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御撫石(いぼとり・成就院蛸薬師)
〜東京都目黒区下目黒〜 |
東京都目黒区の目黒不動の近くに御撫石(おなでいし)の成就院蛸薬師(じょうじゅいんたこやくし)があります。約1000年前に開山の慈覚大師(じがくだいし)が唐から御撫石の秘法を持ち返り、代々の住持が秘伝してきました。当山から御撫石を頂き、御真言「ヲン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」ととなえて御撫石でイボをなでるとイボが落ちるとのことです。イボが落ちたら御撫石をお返ししましょう。
江戸時代の寛政の改革で有名な松平定信公の花月草紙の五の巻に次のような記載があります。「ある女、いぼというものゑりのあたりより出来て、一夜のうちにかずましてけり。いまひとりのは、ひたひにおほく出来て、さめという魚のかわなんどのごとく、星あるかぶとよりはしげくみえし。女のことなれば、いとなげきて、めぐろと云う所にたこ薬師と名づけし仏のあるを、人の教にまかせて、信じて、たこくはじと誓いて、夜ひとよ心をこらしてねぎごとしたり。夜あけて、手あらい顔などあらうに随いて、二つ三つづついぼの落ちにければ、いとうれしくて、猶心こらしければ、二日三日のうちにみなおちてけり。かのひたいに出来しものもみ習ひければ、これも十日ばかりに、あかもがさのかせたるように、霜のごとなりて、みなきえぬ。」(2000年8月6日公開)
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御撫石は大きさが長径が4cmの
卵形の黒いつるつるした石です。
1500円のご奉納が必要です。 |
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成就院蛸薬師の山門 |
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成就院蛸薬師の本堂 |
蛸薬師へのアクセス→Google Map
JR目黒駅より900m、目黒不動を目標に歩く。東急目蒲線不動前駅より300m、目黒不動を目標に歩く。最寄りのバス停は「たこ薬師前」と「目黒不動前」で100mの歩きです。
秋葉山別当 不老山成就院蛸薬師
東京都目黒区下目黒3−11−11 電話 3712−8942
858年(天安2年)目黒のこの地に慈覚大師円仁(じがくだいしえんにん)が開山した寺院です。一時衰退していましたが徳川三代将軍家光公が寛永年間に再興しました。再興の際に徳川発祥の地にゆかりの遠州の秋葉大権現を勧請しました。境内のお静地蔵も有名です。
花月草紙(岩波文庫) 松平定信著 西尾実・松平定光校訂 岩波書店発行 1995年10月5日第7刷
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