塩かけ地蔵・いぼ地蔵(太宗寺)
東京都新宿区新宿2−9−2


「子供にはまじめな顔をしていぼとり地蔵をなでにいくことをすすめます。新宿御苑前の太宗寺(たいそうじ)にあるそうです。」と慶応義塾大学医学部皮膚科教室のホームページの皮膚科相談室のFAQにありました。大学皮膚科おすすめのいぼとり地蔵の存在を確認するために早速太宗寺を訪れました。

江戸六地蔵の一つ、銅造地蔵菩薩坐像 江戸六地蔵のひとつ
銅造地蔵菩薩坐像
正徳2年(1712年)造立
像高は267cm
山門を入ってすぐの右手にあります


太宗寺江戸六地蔵で有名なお寺で、JR新宿駅のすぐ近く新宿御苑の北側にあります。山門を入ってすぐ左側の不動堂と稲荷神社の間に塩かけ地蔵のお堂がありました。西新井大師にあるいぼ地蔵である塩地蔵と同じくらいの山盛りの塩の中に塩かけ地蔵がありました。塩かけ地蔵は「東京御利益案内」によるとおできにご利益があると記載されています。塩をもらって帰り患部に塩を塗り込むとおできが治るそうで、いぼも同じ祈り方をしたと考えられます。塩で石がとけて地蔵の顔が変形し、まさにいぼとり地蔵にちがいない雰囲気のお地蔵さんです。

塩かけ地蔵のお堂 山盛りの塩と顔が崩れた地蔵さん
塩かけ地蔵のお堂
山門を入って左方にあります
塩でとけて地蔵の顔も崩れています


このお寺は「内藤新宿のお閻魔さん」と「しょうづかのばあさん」として親しまれた閻魔大王像(えんまだいおうぞう)と奪衣婆像(だつえばぞう)でも有名でともに新宿区指定有形民俗文化財に指定されています。この塩かけ地蔵いぼとり地蔵であることを確認するために御住職を訪問取材させて頂きました。御住職のお話では塩かけ地蔵いぼとり地蔵であることは間違いないとのことでした。地蔵さんの祈り方は特にないが、塩を少し頂いて帰り御礼は塩を倍にしてお返しするとのことでした。太宗寺には有名な文化財が多すぎるのでいぼとり地蔵が当寺の主役にはなれなかったようです。(2003年3月13日記)

浄土宗霞関山本覚院太宗寺
新宿区新宿2−9−2 (電話) 03−3356−7731

山門を入って正面に新しい本堂
手前の閻魔堂に閻魔像と奪衣婆像
大きいお堂が不動堂
三日月不動像と布袋尊像


新宿御苑一帯を下屋敷としていた高遠藩内藤家の墓所で5代内藤正勝以後の墓がある。創建 慶長元年頃(1596年) 太宗(僧侶)の太宗庵が前身、開山 寛文8年(1668年)、閻魔像と奪衣婆像のほかに江戸六地蔵の3番目に造られた銅造地蔵菩薩坐像(どうぞうじぞうぼさつざぞう)、三日月不動像(みかづきふどうぞう)、新宿山の手七福神の布袋尊像(ほていそんぞう)、切支丹灯篭など文化財が多くあります。

太宗寺へのアクセスGoogle Map

地下鉄営団丸の内線の新宿御苑前で下車し清雅堂の北側に太宗寺で徒歩2分です。JR新宿駅からは東口を出て新宿通りを東へ700mほど歩くと清雅堂前に着きます。                                                                       

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参考文献


霊場の事典 学習研究社発行 1997年12月20日初版第1刷
東京御利益案内 実業之日本社発行 2001年3月1日初版第1刷
でか字ニュータイプ東京23区 昭文社発行 2002年5月初版第2刷

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