「山鉾」は「やまほこ・やまぼこ」どちら?
京都・祇園祭の「山鉾」の読み方は「やまほこ」か、「やまぼこ」か。
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読売新聞のWEBを見ていると山鉾の読みについて書いてありました。
音訳・点訳の参考になりますので考えてみました。
————————————————————以下YOMIURI ONLINEの記事より
長年混在してきた二通りの読み方や表記に一つの方向性が見えてきた。
昨年9月にユネスコの無形文化遺産に登録された「京都祇園祭の山鉾行事」は英文表記で「yamahoko」。
祇園祭山鉾連合会もパンフレットの英文を「HOKO」で統一するなど「やまほこ」を“国際標準”としたためだ。
山鉾巡行は17日。「ほこ」は定着するのか――。
祇園祭は平安時代、流行した疫病の退散を祈る御霊会(ごりょうえ)として始まったとされる。
山鉾の読みや表記は、鎌倉時代末期から江戸時代までの「八坂神社文書」で鉾を「ほく」と記しており、
これが「ほこ」に転じたとみられている。
こうした歴史を踏まえて、1992年には当時の山鉾連合会会長が、祭りを執り行う八坂神社と協議し、
「やまほこ」で統一すると決めたが、山鉾の各保存会が「広く使われる言い方は『やまぼこ』」と反発、決定が覆った経緯がある。
以後、八坂神社は「ほこ」に統一したが、再び混在した状態が続いていた。
————————————————————以上YOMIURI ONLINEの記事より
広辞苑と日本国語大辞典を開いてみました。
◇広辞苑第五版 P2698
やまぼこ(山鉾)
山車(だし)の一種。屋台の上に山の形などの造物(つくりもの)があって、その上に鉾・薙刀(なぎなた)などを立てたもの。
京都の祇園会(ぎおんえ)の山鉾は有名。
◇日本国語大辞典第二版13巻 P239
やまぼこ(山鉾)
山車(だし)の一種。台の上に山の形などの造り物があって、ほこ・なぎなたなどを立てるもの。
京都の祇園会のものが特に有名。
どちらの辞書も「やまほこ」にはふれておらず「やまぼこ」と読んでいます。
日本国語大辞典には山鉾巡幸(やまぼこじゅんこう)山鉾町(やまぼこちょう)もあり、どちらも京都祇園会に関する言葉として載っています。
ことばは変化していくものですが、急に辞書と違う読みが出てくるとあわててしまいます。
Comment
以前、講座を受講させていただいたものです。
NHK俳句7月号「歳時伝承の世界・祇園の祭り」に、山鉾が出てきました。
広辞苑で調べて「やまぼこ」と読んだのですが。先日、NHKの祇園祭の番組予告で、「やまほこ」と言ってるのを聞いて、あれと思ってた所です。
経緯は良くわかりましたが、音訳の場合、典拠はと言われます。ネット上の記事、いつまでも残るわけでもないだろうし、辞書に反映するまでには時間がかかる。さて、今度読むときは、どうしましょう。でも、おかげで、疑問に思ってた事が良くわかりました。有難うございました。
はっちょ様へ
音訳している者にとって辞書と違う読みを聞くとびっくりしますね。
ことばは変化していくものですから、ニュースなどをよく聞いて移り変わりを知っていることは大事でしょう。
辞書に反映するには時間がかかりますし、辞書が採用するか分かりません。ですから自分で判断するよりしかたがありませんが、経緯を知って疑問を解決しておくと安心します。
ことばは難しいですね~~
一時期「やま・ほこ」と言う流れが生まれましたが、現在はぶっちゃけ「どちらでもいい」ということのようです。各山鉾町でも発音はまちまちで、どちらを強制するという意見もないようです。
本日京都テレビの巡行実況を観ていましたが、アナウンサーは皆「やま・ぼこ」と発音していました。
>なん様へ
>各山鉾町でも発音はまちまちで、どちらを強制するという意見もないようです。・・・
そのようですね。ルビが付いていたらその通りに、書籍に同じ言葉がでてきたら同じ読みで通すということでしょう。
言葉は変化していますし、はっきり決められない言葉は多々ありますね。