国語に関する世論調査
~言葉の発音~

 最終更新日2004年7月31日 -音訳の部屋へ戻る-
◇ 文化庁の国語に関する世論調査より (2004年7月30日 日本経済新聞朝刊)

読み方が分かれる10語 伝統的な読み 少数派に

 読み方が分かれる十語について尋ねたところ、伝統的な読み方をする人が減っている実態が浮かんだ。調査対象は二通りの読み方がある十語で読み方はどちらも正しい。
 「三階」は「さんがい」が61%で「さんかい」は36%。同じ項目で尋ねた六年前の調査に比べ「さんかい」派が10ポイント増えた。「十匹」は伝統的な「じっぴき」の23%を「じゅっぴき」が75%と大きく上回った。多数派の「じゅっぴき」が学校現場では不正解となり論議を呼ぶケースも出ている。

世論 よろん 74% せろん 19%
重複 ちょうふく 20% じゅうふく 76%
情緒 じょうしょ 15% じょうちょ 82%
固執 こしゅう 20% こしつ 74%
施策 しさく 68% せさく 26%
早急 さっきゅう 21% そうきゅう 75%
地熱 ちねつ 52% じねつ 43%
十匹 じっぴき 23% じゅっぴき 75%
3階 さんがい 61% さんかい 36%
あり得る ありうる 40% ありえる 55%

※読み方はどちらも正しい。小数点以下は四捨五入
赤字は伝統的な読み方。①、⑦はどちらともいえない

(平松・注)(「どちらも同じくらいの割合で言う」「分からない」は省略。)発表は足して100%にはなっていない。

以上2004年7月30日 日本経済新聞朝刊より



◇ 文化庁のホームページより参照

 平成15年度「国語に関する世論調査の」の結果について (文化庁のホームページ 内 国語に関して)

以下は文化庁のホームページ 平成15年度「国語に関する世論調査」の結果 5 言葉の発音 の部分 



5 言葉の発音
(1)言葉の発音
  -7割以上が「十匹」を「じゅっぴき」と発音-
 以下の10語について、二通りの発音を挙げ、ふだんどちらで発音しているかを尋ねた。
結果は以下のとおり。
(「どちらも同じくらいの割合で言う」「分からない」は省略。)数字は%

世論 せろん よろん
18.9 73.6
重複 じゅうふく ちょうふく
76.1 20.0
情緒 じょうしょ じょうちょ
14.9 82.2
固執 こしつ こしゅう
73.7 19.5
施策 しさく せさく
67.6 26.1
早急 さっきゅう そうきゅう
21.2 74.5
地熱 じねつ ちねつ
43.3 52.4
十匹 じっぴき じゅっぴき
23.3 75.1
3階 さんかい さんがい
35.7 61.2
あり得る ありうる ありえる
39.8 54.5


「3階」「あり得る」について、平成9年度調査の結果と併せて表にすると、以下のとおり。
(「どちらも同じくらいの割合で言う」「分からない」は省略。)数字は%

* 3階 あり得る
さんかい さんがい ありうる ありえる
平成15年度 35.7 61.2 39.8 54.5
平成9年度 26.2 71.7 35.6 58.8


  10語のうち、年齢差の見られる「早急」「地熱」「十匹」「3階」「あり得る」の5語について、年齢別に調査結果を示すと以下のとおり。(「どちらも同じくらいの割合で言う」「分からない」は省略。)ふだん「十匹」を「じっぴき」と発音している人の割合は、60歳以上では38.2%と、50代以下と比べて高くなっている。また、「3階」については、「さんがい」と発音する人の割合は高年層ほど高く、一方、「さんかい」と発音する人の割合は若年層ほど高くなっている。数字は%


* 16~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上
早急 さっきゅう 18.9 16.3 16.4 18.7 27.7 22.6
そうきゅう 80.2 81.0 79.2 76.7 68.5 72.0
地熱 じねつ 36.8 33.9 32.2 38.8 43.4 54.4
ちねつ 59.4 64.7 64.6 57.2 52.9 39.4
十匹 じっぴき 14.2 13.6 12.0 16.0 20.3 38.2
じゅっぴき 84.0 86.0 86.0 82.9 78.1 59.9
3階 さんかい 61.3 54.8 43.6 42.3 30.3 22.6
さんがい 34.0 42.1 51.5 53.9 67.4 75.4
あり得る ありうる 24.5 30.3 31.0 31.4 36.4 55.1
ありえる 73.6 66.1 60.8 64.0 58.7 38.3


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