「茶道」の読み方は「さどう」か「ちゃどう」か。
最近、歴史ドラマでの言い方で疑問に思う人が多いようなので調べました。
ー辞書による調査ー
日本国語大辞典では
ちゃどう 「茶道」・・・説明文に「さどう」
さどう 「茶道・茶頭・茶堂」 茶の湯 茶の湯の道のことを「さどう」というのは江戸時代まではまれであり、また「茶頭」との混同を避けるために「ちゃどう」というのが普通であった。
広辞苑では
ちゃどう 「茶道」・・・説明文に「さどう」
さどう 「茶道」⇒「ちゃどう」
ーWEBで取り上げられている記事よりー
記事はなくなることもあり、探しにくいのでWEBサイトより引用しました。
NHK放送文化研究所 最近気になる放送用語
「茶道」の読み →こちら
—————————–以下NHKの上記サイトより
Q:「茶道」にはサドーとチャドーの二つの読み方がありますが、どちらが正しいのでしょうか。
A:放送では、現在どちらで読んでもいいことになっています
解説:ただし、古くはチャドー、現在ではサドーが一般的だと言われています。『日本国語大辞典』によると、江戸時代まではサドーというのはまれで、茶頭(サドー)との混合を避けるためにチャドーというのが普通だったようです。今でも、茶釜、茶器、茶室、茶道具、茶の湯、茶会などの茶道関係のことばは、すべてチャです。したがって、「茶道」をサドーと読むのはむしろ例外的です。
茶道関係の専門書によれば、サドーをよしとする説では、これが禅院茶湯の伝統的な言い方である、という記述もあります。かつてキッチャテンとも言われた「喫茶店」が現在キッサテンにほぼ統一されたように、「茶道」もしだいにサドーに変化してきたことが推測されます。
—————————–以上NHKの上記サイトより
NHK 歴史秘話ヒストリア「明治 悪妻伝説 初代“ハンサムウーマン”新島八重の生涯」
「茶道」の読み方について →こちら
—————————–以下NHKの上記サイトより
現代では「さどう」との読み方が一般的となっていますが、
各流派では、以下の通りとなっています。
表千家では、特に決まりはないが「さどう」と読むのが一般的。
裏千家では、「ちゃどう」と読む。
武者小路千家では、「ちゃどう・さどう」どちらでもかまわないが、原則「茶の湯」を使う。
NHKが放送で使用する放送用語では「さどう・ちゃどう」ともに正しく、一般的な情報として話す場合は「さどう」を採用します。番組内容が個別の流派にかかわる場合は、その流派での読み方を優先しています。
今回番組では、八重が裏千家の師範だったことから、裏千家が使用している「ちゃどう」の読み方を採用しました。
—————————–以上NHKの上記サイトより
道浦俊彦氏の「平成ことば事情」
ことばの話873「チャドウとサドウ」 →こちら
—以下上記「平成ことば事情」文中より抜粋
・・・
有名な流派は三つあります。 表千家・裏千家・武者小路千家
「千家」に電話して確かめたところ
裏千家・・・・・・・・チャドウ
武者小路千家・・・・・チャドウ
表千家・・・・・・・・さどう
ということでした。
つまり表千家だけが「さどう」なんです。
・・・
—以上「平成ことば事情」サイト文中より抜粋
NHKの読み方はほとんどの音訳者が参考にしていると思います。
NHKの放送用語では「さどう・ちゃどう」ともに正しく、一般的な情報として話す場合は「さどう」を採用。
番組内容が個別の流派にかかわる場合は、その流派での読み方を優先している とのこと。
お正月など茶道といわないで「茶の湯」を使うことも多い気がします。
放送関係者も悩むことがおおいのでしょうね。
ー正確な読み方は何か?ー
音訳・点訳をしていると気になりますが、はっきりいえない言葉もあるようです。
辞書等をしっかり調べた上で、音訳者が自分で書籍にあった読みを選択するということでしょう。
時代の変化と共に読み方も変化していきますので、辞書にある第一の読みが、本によっては適切か考えてしまうこともあります。
書籍の内容に影響がある言葉は時間をかけて調べ、普通は辞書や適切な参考資料を調査し、典拠を記して先に進むことも大事なのだと思います。