「米酢」の読み方 「よねず」「こめず」
読み方で悩むことばはたくさんあります。
音訳者のメールで「米酢」の読み方について 調べました。
米酢に関しては辞書を調べると
広辞苑では①に(よねず)②に(こめず)
日本国語大辞典では(よねず)その中に(こめず)もあります。
NHKことばのハンドブック第2版P81 米酢○コメズ ×コメス (古くは[ヨネズ])とあります。
辞書では①に(よねず)のようです。
NHKではことばのハンドブックに(こめず)のように記載があります。放送で(よねず)と言っている時がありました。商品名を言ってはいけないからかなと思いましたがそうでもなさそうです。
音訳の部屋の特別な言葉の読み方辞典(2)にも
それに付いての記述があります。→こちら
辞書では(よねず)ですが
ミツカンの商品名が(こめず)です。
ミツカンのWEBサイトにQ&Aのサイトがあります。→こちら
——-以下mizkanのページより
Q:ご質問
米酢は、「コメズ」と読むのですか?「ヨネズ」と読むのですか?
A:回答
「コメズ」「ヨネズ」どちらも辞書に載っており、正しい読み方です。
ミツカンの米酢の製品名としては、発売当初から「コメズ」です。
お米を原料にしたお酢であることがわかりやすいよう、「コメズ」としております。
——-以上mizkanのページより
お料理番組などでは(こめず)が多いようです。
音訳で実際にどう読むかは書籍の内容から音訳者が決めることですし、
所属のところの方針もあるので一概には言えません。
平成ことば事情の道浦俊彦氏のページにもこのことが書いてあります。→こちら
ことばの読みの事情を知った上でご自身で決められると納得できるのではないでしょうか。
このような例は他にも多いと思います。
ことばの読みは必ず統一されているわけではありませんので調査した上で選ぶことも必要です。
Comment
私はずっとよねずと言ってきましたが
昨日多くの人にこめずと読むのよと笑われてしまいました。
ずっとよねずと読んでいた私はなんだったんだろうと落ち込んだ次第です。
>有馬さま
言葉の読みは一つと言うわけではない場合も多く、辞書に①で載っている読み方が現在、一般的でない場合もありますね。米酢はどちらでもいいのでしょうが、お料理番組等で「こめず」と言われ続けているのでこめずの方が分かりやすくなっているのでしょうか。
茶葉も「ちゃば」で定着してきたのはCMで飲料茶の宣伝に使われたからで、以前は「ちゃよう」が正しいとWEBで論争がありました。
NHKでも世論調査をしながら読み方を徐々に変えているようです。報道をよく聞いていることも大事なのかと思いますが、簡単に正否を言えない言葉もあります。悩ましいところです。
最近は大地震を「おおじしん」より「だいじしん」と言う人が多くなっているようでNHKがいつかえるのか興味があります。
先日、スーパーで店員さんに「米酢(よねず)何処にありますか?」と聞いたら「よねず?よねず?」と何度も聞き返してきました。「よねず」では通じないと思い「こめず」と言い直したところ、わかったみたいでやっと案内してもらえました。私より年配の女性店員さんでしたが、よねずでは通じないみたいです。
伝わりにくい難しい言い方よりも伝わりやすい簡単な言い方のほうが現代にはあってるかもしれませんが、正しいほうが廃れていくのは何となく日本の学力低下にも繋がっていくような気がします。学校の先生には是非とも正しいほうの言い方を教えてほしいものです。
↑の方へのコメ
古い言語も時代によって変化してきたように、言葉は常に変化していくものだと考えてもいいのではないでしょうか。
戦後生まれ世代の方々は戦争への忌避感から古い文化を廃して新しい文化を取り入れるのが是としていた感じで
たとえば花や果物・生物などの漢字をカタカナで表記するようにしたり単語や名詞に横文字を積極的に取り入れようとされてきたようです。
その中で読み方に規則性のない単語を、訓読みそのままでも読めるように変えていこうとする流れがありました。