年縞(ねんこう)-水月湖は地質時代のグリニッジ天文台
2013年7月26日
先日より福井県若狭町、水月湖の「年縞」が報道されています。科学的に面白い記事で、これから音訳・点訳時に言葉が出てきそうです。福井新聞のいくつかの記事より主な点と読みを抜粋させていただきました。
ーー福井新聞より抜粋
三方五湖の一つ水月湖(すいげつこ・福井県若狭町)の湖底堆積物「年縞(ねんこう)」が今、世界の注目を集めている。約5万年の地質学的な年代決定の世界標準となり、過去の気候変動などを調べることも可能になった。
年稿は湖の底に積もった土の層がつくる縞(しま)模様をいう。毎年、湖の底に春から夏はプランクトンの死骸が積もって白い層ができ、秋から冬は粘土鉱物が堆積して黒い層になる。この白と黒の縞模様が一つの組み合わせで一年を表す。
水月湖は周囲から流れ込む大きな川がないことに加え、湖の底までが深く、湖底に酸素がないため生物が生息せず、 年縞がかき乱されない。さらに、湖の地面が下がる沈降という現象が続き、湖底に毎年土が積もっても湖が埋まらないという特殊な条件がそろっていた。まさに“奇跡の堆積物”といわれるゆえんだ。
水月湖の年縞は長期間連続し、そこに含まれる葉や枝の放射性炭素年代の測定が 終わっている点で、世界でも類をみない。日英独などの研究チームが分析を進め、昨年7月に開かれた国際会議で 地質学的年代の世界標準とすることが決まった。
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水月湖(福井県若狭町)の湖底堆積物「年縞(ねんこう)」を研究しているプロジェクトのリーダーで英国ニューカッスル大の中川毅(なかがわ・たけし)教授は「年縞は、世界中で手に入る化石などの放射性炭素の年代を当てはめることができる『世界の財産』。水月湖は地質時代のグリニッジ天文台になった」と述べた。
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