浅井長政の読み方(あさい)(あざい)
1月12日
NHKの大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」が楽しみ。
初回に登場した浅井長政の読みが(あざい ながまさ)。
あれ~~(あさい ながまさ)では?・・・と思う人も多いはず。
そこで浅井長政の読みについて調べました。
◇NHK
●NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」江・辞典→こちら
浅井長政 (あざい・ながまさ) 浅井久政 (あざい・ひさまさ)
●そのとき歴史が動いた(2008年10月1日放送)→こちら
——————————————————–以下「そのとき歴史が動いた」より引用
「浅井長政」を番組では「あざい ながまさ」と読んでいるが「あさい ながまさ」ではないのか?
「浅井長政」の「浅井」を「あざい」と読むか「あさい」と読むかに関しましては、今でも両方の説があり、専門家の間でも結論は出ていません。
「あさい」説の根拠としては10世紀前半に成立した百科事典『和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)』に「浅井」の読みがなとして「あさい」とふられていること、また「あざい」説の根拠としては近世に流布した辞書『節用集』に「あざい」と読みがながふられていることが挙げられています。
一方、長政の地元・北近江一帯(現・長浜市や湖北町など)では浅井を「あざい」と読むのが一般的で、旧浅井領であった「西浅井町」も「にしあざいちょう」と読んでいます。
従いまして当番組では「あざい ながまさ」と読んでおります。
——————————————————–以上「そのとき歴史が動いた」より引用
*『和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)』に関してはこのページ末の付録1を見てください。
◇参考WEBページ
『和名類聚抄』に関して和名抄の万葉仮名は清濁を書き分けていません・・・研究のページもあります。→こちら
日本史愛好家の日本史日誌より 浅井氏の読み仮名をめぐって~和名類聚抄・節用集を調べる・・・WEBもあります。こちら1 2
紀伊国屋書店 じぶんべや 小和田哲男さんエッセイ「私が武将の苗字の読み方にこだわるわけ」 →こちら
◇国語辞典
・日本国語大辞典(小学館)第二版 第一巻 P255
*地名としての「浅井」と人名としての「浅井・朝井」が両方記載
あさい 浅井 (古くは「あざい」か)・・・滋賀県北部、琵琶湖北東岸にあった郡
あさい 浅井・朝井 姓氏の一つ・・・あさい・ながまさ(浅井長政)
・広辞苑(岩波書店)第五版 P36
あさい 浅井 姓氏の一・・・―-ながまさ(浅井長政)姓はアザイとも と記載
・大辞林(三省堂)第二版 P33
あさい 浅井 姓氏の一・・・―ながまさ(浅井長政)
・日本語大辞典(講談社)P28
*地名としての「浅井」と人名としての「浅井長政」が両方記載
あざい(浅井) 町 滋賀県北東部、姉川の支流草野川流域の町
あさい-ながまさ(浅井長政)
◇国立国会図書館の検索→こちら
タイトル検索に 浅井長政 と入れて検索する
2011/1の時点で20件出てくるが
読みがなは(あさい)(あざい)両方ある
◇長浜市のWEB
わたしたちの長浜 中学生向け 歴史的分野→こちら
浅井氏とは・・・?(あざい)とある
◇付録1
NHK「そのとき歴史が動いた」にある『和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)』に関してはレファレンス協同データベース→こちら (わみょうるいじゅしょう、わみょうるいじゅうしょう)と読んでいます。
・日本国語大辞典では
和名抄・倭名鈔(わみょうしょう)・・和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)の略称
和名類聚抄・倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)・・平安中期の漢和辞書・和名抄
・広辞苑では
和名抄・倭名鈔(わみょうしょう)・・倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)の略称
倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)・・日本最初の分類体の漢和辞書・略称 和名抄
・国立国会図書館の検索では倭名類聚鈔(ワミョウ ルイジュショウ = ワミョウ ルイジュウショウ)(ワミョウ ルイジュウ ショウ)等、記載があります。
◇付録2
NHK 大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」よくある質問→こちら
———————————-以下「江~姫たちの戦国~」よくある質問より引用
ヒロインの名前について。「江(ごう)」ではなく、「小督(おごう)」あるいは「江与(えよ)」ではないのでしょうか?!
ヒロインである徳川秀忠の正室については、「お江(ごう)」「小督(おごう)」「五(ごう?)」「お江与(えよ?)」などの文字や読み方が伝わっているようです。諸説あるようで、研究者によっても色々な解釈があると思います。今回は、時代考証をお願いしている先生方ともご相談し、「江(ごう)」としました。
女性の名前の上にしばしば親愛を込めて使われる「お」を付けて、「お江(ごう)」と呼ばれることも、今後はあるかもしれません。ちなみに、大河ドラマ「葵~徳川三代」(平成12年放送)で扱った場合も、「お江(ごう)」としていました。
———————————-以上「江~姫たちの戦国~」よくある質問より引用
昨年もNHK大河ドラマ「竜馬がゆく」が放映され、竜馬に関する多くの番組や記事がありました。
今年も浅井長政に関する番組や記事が多くなることと思います。
NHKの大河ドラマは多くの人が見るので読みかたの影響は大きいと思います。
どのように読むかは音訳・点訳する書籍や調査によるでしょうが、知っていることは大切なので、私が調べた範囲のことを記載しました。
調査票には典拠をきちんと書いておくと校正の方が悩まなくてすみます。
読みがいろいろある言葉は音訳・点訳が難しいですね。
Comment
「あさいながまさ」と子供の頃から読み親しんでいるものとしましては、「あざいながまさ」と言われるとかなりの違和感があります。それぞれに言い分はあるのでしょうが、幼少期に覚えたこと、教え込まれたことはその後の生活に大きく影響すると実感した一例に感じます。
PRE2さま
そうですね。同感です。
同感です。節用集に基づき、浅井をあざいと読むとすると朝倉もあざくらで、やっぱり、あさいでいいのでは、という説もあります。 歴史ではよくあることなのかもしれません。 鎌倉幕府成立が1192年ではない、というような説。どのみち「今日から鎌倉幕府開きますよ」という明確な宣言がない以上、征夷大将軍に任じられた時をもって幕府開設とするこれまでの解釈でよいのでは、と考えます。鎌倉幕府見直すなら、室町も江戸も見直すべきだろうし。 歴史学者が実績誇りたくて色々言ってるのだろうなー、と思ってしまいます。 冥王星が準惑星だった、というのとはちょっと違うのではないでしょうか。 ということで、歴史教育の歴史(ちょっと変な表現ですが)に敬意を表し「あさい」に一票を投じます。ついでですが、 NHKの大河ドラマでは「北条政子」だとかの北条のアクセントに違和感がありました。 「北条氏」というときのアクセントと同じではないでしょうか?