音ボラネット総会~広がりをみせる音訳~

6月6日(月)7日(火)
東京・市ヶ谷駅徒歩2分のアルカディア市ヶ谷で第3回全国音訳ボランティアネットワーク総会が開かれました。
総会の様子
総会風景 

テーマは~広がりをみせる音訳~

5年前、全国大会の立ち上げから、藤田会長始めスタッフの方々の努力を見てきた者として、会の成長に改めて感嘆します。
わずか5年ではありますが、その間パソコンの発達は急速で、世の中全体がデジタル化しました。

◇総会・講演

千葉県立西部図書館 松井進(まついすすむ)氏
「広がりをみせる音訳~デジタル化から電子書籍まで~」

松井氏は自ら視覚障がい者で、現在は様々な読書障害者の読書支援サービスを担当。
バリアフリー資料リソースセンター副理事長をされ2001年には自らの書籍を5媒体で同時出版、2007年には「Q&A 盲導犬」で10媒体の出版に挑戦。
10媒体とはUD((ユニバーサルデザイン)出版で
通常の活字・オンデマンド大活字・録音テープ・オーディオCD・マルチメディアDAISY・テキストデータ・点字・音声読み上げ対応ドットブック・携帯電話・オーディオブックのネット配信

総会(参加者約300名)にでてみて機器がどんどん発達していくのに驚嘆します。
デジタル化で機器を扱えない人たちが増えるのは悲しいという気持ちがありましたが、企業の取り組みは先を行き、サピエ図書館にユーザーが自分の書庫をつくり、読みたい本を入れておき、好きなときに携帯ほどの端末でネットを通して本を読める時代がすぐそこに来ているようです。
機器も音声で簡単に取り扱えるようになりそうです。

今まで音訳は視覚障がい者を対象としてきました。
もちろん、視覚障がい者の支援は充分ではありませんし、まだ今後も続けていかなくてはなりません。
書籍も全国どこかで一冊読めば、図書館におさめられるようになりました。
合成音声が良くなり、テキスト化した文書や書籍が多くなれば、すぐ読むことができるようになってきています。

音声や映像を使った書籍等は今、ディスレクシアや発達障害、身体障害者、高齢者に利用対象者を拡大していくサービスとして重要になってきています。
音ボラネットは割に自由な集まりなので、会員によっては小回りが利いて、いろいろなサービスに対応できるところもあるようです。

伊藤忠記念財団のマルチメディアDAISY図書配布事業等の事例があげられます。→こちら
—-以下伊藤忠記念財団のネットより
伊藤忠記念財団は、平成22年度より障害のある子どもたちを主な対象に、読書支援事業を開始しました。直接的な支援としては、児童書をマルチメディアデイジー化し、全国の特別支援学校及び大規模都市の公立図書館に、3月末に無償配布 しました。
—-以上伊藤忠記念財団のネットより抜粋 詳しくはページをご覧下さい。

企業がこのような支援をしていくことはこれから多くなってくると思います。
音ボラネットが音声の部分だけ受け持ったという話を聞き、音訳の進む道はまだたくさんあるのだと感じました。

◇分科会
1.講演会「録音図書を聞く立場から」 講演 青柳まゆみ氏
2・シンポジウム マルチメディアDAISYで「みる・読む・きく」
3.シンポジウム 図書館とどう連携するか?

2日目は分科会で、2.シンポジウム マルチメディアDAISYで「みる・読む・きく」に参加。
昨日の講演で、マルチメディアDAISYについて聞いていましたので、話にそのまま入っていくことができました。
実際に協力しているパネリストの方々の話を聞き、音訳者の新しいボランティアとして、これからますます必要な分野だと感じています。

この分野はまだ行政の支援が全くなく、ボランティア任せのようです。
マルチメディアDAISYの教科書さえあればついて行ける障害のある子どもが多い、という話を聞くと支援するのは無限の気がします。

ボランティアでマルチメディアDAISYの教科書を作るのはまだ義務教育が手一杯で、高校生になった子どもを持つ母親が「学びたいのに教科書がない!」と会にでてきて訴えるのを見ると何とかしてあげたいという気持ちになります。

マルチメディアDAISYの教科書を作るのまで音訳者がするのか・・・という議論もあるでしょうね。
読むことを勉強している人達ができることを探るのも、自由な雰囲気にある音ボラネットの利点のような気がします。

私は? 「音訳の部屋-読み方辞典」を作っていて読むことはしていません。
最近は合成音声にデータを使っているところもありますから、そちらの方で役立たせてもらいます。
仕事を終わられた方たちも企業でのIT技術を生かして、できることをしていただくと有難いですね。

新しい分野に目を向けてとても新鮮で、発展的な総会でした。
スタッフの皆様、ありがとうございました。