五輪さん・イボがみさま(浄蓮寺)
〜静岡市清水区八木間町190〜

2014年6月11日更新



日蓮宗妙喜山法泉寺のいぼがみさんのテレビ取材撮影の折に法泉寺の御住職から同じ八木間にある日蓮宗妙常山浄蓮寺(にちれんしゅうみょうじょうざんじょうれんじ)にもいぼ神様があるとの情報を頂きました。昭和54年12月10日発行された「東海道分間延絵図・第六巻」に写真入りで掲載されています。多忙でなかなか訪問する機会が無かったのですがゴールデン連休を利用して訪問することが出来ました。国道52号線西側に並行して走る旧身延街道の東名高速道路のすぐ北側がいぼ神様のある浄蓮寺です。浄蓮寺山門を入って正面に本堂があり、本堂前庭の左手に祀られている4基の古い五輪塔が目指す「イボがみさま」です。妙常山浄蓮寺は文禄元年(1592年)に身延山久遠寺第17世慈雲院日新上人によって開かれました。文禄元年は豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵した文禄の役の年であり、朱印船貿易を制定した年でもあります。

庫裏を訪問し御住職にいぼ神様についての取材をさせて頂きました。五輪塔は「イボがみさま」あるいは「五輪さん」とも呼ばれ、おそらく江戸時代の古い供養塔ではないかとのことでした。昭和30年代に現在の場所よりすぐ南側の山の斜面にあったものが御先代住職の時に現在の位置に移転されています。

4基の五輪塔が「いぼがみさま」
石の塀の後方から移転された。
後方が米沢忠太郎と杉山利平の碑。
「イボがみさま」は「五輪さん」ともいう。
溜まった天水をいぼにつける。
昔はお礼にお豆腐を奉納しました。


「イボがみさま」にいぼとりを祈願して五輪塔に溜まった天水(雨水)をいぼにつけていぼを落とし、いぼが取れたお礼に昔はお豆腐を奉納しましたが現在は殆ど見られずお茶碗を奉納する方が多いそうです。ご住職さんのお話ではいぼが取れた方が近在に沢山いるとのお話でした。同じ興津地区の八木間で、同じ宗派の日蓮宗で、ともに供養塔であり祈る方法が妙喜山法泉寺のいぼ神様にほぼ似ていました。

日蓮宗妙常山浄蓮寺
静岡県静岡市清水八木間町190

浄蓮寺の山門山門は薬医門です。 浄蓮寺の本堂の向って左前に五輪さん
左の松の後に大銀杏名残の木がある。


山門(薬医門)は1804年(文化元年)に建立、本堂は1921年(大正10年)に再建されました。いぼ神様の背後に大きな石の記念碑がありますが、上水道運動で有名な杉山利平氏と米沢温州みかん育成で有名な米沢忠太郎氏の碑です。本堂の真に昔大きな銀杏の木があったので古くは「銀杏の木の寺」といわれていたそうです。(2002年5月23記)

 2014年6月8日(日曜)に開催されたJR東海主催のさわやかウォーキング〜国指定史跡「小島陣屋跡」と興津川散策〜に参加しました。スタートの興津駅出発後すぐに寄道をさせて頂き、身延道をちょっと北上して浄蓮寺のいぼかみさん・五輪さんに12年ぶりに訪問させて頂きました。12年前と変わらぬすがたのいぼかみさんにお詣り出来ました。いぼかみさんの前にはいぼとりを祈願する時にいぼにつける水の入った茶碗が供えられていました。(2014年6月11日記)

山門前の花が季節を感じさせます 浄蓮寺の本堂の向って左前に五輪さん
山門前の花が季節を感じさせます 浄蓮寺の本堂の向って左前に五輪さん
12年前と変わらぬ姿の五輪さん 五輪さんの前の茶碗も同じ姿でした
12年前と変わらぬ姿の五輪さん 五輪さんの前の茶碗も同じ姿でした

                (写真撮影は2014年6月8日)

浄蓮寺へのアクセスGoogle Map

JRにて

新幹線静岡駅で東海道本線に乗り換え、JR興津駅で下車します。駅前より静岡鉄道(三保山の手線)で国道52号線のJA興津支所前で下車し左折して旧身延街道で右折、東名高速道路の高架下を過ぎ三叉路の真ん中の道を西に入れば浄蓮寺に着きます。(徒歩約400m)興津駅前から徒歩で下車後東北へ300mで旧身延街道に入り北上すれば東名高速道路の高架下に着くとあとは上に同じです。(徒歩約1200m)

マイカーで

東名高速道路清水インターを出て国道1号線を東北に5km走り、左折して国道52号線に入り約1000m北上します。JA興津支所前の信号機を左折すれば約400mです。旧身延街道で右折して北上して東名高速道路下を過ぎ三叉路の真ん中の道をたどれば浄蓮寺前に出ます。

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