なるほど読み方辞典
No.2
2010年~2011年

最終更新日2012年4月26日

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「米酢」の読み方 「よねず」「こめず」

「音訳の部屋リビングルーム(2011年10月23日)」ブログより 2011/10/23転記

読み方で悩むことばはたくさんあります。
音訳者のメールで「米酢」の読み方について 調べました。

米酢に関しては辞書を調べると
広辞苑では①に(よねず)②に(こめず)
日本国語大辞典では(よねず)その中に(こめず)もあります。
NHKことばのハンドブック第2版P81 米酢○コメズ ×コメス (古くは[ヨネズ])とあります。

辞書では①に(よねず)のようです。
NHKではことばのハンドブックに(こめず)のように記載があります。
放送で(よねず)と言っている時がありました。商品名を言ってはいけないからかなと思いましたがそうでもなさそうです。

音訳の部屋の特別な言葉の読み方辞典(2)にも
それに付いての記述があります。→こちら

辞書では(よねず)ですが
ミツカンの商品名が(こめず)です。
ミツカンのWEBサイトにQ&Aのサイトがあります。こちら

——-以下mizkanのページより
Q:ご質問
米酢は、「コメズ」と読むのですか?「ヨネズ」と読むのですか?
A:回答
「コメズ」「ヨネズ」どちらも辞書に載っており、正しい読み方です。
ミツカンの米酢の製品名としては、発売当初から「コメズ」です。
お米を原料にしたお酢であることがわかりやすいよう、「コメズ」としております。
——-以上mizkanのページより

お料理番組などでは(こめず)が多いようです。

音訳で実際にどう読むかは書籍の内容から音訳者が決めることですし、
所属のところの方針もあるので一概には言えません。

平成ことば事情の道浦俊彦氏のページにもこのことが書いてあります。→こちら

ことばの読みの事情を知った上でご自身で決められると納得できるのではないでしょうか。
このような例は他にも多いと思います。

ことばの読みは必ず統一されているわけではありませんので調査した上で選ぶことも必要です。


 原発事故収束に向けた工程表「ステップ2」の読み方

「音訳の部屋リビングルーム(2011年10月20日)」ブログより 2011/10/21転記

原発事故収束に向けた工程表の段階「ステップ2」の
「2」の読み方について報道の方からメールをいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー以下メールの一部引用
ニュースでは「に」でほぼ定着していますが、
工程表の立案・実施主体の方たちは、会見や国会答弁で「ツー」と言っています。
そこで念のため原子力安全・保安院に聞きました
広報課の話では
「決まった読み方はないが、ツーと読む人が多い」とのことでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー以上メールの一部引用

YouTubeで実際に聞いてみました。
菅前総理の会見では「ステップツー」
ニュースでは「ステップニ」と言っていました。


このような報道、専門家・行政の読みの違いはH2ロケット(エイチニロケット)と同様です。

「音訳の部屋」の「特別な数字の読み方辞典」のロケットの項に次の記載があります。
H2(型)ロケット{エイチニ(ガタ)ロケット}
宇宙開発事業団・NASDAでは「型」が付かない場合「エイチ・ツー」のような英語読みを希望している。

ニュースを聞いていると報道ではH2ロケット(エイチニロケット)と言っています。


新聞や書籍を読む時、どう読むかを決めるのは音訳者ですが、報道と関係者との読みの違いを知っていると分かっていて使えます。校正者も知っていると助かります。

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  「茶道」の読み方 「さどう」「ちゃどう」

「音訳の部屋リビングルーム(2011年08月15日)」ブログより 2011/10/14転記

「茶道」の読み方は「さどう」か「ちゃどう」か。
最近、歴史ドラマでの言い方で疑問に思う人が多いようなので調べました。

ー辞書による調査ー

日本国語大辞典では
ちゃどう 「茶道」・・・説明文に「さどう」
さどう 「茶道・茶頭・茶堂」 茶の湯 茶の湯の道のことを「さどう」というのは江戸時代まではまれであり、また「茶頭」との混同を避けるために「ちゃどう」というのが普通であった。

広辞苑では
ちゃどう 「茶道」・・・説明文に「さどう」
さどう 「茶道」⇒「ちゃどう」

ーWEBで取り上げられている記事よりー

記事はなくなることもあり、探しにくいのでWEBサイトより引用しました。

NHK放送文化研究所 最近気になる放送用語
「茶道」の読み →こちら
—————————–以下NHKの上記サイトより
Q:「茶道」にはサドーとチャドーの二つの読み方がありますが、どちらが正しいのでしょうか。
A:放送では、現在どちらで読んでもいいことになっています

解説:ただし、古くはチャドー、現在ではサドーが一般的だと言われています。『日本国語大辞典』によると、江戸時代まではサドーというのはまれで、茶頭(サドー)との混合を避けるためにチャドーというのが普通だったようです。今でも、茶釜、茶器、茶室、茶道具、茶の湯、茶会などの茶道関係のことばは、すべてチャです。したがって、「茶道」をサドーと読むのはむしろ例外的です。
茶道関係の専門書によれば、サドーをよしとする説では、これが禅院茶湯の伝統的な言い方である、という記述もあります。かつてキッチャテンとも言われた「喫茶店」が現在キッサテンにほぼ統一されたように、「茶道」もしだいにサドーに変化してきたことが推測されます。
—————————–以上NHKの上記サイトより

NHK 歴史秘話ヒストリア「明治 悪妻伝説 初代“ハンサムウーマン”新島八重の生涯」
「茶道」の読み方について →こちら
—————————–以下NHKの上記サイトより
現代では「さどう」との読み方が一般的となっていますが、
各流派では、以下の通りとなっています。

表千家では、特に決まりはないが「さどう」と読むのが一般的。
裏千家では、「ちゃどう」と読む。
武者小路千家では、「ちゃどう・さどう」どちらでもかまわないが、原則「茶の湯」を使う。

NHKが放送で使用する放送用語では「さどう・ちゃどう」ともに正しく、一般的な情報として話す場合は「さどう」を採用します。番組内容が個別の流派にかかわる場合は、その流派での読み方を優先しています。
今回番組では、八重が裏千家の師範だったことから、裏千家が使用している「ちゃどう」の読み方を採用しました。
—————————–以上NHKの上記サイトより

道浦俊彦氏の「平成ことば事情」
ことばの話873「チャドウとサドウ」 →こちら
—以下上記「平成ことば事情」文中より抜粋
・・・
有名な流派は三つあります。 表千家・裏千家・武者小路千家
「千家」に電話して確かめたところ
裏千家・・・・・・・・チャドウ
武者小路千家・・・・・チャドウ
表千家・・・・・・・・さどう
ということでした。
つまり表千家だけが「さどう」なんです。
・・・
—以上「平成ことば事情」サイト文中より抜粋

NHKの読み方はほとんどの音訳者が参考にしていると思います。
NHKの放送用語では「さどう・ちゃどう」ともに正しく、一般的な情報として話す場合は「さどう」を採用。
番組内容が個別の流派にかかわる場合は、その流派での読み方を優先している とのこと。
お正月など茶道といわないで「茶の湯」を使うことも多い気がします。
放送関係者も悩むことがおおいのでしょうね。

ー正確な読み方は何か?ー
音訳・点訳をしていると気になりますが、はっきりいえない言葉もあるようです。
辞書等をしっかり調べた上で、音訳者が自分で書籍にあった読みを選択するということでしょう。
時代の変化と共に読み方も変化していきますので、辞書にある第一の読みが、本によっては適切か考えてしまうこともあります。
書籍の内容に影響がある言葉は時間をかけて調べ、普通は辞書や適切な参考資料を調査し、典拠を記して先に進むことも大事なのだと思います。

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 農作物の読み方

「音訳の部屋リビングルーム(2011年04月05日)」ブログより 2011/10/14転記

福島第一原発の事故の報道で農作物の言葉がでてきます。

農作物の読み方 を調べました。

◇ 辞書

日本国語大辞典①(のうさくぶつ)②(のうさくもつ)
広辞苑(のうさくぶつ)

◇NHKことばのハンドブック第2版』P160
 ○ノーサクブツ ×ノーサクモツ 「作物」は[サクモツ]

ーーーーーーーー

◇NHKのWEBサイトより

NHKのページは現在この記事がありません。(2011年4月14日記載)

NHK放送文化研究所 ことば 現場の疑問Q&A→こちら の「農作物」の読み方は? 02.10.01より

—-以下 NHK放送文化研究所 ことば 現場の疑問Q&Aより引用(現在は記事がありません)

Q:田畑でつくられた米や野菜類の「農作物」の読み方は、
 [ノーサクブツ][ノーサクモツ]のどちらでしょうか。

A: 放送では、[ノーサクブツ]と読んでいます。

【解説】

「作物」の読みが[サクモツ]であることから類推して、
「農作物」を[ノーサクモツ]と読む人が多いものと思われますが、標準的な読みは[ノーサクブツ]です。

国語辞書でも[ノーサクブツ]を主見出し語とするものがほとんどで、放送でも[ノーサクブツ]と読むようにしています。

ところで、このことばも読み方に「ゆれ」があるものの一つです。
NHK放送文化研究所が平成6年(1994)12月に行った全国調査では、「台風による『農作物』の被害」をどう読むかという問いに対して[ノーサクブツ]と答えた人が58.5%、[ノーサクモツ]と答えた人が39.7%と3:2の比率でした。

この時いっしょに調べた「情緒」の読みについての調査結果は、[ジョーチョ]が80.8%に達したのに対し、[ジョーショ]は15.3%にとどまっています。

この調査結果については、“「情緒」は安定、「農作物」はゆれている”という表題で、平成7年3月号の『放送研究と調査』で詳しく報告されています。

なお、同じような複合名詞でも、「畑作物」「換金作物」「自給作物」「特用作物」の読みは、いずれも[~サクモツ]です。
また、同じ「作物」でも、絵画や詩歌などの作品を言う場合の読みは、[サクブツ]です。

—-以上 NHK放送文化研究所 ことば 現場の疑問Q&Aより引用(現在は記事がありません)

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 雪洞の読み方(せつどう)(せっとう)(ぼんぼり)

「音訳の部屋リビングルーム(2011年02月22日)」ブログより 2011/10/14転記

もうすぐ雛祭り。
母が遠方から大事に抱えてきたお雛様を玄関に飾りました。
趣味で作っていた方のお雛様がとても美しかったのでゆずって頂いたとのこと。
ずいぶん昔のことで、制作した人も母も今はおりませんが、雛人形は私の手元で毎年春を迎えます。

 この雛人形には雪洞がありませんが・・・

雪洞の読み方「音訳の部屋」には二ヶ所読み方があります。

1)「暦のことば 読み方辞典(50音順)」→こちら
は行(ほ) 雪洞 (ぼんぼり) 『宮中歳時記』

2)茶道用語読み方辞典→こちら
雪洞 (せつどう) 風炉覆のこと 淡交社『茶道用語辞典』P210
雪洞(せっとう)木や竹のわくに白い紙を貼り、その一部に窓をあけ、茶炉(ちゃろ)などの上をおおうもの。『日本国語大辞典』 『広辞苑』
11.02.22備考付加 11.02.23国語辞典の記載付加

音訳の部屋では上記が載せてありますが、他の辞書、WEBも再調査しました。

<調べた国語辞典>

◇日本国語大辞典 第二版

・7巻P1403 雪洞(せっとう)
①木や竹のわくに白い紙を貼り、その一部に窓をあけ、茶炉(ちゃろ)などの上をおおうもの。・・・
②紙または絹張りのおおいのある手燭。・・・ぼんぼり
・7巻P1404 雪洞(せつどう)
①雪の洞穴(ほらあな)。倉庫用あるいは登山の雪中露営など、いろいろな用途に用いられる。
②⇒せっとう(雪洞)
・12巻 ぼんぼりP271
一[副]うすくすけてぼんやり見えるさま、はっきりしないさまを表わす語。ほんのり。ほっかり。
二[名]
①(雪洞)木や竹のわくに白い紙を張り、その一部に窓をあけ、茶炉(ちゃろ)などの上をおおうもの。せっとう。
②(雪洞)紙または絹張りのおおいのある手燭。また、柄(え)をつけ、その下端に台座をつけた小さな行灯(あんどん)・・・せっとう
他にも③中啓(ちゅうけい)の扇の一種。④耳の垢を掃う道具⑤干鱈・・・の料理。⑥ぼんぼり綿の略。⑦毛糸や羽毛などで作った丸い房。

◇広辞苑第五版

・雪洞(せっとう)P1502
①木竹の框(かまち)に白紙を貼り一部に窓をあけ、風炉の上をおおい助炭(じょたん)に用いるもの。
②⇒ぼんぼり
・雪洞(せつどう)P1502
①積雪期登山中の露営のために雪を掘って作った横穴。ゆきあな。スノー・ホール。
②⇒せっとう
・ぼんぼりP2486
①物がうすく透いてぼんやりと見えるさま。・・・
②(「雪洞」と書く)
ア)茶炉などに用いる紙張りのおおい。せっとう。 イ)絹または紙張りのおおいをつけた手燭(てしょく)
③中啓(ちゅうけい)の一 ④耳垢(みみあか)をとる道具。⑤料理の名⑥ぼんぼり綿(わた)の略

◇大辞林第二版

・雪洞(せっとう)P1411
①風炉の上をおおうもの。木や竹製の枠組みに白紙を張り、小さな窓を設ける。炭火を保たせるために使う。
②ぼんぼり
・雪洞(せつどう)P1411
登山で、露営または緊急避難用に雪中に掘る縦穴または横穴 →せっとう(雪洞)
・(雪洞)ぼんぼり
①紙張りのおおいのある小さい行灯(あんどん)、または手燭(てしょく) 
②中啓(ちゅうけい)の一
 ぼんぼり綿(ぼんぼりわた)

<茶道の専門書>

◇淡交社『茶道用語辞典』P210
雪洞(せつどう)風炉覆のこと。風炉にかぶせて、炭火を長くもたせるためのもの。
厚紙製の六角形で、必要のない時は折りたたむことができる。

<その他の書籍>
参考までに家にある書籍には下記のような記述もあります。

◇小学館『間違いやすい言葉の事典』 
P34に[雪洞の明り] ×せつどう ○ぼんぼり (制作者注 [雪洞]ではなく[雪洞の明かり]とあります。)
*雪洞に火をともす
 火をともす部分の木の枠組みに紙や絹を張り、柄(え)や台座を取り付けた小さな行灯(あんどん)。茶道で「雪洞(せつとう)」という道具があり「ぼんぼり」を「雪洞」と書くのはそれと形態が似ていることから来たものか。
 「雪洞」を「せつどう」と読めばまったく別の語となり、冬山登山で、野営のために斜面などの雪を掘ってつくる穴のこと。こちらは文字どおり雪のほらあなという意である。

◇ほぼ日刊イトイ新聞-声に出して読めない日本語→こちら
雪洞
せつどう 登山で、露営または緊急避難用に雪中に掘る縦穴または横穴。
せっとう (1)風炉の上をおおうもの。木や竹製の枠組みに白紙を張り、 小さな窓を設ける。 炭火を保たせるために使う。(2)ぼんぼり。
ぼんぼり 紙張りのおおいのある小さい行灯(あんどん)、または手燭(てしょく)。

 「音訳の部屋」制作に関しては、信頼できる専門書や辞書を参考資料として、個人で「読み方辞典」を作っています。
資料によっては同じ用語でも読み方が違っているものも多いのです。
はっきり間違いとわかるものは他の書籍を調べて書き換えています。

今回のように
雪洞(せっとう)(せつどう)(ぼんぼり)を「音訳の部屋」から調べるにはトップページの下方にサイト内検索を用意しています。
疑問に思ったときにはここを検索してください。いくつかの読み方辞典が出てきます。今回は最初に記載しましたように

1)「暦のことば 読み方辞典(50音順)」
は行(ほ) 雪洞 (ぼんぼり) 『宮中歳時記』

2)茶道用語読み方辞典
雪洞 (せつどう) 風炉覆のこと 淡交社『茶道用語辞典』P210 の記載があり、辞書を調べて、雪洞 (せっとう)も入れました。
また専門書で違う本を読んだ時には加筆します。

音訳・点訳時の大事な注意点

1)「音訳・点訳のためのインターネット活用講座」ではいつも言っているのですが、パソコンの変換から読みを使わないで下さい。
変換ですと ぼんぼり(雪洞)です。
2)全文にルビがあるページはロボット検索か外国人向け、子供向けのページのことが多いので、点訳・音訳に使わないほうが良いでしょう。
3)音訳・点訳時、最終的に読みを決めるのは読んでいる本の内容によりご本人です。音訳の部屋は参考と思ってください。

「音訳の部屋」の制作者である私は専門書や辞書を調べて書いています。けっして漢字に強いのではありません。
文系でなかったので、漢字の読みか不得手・・・と言う出発点から制作が始まっています。

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なお、茶道に関しても(ちゃどう)(さどう)の読み方があります。
いずれ調査して記事にしたいと思います。

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 降灰の読み方(こうはい)(こうかい)-新燃岳噴火

「音訳の部屋リビングルーム(2011年02月05日)」ブログより 2011/10/15転記

新燃岳噴火が続いています。
報道から降灰の読み方が気になりましたので調査しました。

「音訳の部屋-読み方辞典」
気象用語と地学用語に降灰の読み方があります。
気象用語関係の資料を参考にした読み方は(こうはい)
地学用語関係の資料を参考にした読み方は(こうかい)(こうはい)両方

気になりましたので気象庁に問合せをしました。
気象庁のページには
天気に関すること、気象や予報に関する用語などについては、「天気相談所」へお問い合わせ下さい・・・とあります。
電話に出られた方にお聞きしましたら正式には答えられない、平日に火山の部門に問い合わせるようにとのこと。

●専門家に聞くのでしたら文部科学省のオンライン学術用語集を見るのと同じですのでサイトにとびました。
オンライン学術用語集→こちら (こうはい)になっています。

ーーーーーーーー
  全てを選ぶにレ点を入れて、検索語に 降灰 を入れて検索してください。
  気象学編、地震学編、地学編 すべて(コウハイ)になっています。
ーーーーーーーー

辞書をみますと
●日本国語大辞典第二版 降灰(こうかい) のみ
●広辞苑第五版 降灰(こうかい)降灰(こうはい)両方あり (こうはい)⇒(こうかい) (こうかい)のところには説明の後に気象学では(こうはい)という。・・と記述
●大辞林第二版 降灰(こうかい)降灰(こうはい)両方あり (こうはい)⇒(こうかい) 

報道を聞いていますと降灰(こうはい)と読んでいます。
●NHKではネットに降灰(こうはい)と言っていたとありますので、NHKのサイトをみてニュースで音声が流れる時、聞きました。
見出しには 降灰 と出るのですが、アナウンサーは「火山灰が降り積もり・・・」と言い換えていました。

ーーーーーーーー以下『改訂版 NHK気象ハンドブック』P260より
降灰[コーハイ]
なるべく「(火山)灰が降る」「降った(火山)灰」などと言いかえる。使う場合は[コーハイ]と読み、[コーカイ]とは読まない。
ーーーーーーーー以上『改訂版 NHK気象ハンドブック』P260より

  NHKの見解をネットで見つけました。→こちら (リニューアルによりリンク先変更2011年4月記載) 
●民放では降灰(こうはい)と言っているようです。

国会議事録に記載があります。→こちら
行政では(コウカイ)と言っているとの記載です。
ーーーーーーーー以下国会議事録より抜粋
衆議院会議録情報 第174回国会 総務委員会 第9号
平成二十二年三月二十三日(火曜日)
○原口国務大臣 この鹿児島の降灰、コウハイと私たちは一般に呼ぶんですけれども、コウカイというのが行政で使う降灰対策については、本当に、御地元の皆様にこの場をかりてお見舞い申し上げたいと思います。
ーーーーーーーー以上国会議事録より抜粋

 以上、私が調査した結果です。
どう読むかは音訳・点訳なさる方、ご自身でお決め下さい。

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 平均余命は(へいきんよめい)か(へいきんよみょう)か?

「音訳の部屋リビングルーム(2010年08月12日)」ブログより 2011/10/15転記

お盆休みでお出かけの人が多いでしょうに、台風の影響で全国的に雨ですね。

朝、何となくテレビをつけていたら平均余命について報道していました。
その中で平均余命について、わざわざ(へいきんよみょう)と読みますと言っていました。

そこで「音訳の部屋」の中の平均余命について参考文献から作った読み方がどうなっているか調べると
法律用語読み方辞典・地理用語読み方辞典・算数数学用語読み方辞典がすべて(へいきんよめい)になっていました。
調査しないとタイヘン!!

主なる辞書では
日本国語大辞典を調べると平均余命(へいきんよめい) 余命(よめい) になっています。
広辞苑では平均のなかに平均寿命(へいきんじゅみょう)と共に平均余命(へいきんよめい)があります。

WEB辞書を調べるとほとんどが(へいきんよめい)ですが、書籍の主なる辞書が平均余命(へいきんよめい)ですので当然ですね。

そこで平均余命(へいきんよみょう)を使っている公的のページをさがすと

ーーーーーーーーーーーーーー

*石川県の統計情報ポータルサイトのいしかわ統計指標ランドに説明がありました→こちら
平均余命【へいきんよみょう】
 生命表に基づき、ある年齢に達した人について、これらの者のその後における生存年数の平均を、その年齢における平均余命という。特に0歳の平均余命を平均寿命という。
 (出典) 総務省統計局刊行、総務省統計研修所編集「第54回 日本統計年鑑」

ーーーーーーーーーーーーーー

*島根県のサイト 平均寿命 →こちら
平均余命(へいきんよみょう)と読み方が記載されています。

ーーーーーーーーーーーーーー

*大分県のホームページー平均寿命・平均余命 →こちら
平均余命(へいきんよみよう)と読み方が記載されています。
大分県のページに
厚生労働省大臣官房統計情報部
平均余命の年次推移(全国) [Excelファイル]にリンクが貼ってありましたので行きましたが読みはありませんでした。

ーーーーーーーーーーーーーー

厚生省のホームページには平均余命の読みはないようです。
統計局のホームページのなるほど統計学園 > 学ぶ・知る > 統計用語辞典( は)では平均余命(へいきんよめい)になっています。→こちら

ーーーーーーーーーーーーーー

国立国会図書館NDL-OPAC
検索のタイトルに平均余命と入れると次が出ます。

請求記号 Y111-83A8827
タイトル 日本人の平均余命 : 簡易生命表. 昭和54年
タイトルよみ ニホンジン ノ ヘイキン ヨメイ. 1979
出版地 〔東京〕
出版者 厚生省大臣官房統計情報部管理課
出版年 〔1980〕

*図書館のページは蔵書検索が目的で読み方は利用させていただいているだけです。

ーーーーーーーーーーーーーー

私は音訳をしていて、「このようなホームページがあったらいいなあ!」
と言う思いで「音訳の部屋ー読み方辞典」を作ってきました。
出来るだけ公立図書館で入れている書籍を参考にしてきましたが、個人のページですので限界はあります。

時々、自分で作ったページと読みが違うとドキッとします。
調査をして分かったことは、報告しますが読み方を決定するのは読み手である音訳者・点訳者であり、困った時には所属のところで解決してください。
読み方は一般的な言葉でも違う読み方があり悩みます。

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 白葉茶(はくようちゃ)ー日光遮断

「音訳の部屋リビングルーム(2010年07月25日)」ブログより 2011/10/14転記

7月25日
今朝の静岡新聞より
ーーーーーーーーーーーーーー以下静岡新聞より
光をコントロールしておいしいお茶をー。
収穫前の茶園に覆いを掛けて日光を100%遮断すると、茶葉が白色化し、うま味成分のアミノ酸含有量が飛躍的に高まることを県内の大学や研究機関が突き止めた。「茶葉は緑色」というこれまでの常識を覆す「白葉(はくよう)茶」の普及へ、関係者は安定的な生産技術を確立するための実験を進めている。
ーーーーーーーーーーーーーー以上静岡新聞より

白葉茶はうま味たっぷり、被覆から2週間程度でアミノ酸含有量が2~3倍に増えるとのこと。
茶碗に注いだお茶の色はどうなるのでしょうか。

備考

中国茶に「白葉茶」があります。
ーーーーーーーーーーーーーー以下「中国茶の基礎知識より」
・・・高級な白茶は大白種という茶樹から作られ、一芯一葉の白芽茶と
一芯二葉の白葉茶の二種類に分けられます。
白芽茶の代表には白毫銀針、白葉茶の代表には白牡丹などがあります。
白茶は主に福建省で作られ、生産量も少ない貴重なお茶です。・・・
ーーーーーーーーーーーーーー以上「中国茶の基礎知識より」

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 「山鉾」は「やまほこ・やまぼこ」どちら?

「音訳の部屋リビングルーム(2010年07月14日)」ブログより 2011/10/14転記

京都・祇園祭の「山鉾」の読み方は「やまほこ」か、「やまぼこ」か。

読売新聞のWEB(YOMIURI ONLINE)を見ていると山鉾の読みについて書いてありました。
音訳・点訳の参考になりますので考えてみました。

ーーーーーーーーーーーーーー以下YOMIURI ONLINEの記事より
 長年混在してきた二通りの読み方や表記に一つの方向性が見えてきた。
昨年9月にユネスコの無形文化遺産に登録された「京都祇園祭の山鉾行事」は英文表記で「yamahoko」。
祇園祭山鉾連合会もパンフレットの英文を「HOKO」で統一するなど「やまほこ」を“国際標準”としたためだ。
山鉾巡行は17日。「ほこ」は定着するのか――。

 祇園祭は平安時代、流行した疫病の退散を祈る御霊会(ごりょうえ)として始まったとされる。
山鉾の読みや表記は、鎌倉時代末期から江戸時代までの「八坂神社文書」で鉾を「ほく」と記しており、
これが「ほこ」に転じたとみられている。

 こうした歴史を踏まえて、1992年には当時の山鉾連合会会長が、祭りを執り行う八坂神社と協議し、
「やまほこ」で統一すると決めたが、山鉾の各保存会が「広く使われる言い方は『やまぼこ』」と反発、決定が覆った経緯がある。
以後、八坂神社は「ほこ」に統一したが、再び混在した状態が続いていた。
ーーーーーーーーーーーーーー以上YOMIURI ONLINEの記事より

広辞苑と日本国語大辞典を開いてみました。

◇広辞苑第五版 P2698
やまぼこ(山鉾)
山車(だし)の一種。屋台の上に山の形などの造物(つくりもの)があって、その上に鉾・薙刀(なぎなた)などを立てたもの。
京都の祇園会(ぎおんえ)の山鉾は有名。

◇日本国語大辞典第二版13巻 P239
やまぼこ(山鉾)
山車(だし)の一種。台の上に山の形などの造り物があって、ほこ・なぎなたなどを立てるもの。
京都の祇園会のものが特に有名。

どちらの辞書も「やまほこ」にはふれておらず「やまぼこ」と読んでいます。
日本国語大辞典には山鉾巡幸(やまぼこじゅんこう)山鉾町(やまぼこちょう)もあり、どちらも京都祇園会に関する言葉として載っています。

ことばは変化していくものですが、急に辞書と違う読みが出てくるとあわててしまいます。

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 「二十四番花信風」花の便りを乗せて吹く風

「音訳の部屋リビングルーム(2010年05月10日)」ブログより 2011/10/14転記

5月10日

「二十四番花信風(にじゅうしばん・かしんふう)」が朝日新聞天声人語に掲載
花の便りを乗せて吹く風・・・なんと風雅な・・・

◇広辞苑を開いてみました。
二十四番花信風(にじゅうしばん・かしんふう)

二十四節気の小寒から穀雨までの間の各気の花の開くのを知らせる風。
小寒には梅・山茶(つばき)・水仙、
大寒には瑞香(じんちようげ)・蘭・山礬、
立春には迎春(おうばい)・桜桃(ゆすら)・望春(こぶし)、
雨水には菜・杏・李、
啓蟄には桃・棣堂(やまぶき)・薔薇、
春分には海棠・梨・木蘭、
清明には桐・麦・柳、
穀雨には牡丹・荼靡(どび)・楝(おうち)
のように、各気にそれぞれの花を配する。

◇日本国語大辞典より
二十四番花信風(にじゅうしばん・かしんふう)の読みは同じ
追加
「信」は便り、しらせの意
「二十四番風」(にじゅうしばん・の・かぜ)は「二十四番花信風」に同じとある。

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 「東宮大夫」の読み方

「音訳の部屋リビングルーム(2010年03月18日)」ブログより 2011/10/14転記

3月半ばを過ぎましたが気温の変化は激しいですね。
南から、桜が咲き始めているニュースが飛び込んできますが、北では吹雪いています。

最近ニュースで「東宮大夫」の言葉がよく出てきます。
NHKでは「とうぐうだいぶ」と読んでいました。

参考資料を調べました。
(1)NHKことばのハンドブック第2版  P123
大夫 タイフ・・・(大名の家老など)
    ダイブ・・・東宮~ 皇后宮~
    タユー・・・(役者、遊女など。「太夫」もある)

(2)広辞苑第五版 P1876
とうぐう(東宮・春宮)の項に
東宮大夫(とうぐうだいぶ)
春宮大夫(とうぐうのだいぶ)があります。

(3)日本国語大辞典 9 P936
1.東宮・春宮(とうぐう)の項に
①「とうぐうの大夫(だいぶ)」があり ます。
更に
2.とうぐうたゆう(東宮大夫) の項にもあります。
  「とうぐう(東宮)の大夫①」に同じ とあります。

以上を見ると「とうぐうだいぶ」でいいのかと思いますが、日本国語大辞典で始めに「とうぐうたゆう」をひくと迷います。

国会図書館のデータベースでもレファレンス事例詳細で記載があります。→こちら
読みの参考事例として載っています。

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宮内庁に質問のページがありましたので、利用目的を書いてメールで聞きました。

宮内庁からの返信です。

当庁では、「とうぐうだいぶ」と読んでいます。
    宮内庁広報係

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 トヨタ自動車と豊田章男社長の読み方

「音訳の部屋リビングルーム(2010年02月26日)」ブログより 2011/10/14転記

トヨタ自動車の大規模リコール問題がニュースにたくさん出てきます。
日本の主要産業ですので良い解決を願っています。

トヨタ自動車関連の読み方を調べました。

◇47ニュースによると

河北新報のコラム・・・ トヨタ自動車の創業者は豊田喜一郎。姓は「とよだ」と読む。創業当初に作った車は「トヨダ号」であり、工場も「トヨダ自動車工場」。点がなくなって「トヨタ」に変わったのは70年ほど前 車に付けるマークを公募すると、一番よさそうなのが、片仮名で「トヨタ」となっていた。応募者のミスだが、すっきりしたデザインで字画もいいので1等賞。 (2009年1月15日付「河北春秋」)

◇トヨタ自動車は豊田佐吉が創業した豊田自動織機製作所(現在の豊田自動織機)の自動車部を起源としています。
このころは創業家の豊田家にちなみ、社名の読みも「とよだ」、クルマも「トヨダ号」でした。

◇トヨタ関係の氏名の読み方は

豊田佐吉(とよだ さきち) 日本国語大辞典他 現在の静岡県湖西市山口に生まれる

豊田喜一郎(とよだ きいちろう) 豊田佐吉の長男 トヨタ自動車工業株式会社設立

豊田章一郎(とよだ しょういちろう) 豊田喜一郎の長男

豊田章男(とよだ あきお) 豊田章一郎の長男 現社長

他にトヨタ自動車経営者で血縁関係の豊田(とよだ)姓は多い

◇愛知県豊田市(とよたし)はトヨタ自動車によってクルマの町として発展したので1959年挙母市(ころもし)から改名→こちら

◇豊田佐吉記念館(とよださきちきねんかん)湖西市山口 113-2 *読みは電話で記念館に確認 2月26日→こちら

◇豊田自動織機(とよたじどうしょっき)*読みは電話で会社総務部に聞きました。2月26日 
日経会社情報も(とよたじどうしょっき)
2001年 商号を豊田(とよだ)自動織機製作所から株式会社豊田自動織機(Toyota Industries Corporation)に変更

*参考までに
静岡県には地名として磐田郡豊田町(とよだちょう)がありましたが合併により磐田市になりました。

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 「朝三暮四(ちょうさんぼし)」と「朝令暮改(ちょうれいぼかい)」

「音訳の部屋リビングルーム(2010年01月22日)」ブログより 2011/10/14転記

衆院予算委員会の質問:「朝三暮四」「朝令暮改」の四字熟語が話題になっています。

日本国語大辞典より

「朝三暮四(ちょうさんぼし)」

中国の狙公(そこう)が手飼いの猿に(とち)の実を与えるのに朝三つ暮れに四つとしたところ、少ないと猿が怒ったので、朝四つ暮れに三つとしたら喜んだという「荘子ー斉物論」などの故事。

眼前の差別にだけとらわれて、結局は同じであることを知らないこと、詐術をもって人を欺き愚弄すること、当座しのぎに適当にあしらうことの意などに用いられる。
朝四暮三(ちょうしぼさん)も同じ。


「朝令暮改(ちょうれいぼかい)」

朝に命令を下し、その日の夕方になるとそれを改めること。命令がひんぱんに変わって一定しないこと。
朝改暮変(ちょうかいぼへん) 朝出暮改(ちょうしゅつぼかい) 朝立暮廃(ちょうりつぼはい)も同じ。

 難しいですね~~

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 いけばな用語読み方辞典 生花/活花/挿花

「音訳の部屋リビングルーム(2010年01月21日」ブログより 2011/10/14転記

「いけばな用語読み方辞典」を50音順で制作しました。→こちら

茶道用語、煎茶用語に続いていけばな用語もUPしました。
公共図書館にあった書籍を参考に作りましたが、書籍によりまた流派により読みに多少の違いはあります。
またいけばなに直接関係なくても関連語は拾ってあります。
読んでいる本に応じて辞書・参考書・WEB等も更に調査して下さい。

私ができる範囲で調査しましたが、辞書など全てを調べたわけではありません。
音訳・点訳時の参考になれば幸いです。

いけばなはひらがなで書きましたが

私が読んだ いけばなの本 によると(いけばな)は生花・活花・挿花とも書き
生花 (せいか) (しょうか)(いけばな)
活花(いけばな)
挿花(いけばな)
と記載されていることがあります。

「日本国語大辞典」によると
生花(いきばな)(いくはな)(いけばな)(しょうか)(せいか)(なまばな)
活花(いけばな)
挿花(さしばな)(そうか)

歴史的な記載のある本(たとえば書籍名など)では
活花(いけはな)  活花図大成 (いけはなずたいせい) 寛政元年刊
挿花(いけはな)  挿花株要記 (いけはなかぶようき)
(いけはな)と読みを書いてある場合もあります。
Webcatからしらべると挿花は(そうか~~)と書籍の名前にかなをふってあることも多いようです。

書籍の内容、年代、流派、著者により読み方に違いがあるようですので承知してお使い下さい。

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 東京オートサロン2010-痛車

「音訳の部屋リビングルーム(2010年01月16日)」ブログより 2011/10/13転記

寒いですね。
痛車、痛単車、痛チャリの読み方です。

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通常の車両に対し、なんらかの性能向上が図られた「チューンドカー」をメインに展示することで、多くのファンに人気の「東京オートサロン」。
今年も、「幕張メッセ国際展示場」(千葉県千葉市)にて開催され、個性的な車両が来場者の目を引きつけている。
中でもより異彩を放っているのがチューニングカーエリアに展示された“痛車”の数々だ。
・・・・・・
痛車(いたしゃ)とは、漫画・アニメやゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを貼り付けたり、塗装を行った車である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上雑誌記事参照

同様の改造を施した原付やバイクは痛単車(いたんしゃ):おたく好みの外装を施した自動二輪車
自転車の場合は痛チャリ(いたチャリ)と呼ばれる。

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