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NHK アナウンスルーム「放送用語の変更①~〝逆手〟に取る~」

2014年8月5日

2014年8月5日
音訳仲間から「分泌」は「ぶんぴつ?」「ぶんぴ?」とのメールが来ました。
そう・・・いつも悩ましい読み方。
辞書では広辞苑、日本国語大辞典、大辞林など①に「ぶんぴつ」②に「ぶんぴ」
ところが私たち音訳・点訳で頼りにしている、NHKことばのハンドブック第2版(第2刷)P180には①に「ブンピ」②に「ブンピツ」
いつも悩んでいる言葉に、WEBを探していると、NHKのページに行きつきました。
※実際に読む時には所属の指示に従ってください。

トクする日本語 - NHK アナウンスルーム→こちら
この中から放送用語の変更①~④を見つけました。これを見つけてたどり着くのは大変ですので、ここに順に転載させていただきます。放送用語の変更③で「分泌」を取り上げます。

放送用語の変更①~〝逆手〟に取る~
ーーーーー以下 2014年4月16日(水)より転載→こちら

NHKでは社会のことばの変化に応じて、放送に使うことばを放送用語委員会で検討していて、この4月に放送用語の変更が行われました。その中のいくつかを4回にわたり紹介します。

まず、「〝逆手〟に取る」の読み。NHKではこれまで「ぎゃくて」を優先してきましたが、「さかて」を優先に変更しました。本来は「ぎゃくて」です。これは柔道の『逆手(ぎゃくて)を取る』ということばからきています。これは柔道の寝技で相手の腕の関節を逆に曲げて攻めることです。これが転じて、相手の攻める力を逆に利用することを「逆手(ぎゃくて)に取る」と言うようになりました。さらに柔道以外にも広がり比喩的に使われるようになりました。

一方「さかて」というのは、刀を普通とは逆に持つことや、体操の鉄棒で手の甲を下にして握ることをいいます。このように「ぎゃくて」と「さかて」は意味が違います。

ところが、平成23年に放送文化研究所が「相手の出方を〝逆手〟に取る」の読み方を調査したところ、本来の「ぎゃくて」は18%、「さかて」は81%という結果でした。この理由には、字を使った他の熟語の影響がありそうです。例えば、『ぎゃく』と読む場合は「逆襲」「逆転」など【音読み+音読み】のものが多く、一方『さか』と読む場合は「逆毛」「逆立ち」など【訓読み+訓読み】のものが多いのです。ところが、『ぎゃくて』という読み方は【音読み+訓読み】で、例外的な読み方です。一方の「さかて」は訓読みがそろっているので、語源を知らない人はこちらのほうが自然に感じるようです。

ーーーーー以上 2014年4月16日(水)より転載

NHKでは社会のことばの変化に応じて、放送に使うことばを放送用語委員会で検討しています。言葉の読みにも変化はあることを常に心にとめてアンテナを高くしていきたいですね。
※実際に読む時には所属の指示に従ってください。

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