放射線計る単位
シーベルト(Sv)ベクレル(Bq)グレイ(Gy)
最終更新日2012年3月10日

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 始めに

2011年3月11日東日本大震災の後におこった福島第一原発事故
報道に放射線の単位がいろいろ出てきました。
ブログに記載してきましたが、読み方も含めて関係する単位を後の出版物のためにまとめておきます。
関係するサイトへリンクを貼りましたが、時事問題のリンクは時間と共に変化し、なくなることも多いので承知しておいて下さい。(制作 平松陽子)



<参考サイト>


単位の読み方は「音訳の部屋」にもまとめてあります。 
単位一覧→こちら
接頭語はページ最初をご覧下さい。

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○放射線の単位について
 グレイ(Gy)は、放射線が物質に当たったとき、そのエネルギーが物質にどれだけ吸収されたかを表す単位で、シーベルト(Sv)は人体が放射線を受けたとき、その影響の度合いを表す単位です。人体への放射線の影響を評価する際はシーベルト(Sv)を用います。

 ※下記のとおり換算します。
   1nGy/h(ナノグレイ/毎時)
    ≒1nSv/h(ナノシーベルト/毎時)
    =0.001μSv/h(マイクロシーベルト/毎時)
    =0.000001mSv/h(ミリシーベルト/毎時)

  *(下記シーベルトの鹿児島県環境放射線監視情報)参照



◇シーベルト(Sv)

 人体が放射線を受けた時、その影響の度合いを測る物差しとして使われる単位。

 ---(参考)
 「音訳の部屋」単位一覧の線量当量
 μSv/h(マイクロシーベルト毎時)
 mSv/h(ミリシーベルト毎時) 

 μ(マイクロ)とm(ミリ)の違い  
 単位1ミリシーベルトは1千マイクロシーベルト

YOMIURI ONLINE 3/16より   単位400ミリ・シーベルト(40万マイクロ・シーベルト)

鹿児島県環境放射線監視情報 用語説明より
 人体への影響を表すシーベルト(Sv)は、一般的にグレイ(Gy)に0.8をかけると換算できる



◇ベクレル(Bq)

 放射能を表す単位。1ベクレル(Bq)は、1秒間に1個の放射性核種が崩壊することである。

 ---(参考)
 「音訳の部屋」単位一覧の放射能面密度 
 Bq/cm2 (ベクレル毎平方センチメートル)

 2011/3/17朝日新聞追加 
 キュリー(Ci) 1キュリーは370億ベクレル

********************************2011/4/12掲載より

放射性物質 京(けい)ベクレル、テラベクレル

4/12発表された福島第一原子力発電所の事故のレベルについて、放射性物質 京(けい)ベクレル テラベクレル の単位がありました。
NHKと朝日新聞・毎日新聞等で単位の表示の仕方が違います。

—————————————

<NHKニュースより>
原発事故評価 最も深刻なレベル7

東京電力、福島第一原子力発電所の事故は、事態の深刻さを表す国際的な基準に基づく評価で、これまでの「レベル5」から最も深刻な「レベル7」に引き上げられました。
「レベル7」は、世界的にみても25年前のチェルノブイリ原発事故しかなく、世界の原子力史上、最悪レベルの事故となりました。

・・・・中略
最も深刻な「レベル7」に引き上げることを決め、12日に発表しました。
評価は、これまでに外部に放出された放射性物質の推定量で行われ、
放射性のヨウ素131と、セシウム137を併せた放射性物質の量は、
原子力安全・保安院の試算で37京ベクレル、
原子力安全委員会の試算では63京ベクレルと推定され、
いずれも『レベル7』の基準に相当するとしています。
「京」は「1兆」の「1万倍」です。

・・・・中略

ただ、福島第一原発の事故で放出された放射性物質の量は、
現時点では、520京ベクレルを放出したとされる
チェルノブイリ事故の1割前後と評価されるとしています。
・・・・後略
—————————————

<asahi.comより>

福島原発事故、最悪「レベル7」 チェルノブイリ級に

・・・・前略
レベル5は放射性ヨウ素に換算して数百~数千テラベクレル(テラは1兆倍)の放出が基準だ。
その後、放出された放射性物質の総量を推定したところ、
放射性ヨウ素換算で37万~63万テラベクレルになった。

・・・・中略・・・
チェルノブイリ事故では爆発と火災が長引き、
放射性物質が広範囲に広がり世界的な汚染につながった。
実際の放出量は520万テラベクレルとされている。
福島第一原発の事故での放出量はその1割程度だが重大な外部放出と評価した。
・・・・後略

—————————————

京(けい)という単位は一兆の一万倍です。
NHK、新聞社は表示の仕方が違いますが同じ量です。

十: da(デカ) 10の1乗
百: h(ヘクト) 10の2乗
千: k(キロ) 10の3乗
万 10の4乗
億 10の8乗
兆: T(テラ)10の12乗
京(けい) 10の 16乗 すなわち一兆の一万倍

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T(テラ)10の12乗について

音訳の部屋「単位の読み方辞典(2)単位一覧」→こちら
10の整数乗を表す接頭語(接頭辞)を参考にしてください。

 一京ベクレルは一万テラベクレル

*************以下2012/3/10朝日新聞掲載より

朝日新聞抜粋2012/3/10(土)beより
「原発事故で放出された放射性物質は57万テラベクレル」。こんな記事が新聞に載りました。
ところが、テレビのニュースでは「57京ベクレル」と言い、ネットでは「570ペタベクレルとすべきだ」と出ているのもあります。
・・・・中略・・・
冒頭の放射能量は国際的には570ペタベクレルが正しい言い方で、漢字を使うなら57京ベクレルです。
万テラやキロテラなど接頭語を重ねて使うのは、本当はおかしいそうです。
でも、接頭語に慣れていない人には兆(テラ)の何万倍とする方がわかりやすいでしょう。

*************以上2012/3/10朝日新聞掲載より



◇グレイ(Gy)

 放射線が当たった物質が吸収した放射線のエネルギーで表される放射線量。
 1Gyは物質1kg当たりに1ジュール (J)のエネルギーが吸収されることを意味する。

 --- (参考)
 「音訳の部屋」単位一覧の吸収線量率(WEBでは吸収線量)
 nGy/h (ナノグレイ毎時)
 mGy(ミリグレイ)



◇関係する用語

cpm (カウント・パー・ミニットまたはシーピーエムまたはカウント毎分)

 1分あたりの放射線計測回数「cpm」(カウント・パー・ミニット)で放射線量を表すこともある。
 放射線測定機に1分間に入ってきた放射線の数を、人体への影響の大小は考慮せずに測る。
 シーベルトやグレイに比べ大ざっぱなもの


同位元素の質量数の読み方

数字は原則として全体を1つの数字として読む
ヨウ素131 (左上131I) (ようそひゃくさんじゅういち) 半減期8.0日
セシウム137 (左上137Cs)(せしうむひゃくさんじゅうなな) 半減期30年
プルトニウム239 (左上239Pu)(ぷるとにうむにひゃくさんじゅうきゅう)(ぷるとにうむにひゃくさんじゅうく) 半減期2.4万年

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