「音訳の部屋」リビングルーム > 音訳・点訳・ことば > 北アルプス・大天井岳の読み方

北アルプス・大天井岳の読み方

2013年1月4日

2013年1月4日
1月3日夜のNHKニュースで
「北アルプス・大天井岳 2人身動き取れず」を報道

アナウンサーが大天井岳(だいてんじょうだけ)と読んでいました。

北アルプスを登山した時
燕岳(つばくろだけ)大天井岳 横道岳(よことおしだけ) 常念岳(じょうねんだけ)
蝶ガ岳(ちょうがたけ)コースを通り、大天井岳(おてんしょうだけ)とばかり思っていましたので、あわてて調べました。

国土地理院のWEB→こちら
大天井岳(だいてんじょうだけ)備考に(おてんしょうだけ)

NHK放送文化研究所>ことばウラ・オモテ>ヤマかサンか→こちら
—————以下一部引用
・・・北アルプスの大天井岳は「ダイテンジョウダケ」と放送では読みます。
大天井岳はアルピニストの古い人なら「何がダイテンジョウだよ。あれはオテンショと読むんだよ」と教えてくれるかもしれません。 —————以上一部引用

山旅倶楽部が提供している山の検索システム→こちら
大天井岳/大天井(ダイテンジョウダケ/オオテンジョウ、オテンショダケ)長野県

安曇野市 山小屋の大天荘(だいてんそう)のWEBに「大天井岳」。何て呼んでます?を見つけました。→こちら
—————-以下大天荘のページ引用
「本当はなんて読むんですか?」と訊かれて困ることがあります。
日本山名ルーツ大辞典によると「おおてんじょうだけ」となっていますが、国土地理院のHPには「だいてんじょうだけ」。登山者の方は「おてんしょうだけ」と呼ぶことが多いようです。そもそも「本当の」山名とは誰が決めるんでしょう?
一昨年、市町村合併で安曇野市が誕生しましたが、市の行政での呼び名は、地元の人が昔から呼び習わした「だいてんじょう」に統一されています。国土地理院も、その地域での通称を尊重する立場から「だいてんじょう」としているようです。一方、この山は、(二の俣谷を上り詰めた)最も高い所との意から御天所(おてんしょ)などと呼ばれていた事から転じて「おおてんじょう」、あるいは「おてんしょう」という名が生まれたようです。ちなみに、山頂にある(三等)三角点の名称は「天章山」と言うんだそうです。
日頃、私たち山荘スタッフは、略して「だいてん」と呼んでいますが、個人的に好きなのは「おおてんじょう」です。青天井(=青空)みたいでこの山にピッタリだと思っています。(笑)
ついでにいうと、私たちのいる山小屋は「だいてんそう」と読みます。電話で「おてんそうですか?」と問いかけられる事がありますが、「大天荘(だいてんそう)」ですので、この機会に、是非、お見知りおきを願います。
—————-以上大天荘のページ引用

Wikipedia 大天井岳
大天井岳(おてんしょうだけ)が最初に出てきて、山名の由来に山名は「だいてんじょうだけ」「おおてんじょうだけ」とも呼ばれる。山小屋は大天荘(だいてんそう)、大天井岳ヒュッテ(おてんしょう)と呼ばれている。(以上Wiki)
尚、大天井ヒュッテに関しては
大天井ヒュッテのWEBでは(otenjo)になっています。→こちら
Mapion電話帳では大天井ヒュッテ(おてんじょうひゅって)

『日本山名総覧』自由書房によると 大天井岳/大天井 ダイテンジョウダケ(オオテンジョウ、オテンショダケ)

山の名前は違う読み方をする場合がありますので、自分の思い込みをそのままにしないで、確かめることが大切だと思います。
山岳小説などで(おてんしょうだけ)とルビがふってあればそのまま読むことになるでしょうが、一般的には第一に国土地理院やNHKの読み(だいてんじょうだけ)を採ることになるのでしょうか。

4日のYOMIURI ONLINE(読売新聞)、毎日JP、5日の静岡新聞朝刊には大天井岳(おてんしょうだけ)とルビがついていました。4日の日テレニュースでも(おてんしょうだけ)と読んでいましたから、どちらでもいいのでしょう。
特に音訳・点訳の校正者は自分の思い込みで校正しないことが大事だと思います。

******************

1月4日15時のNHKニュースでは「北アルプス 大天井岳 遭難の1人確認か」とあります。
無事であることを祈ります。
1月4日 18時27分のニュースでは二人が助かったとのこと良かったですね。

Comment

  1. ranちゃん より:

    大天井岳のニュースでは他局が「オテンショウダケ」と言っていた中、NHKだけが確かに「ダイテンジョウダケ」とよんでいました。
    私も「あれっ?どっちが正しいんだろう?」と思いましたが調べるまでには至りませんでした。早速調べる機動力に感動!また、ここまで調べて初めて「調べた」と言えるんだということ!新年早々勉強になりました。今年も「音訳の部屋」にはお世話になると思います。
    どうぞよろしくお願い致します。

  2. yoco より:

    >ranちゃんさま

    おめでとうございます。
    大天井岳には登山したことがあり、大天井ヒュッテに泊って満天の星を眺めたことがありますので、気になりました。

    疑問に思うことを調べて、少しでもお役にたてばうれしいと思います。
    今年もよろしくお願いします。

  3. nさん より:

    私も40年ぐらい前に大天井岳を縦走しました。帰りにタクシーに乗ったら運転手さんが「ダイテン」と呼んでいました。地元の人が「ダイテンジョウ」と呼ぶのなら、そちらを優先すべきではないでしょうか。

    • yoco より:

      nさんへ
      読み方は難しいですね。私はいろいろな読み方を調べてお知らせしてきました。最終的には音訳者自身が原本の種類等から自分で決めることになるのだと思います。

      • nさん より:

        yocoさんへ
        まさかこんなに早く回答をいただけるとは…! 返信いただき真に有難うございました。
        蛇足の話をさせていただきますと、こちらの地元に「コマンバの灯台」というものが有ります。ネットで調べると漢字で「駒場」と書くのだそうです。これについてネット上で「これはどう見ても「コマバ」と読むべきだろ」という議論がまかり通っていました。我々地元民には「コマバの灯台」では何のことか分かりません。その時「コマンバの灯台」という読み方は死守すべきだと思いました。(蛇足で失礼しました。)

nさん へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

トップに戻る