路地図 人文社発行 1999年4月第20版発行

トップページへ戻る