小山のいぼ地蔵
〜愛知県一宮市千秋町〜


友人のH君から中日新聞社発行の「お地蔵さん見つけた」に一宮市のいぼ神様の記事が掲載されているとのメールを受け取りました。早速本を購入し一宮市(いちのみやし)にある小山(おやま)のいぼ地蔵を訪ねました。いぼ地蔵は名神高速道路一宮インターから出てすぐ近く、北東方向3kmほどの岩倉市(いわくらし)に接した千秋町小山(ちあきちょうおやま)にありました。名鉄元小山バス停近くから東方に50mほど入ると進行方向右手にいぼ地蔵駐車場の看板が見え南無地蔵尊の旗が立っていました。入口から入った正面に北向きの地蔵堂があり、左隣に観音堂がありました。地蔵堂の右手前と左側にむくげの木があり花が満開で、地蔵堂は豪華な造りでした。

いぼ地蔵尊の専用駐車場、看板の右後方に地蔵堂がある。 正門の正面奥にいぼ地蔵の地蔵堂がある。
いぼ地蔵尊専用の駐車場があり、
看板の右後方に地蔵堂があります。
左手の遠くの森が神明神社です。
入口の正面奥が地蔵堂、
その左隣が観音堂です。


写真を撮っていると隣町からシニアカーでお参りに毎日きているという大正13年生まれのご婦人がお参りにみえました。早速いぼ地蔵についての取材させて頂きました。境内にあるいぼの木といわれているむくげの葉を採ってイボをこすり、地蔵さんの同じ場所をこすってからその葉を供えていぼとりをお願いします。

隣町からお参りに来たご婦人がいぼとりの方法を説明してくれました。 隣町からお参りに見えたご婦人が
むくげの木の前でいぼとり祈願の
方法を詳しく説明してくれました。


お地蔵さんは衣装もちです。 むくげの葉でいぼをこすり、地蔵さんの同じ場所をこすってから地蔵さんに供えます。
衣装を沢山持っている地蔵さんです。 むくげの葉でいぼを擦り、
地蔵さんの同じ場所をこすってから
その葉をいぼとり地蔵に奉納します。


8月24日の地蔵盆は賑わうそうで、願いの叶った人は地蔵さんの前掛や衣装を奉納します。地蔵堂に沢山の衣装が収められていました。
いぼ地蔵さんは地区の方が世話をしていて、境内はきれいに整頓されていました。地蔵堂の屋根にはしゃちほこの飾りがあり、天井の欄間には彫刻があって立派でした。

しゃちほこのある地蔵堂の屋根 地蔵堂の欄間の彫刻
しゃちほこのある地蔵堂の
立派な屋根
地蔵堂の欄間の彫刻


このいぼ地蔵は中部地方では有名で三重県や岐阜県からも参詣者があるそうです。たまたま時々お参りに来るという名古屋から来た中年の男女3人の参詣者がありました。その方々からも早速取材させて頂きました。いぼが取れた人が沢山いると話してくれました。「お地蔵さん見つけた」によると幕末に入鹿池が大雨で決壊した時にここに流れ着いたという言い伝えがあるそうです。そして1907年(明治40年)頃には現在地から約100m東方にある神明神社の西側に祀られていたそうです。また境内の裏を1965年(昭和40年)まで名鉄名古屋本線東一宮駅と名鉄犬山線岩倉駅を結ぶ名鉄一宮線が走っていました。現在の名鉄元小山バス停のところに元小山駅があったそうです。名鉄車内にはいぼ地蔵の中吊り広告が出され、年2回おこなわれた奉賛日には屋台が沢山出て賑わいました。(2001年8月30日記)

小山のいぼ地蔵へのアクセスGoogle Map

JRで

新幹線名古屋駅でJR東海道線に乗り換えて尾張一宮駅で下車、名鉄バスで元小山バス停下車すぐでいぼ地蔵に着きます。名古屋駅で名鉄名古屋本線に乗り換えて新一宮駅下車あるいは名鉄犬山線に乗り換えて名鉄岩倉駅下車で名鉄バスを利用してもよい。

マイカーで

名神高速道路の一宮インターで出て国道22号線に出て名神のガードを過ぎてすぐのすぐが交差点が三ツ井交差点です。その三ツ井交差点の信号機を右折し丹陽郵便局の交差点で左折すると県道155線で600mほど走ると重吉交差点です。重吉交差点を右折して1500mほど走り、小山の交差点で右折してすぐの左方向に入る道に入ると50mほどの右手がいぼ地蔵です。

                                          

話題

一宮市内にお住まいのMさまから地蔵さんの豆本をプレゼントして頂きました。ブログ「いぼとり神様・仏様」(2008年4月24日)を御覧下さい。

参考文献

お地蔵さん見つけた 中日新聞社発行 2001年4月25日初版第1刷
県別マップル愛知県広域詳細道路地図 昭文社発行 2000年1月1版20刷

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