「音訳の部屋」リビングルーム

ノーベル賞大村智さん「沖縄の恩人」糞線虫症治療の道を開く

2015年12月12日

2015年12月12日
ノーベル賞の授賞式が10日夕(日本時間11日未明)、スウェーデンの首都ストックホルムで開かれました。
大村智・北里大特別栄誉教授が医学生理学賞を、梶田隆章・東京大宇宙線研究所長が物理学賞を、受賞されました。

大村智氏:医学生理学賞のハンス・フォールスバーグ選考委員は「世界の最も貧しい何億人もの人々を苦しめていた病気を劇的に減らし、うまくいけば10年以内に根絶に導く発見をした」
梶田隆章氏:物理学賞のオルガ・ボートナー選考委員は「ニュートリノが我々の想像以上に不可解であると示した」と評価しました。

大村先生は糞線虫症治療の道を開き「沖縄の恩人」
大村智さんは風土病薬「イベルメクチン」を実用化し、その劇的効果はアフリカで失明の危機を克服したことがクローズアップされています。我が家の愛犬もフィラリアの薬でお世話になっています。

大村智さんの「イベルメクチン(Ivermectin)」は糞線虫症(Strongyloidiasis)治療の道を開き「沖縄の恩人」と言われていることについては、あまり多く報道されていません。
糞線虫は、熱帯・亜熱帯に広く分布する寄生虫で、小腸上部の粘膜に寄生し、普段は無症状ですが、免疫力が下がると下痢や腹痛が現れ、敗血症や肺炎で死につながることもあるそうです。

海外で寄生虫予防薬などとして使われていたイベルメクチンが糞線虫症にも効果があると考えた琉球大医学部付属病院の医師たちが臨床試験を続け、2002年に国内認可を取り付け多くの沖縄県民が救われたそうです。

沖縄タイムス2015年10月7日の記事よりご紹介したいと思います。→こちら
※ 記事・写真の無断転載や複製を禁じます。と記載されていますのでリンクから沖縄タイムスの記事を読んでください。

<日本の科学技術はすばらしい>
国際宇宙ステーションに5か月近く滞在した、日本人宇宙飛行士の油井亀美也さんが、日本時間の11日夜、ロシアの宇宙船「ソユーズ」で無事、地球に帰還しました。
JAXA=宇宙航空研究開発機構の『こうのとり』5号機が国際宇宙ステーションへの効率的な物質補給を実現するのに、油井さんは活躍されました。

2015年12月9日、JAXAは、金星探査機「あかつき」を金星周回軌道へ投入できたと発表しました。いよいよ日本初の惑星探査がはじまります!
「あかつき」は2010年12月7日に金星周回軌道投入を行い失敗。5年ごしの再挑戦は、探査機の設計寿命を超えていることや長期間の運用で機器が劣化している可能性があることなどから、最後のチャンスでもありました。
JAXAの人工衛星やロケットなどのニュースは打ち上げがネット配信されるのでとても楽しみです。

国産旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)は姿も美しく、燃費がいいというので乗るのが楽しみ。国産旅客機MRJから富士山を眺めるのが夢です。
2015/12/1 新幹線からの富士山
2015-12-01 08.48.15

ホンダは、開発中の小型ジェット機「ホンダジェット」が、米連邦航空局から型式検査承認を受けたと発表しました。これにより、量産に向けた最終的な試験飛行ができることとなり、2015年に量産の準備が整うといいます。
輸送や個人向けなので乗ることはないけれど見ることはあるかもしれない。

静岡県には梶田隆章さんの研究に必要なカミオカンデの光電子増倍管を生産する浜松ホトニクスがあります。
16万光年離れた超新星爆発からもたらされた千載一遇のチャンスをとらえたのは浜松ホトニクスの光電子増倍管です。

素晴らしい技術はいたるところで開発されていると思います。埋もれている技術も多いのではないでしょうか。
国の予算は厳しくとも、科学技術の発展のために応援していきたい。

「音ボラネット通信」第26号&北里大学の読み

2015年12月11日

「音ボラネット通信」第26号が届きました。
~あいさつ~に代表の藤田さん始めスタッフの皆様の情熱を感じます。会が出来てまもなく10周年。全国で情報を欲しがっていた音訳者の拠りどころとなり、絆を深めてきました。情報を共有できることに感謝します。

今回の音ボラネット通信より「北里大学」の読みを取り上げてみました。
————-
「音ボラネット通信」第26号<編集後記>「きたと」か「きたと」か
ーー以下、川上典子さん記名の編集後記から
ノーベル賞受賞で脚光を浴びた北里大学。北里柴三郎が留学した時代、医学はドイツ語が主流だった。ドイツ語で「SA」は「ザ」と濁る。したがって柴三郎がサインした「KITASATO」は「きたざと」と読むのが本当。
しかし、戦後、英語が主流となり、ドイツ語読みではなく、英語読みになってしまって「きたさと」といわれ、そして今度の受賞で「さと」と読むのが世界的に決まってしまったようだ。
なにか違和感をぬぐえないでいる私。
ーー以上、川上典子さん記名の編集後記から
————-

大村 智(おおむら さとし)さんがノーベル医学・生理学賞を受賞されて北里大学・北里研究所がクローズアップされました。

北里大学の読みについては、音訳の部屋にもいろいろなお便りをいただいています。
Wikipediaでもずっと読み方に揺れがありました。
大学側が「きたさと」と言っているので落ち着いてきたようです。

NHKの放送
北里研究所(きたさとけんきゅうしょ)
北里大学(きたさとだいがく)

北里大学ホームページ
北里柴三郎(きたさとしばさぶろう)→こちら(北里大学WEB内の子供向けページ)

北里柴三郎は慶応義塾大学と関係が深いので慶応関係の書籍や経歴では昔からの(きたざと)が多いようです。

所在地は(郵次郎・マピオン等)北里(きたざと)

北里大学病院、北里大学相模原キャンパス等
住所 神奈川県相模原市南区北里(さがみはらしみなみくきたざと)

北里柴三郎記念館(きたさとしばさぶろうきねんかん)読みは以前、問合せました。
住所 熊本県阿蘇郡小国町北里(あそぐんおぐにまちきたざと)

Wikipediaでは
北里柴三郎(きたさと しばさぶろう)になっていますが
孫の元・明治製菓(株)社長の北里一郎氏は(きたざと いちろう)になっています。
現在:Meiji Seika ファルマ株式会社(メイジセイカファルマ)最高顧問

以前、明治製菓のホームページでは社長北里一郎(きたさと いちろう)になっていました。
音訳の部屋を応援してくださる大学関係の方が北里一郎氏と懇意とのことで直接聞いてもらったところ、ご本人は「どちらでも良い」とのこと。

北里一郎氏は(きたざと いちろう)が多いようですが→こちら、産学官の道しるべでは北里一郎(きたさと いちろう)になっています。→こちら

図書館でも 大学図書館の本をさがす(CiNii Books)などでは
ーー
『北里柴三郎の人となり』
北里, 一郎
キタザト, イチロウ

書誌事項
北里柴三郎の人となり
北里一郎著
北里研究所, 2012.6
タイトル読み
キタサト シバサブロウ ノ ヒト ト ナリ
ーー
『北里柴三郎の人と学説 : 九州大学医学部講演会より』
北里, 一郎
キタザト, イチロウ

書誌事項
北里柴三郎の人と学説 : 九州大学医学部講演会より
北里一郎講演
田代信維, 1996.10
タイトル読み
キタザト シバサブロウ ノ ヒト ト ガクセツ : キュウシュウ ダイガク イガクブ コウエン ヨリ

ーー

図書館検索では稀ですが、有名な方でも、違う言い方の読みがあります。
水上勉・柄谷行人・山崎豊子など・・・
大学図書館の本をさがす(CiNii Books)には別名で読みが書いてありますので参考にしてください。
図書館は書籍の検索のためにあり、私たちは利用させていただいているだけですのでご承知ください。
郵次郎等は郵便番号検索のため、マピオン等は地図の検索のためにあります。

ルビがついていたらそのままに、ない時には調査したうえで、所属の方に相談して下さい。

2015年・赤ちゃんの名前ランキング(明治安田生命調べ)

2015年12月4日

2015年12月4日
明治安田生命より毎年恒例の名前ランキングが発表されました。10位までの読み方を記載します。
ーーー以下明治安田生命 名前ランキング 表記についてより抜粋
男の子の名前は、2007年~2011年まで5連覇を達成した『大翔』くんが昨年の2位から通算7回目のトップに返り咲き。2位の『悠真』くんは昨年5位からのランクアップ。『蓮』くん・『陽太』くんも昨年に続いてベスト5入りするなど、上位陣は順位変動こそあるものの、安定した人気を維持しています。また、ベスト10を見ると、「翔」の字が4つ、「陽」の字が3つランクインしており、特定の漢字へ人気が集中する傾向がみられました。

女の子の名前は、『葵』ちゃんが2007年以来8年ぶりにトップに返り咲き。2位の『陽菜』ちゃんは、昨年1位から順位を下げたものの、依然根強い人気を維持しています。また、ベスト10を見ると植物に関連する字を使った名前が人気で、『葵』ちゃんのほか、『さくら』ちゃん、『花』ちゃん、『花音』ちゃん、『陽葵』ちゃんが昨年から大きく順位を上げています。
ーーー以上明治安田生命 名前ランキング 表記についてより抜粋

男の子 1位~10位の読み方
1位 大翔(ひろと・やまと・はると・おうが・だいと・たいが・つばさ)
2位 悠真(ゆうま・はるま)
3位 蓮(れん)
3位 陽太(ようた・ひなた・はるた・はると)
5位 湊(みなと・そう)
6位 颯太(そうた・はやた)
6位 陽翔(はると・ひびと・ひなと・やまと)
6位 颯(はやて・そう・りく・いぶき・はやと)
9位 陽向(ひなた・ひゅうが)
9位 大和(やまと)
9位 結翔(ゆいと・ゆうと・ゆうひ)
9位 悠翔(ゆうと・はると)

女の子 1位~10位の読み方
1位 葵 (あおい・ひまり・あお)
2位 陽菜(ひな・はるな・あきな)
3位 結衣(ゆい)
4位 さくら
5位 凛(りん)
6位 花(はな)
7位 結愛(ゆあ・ゆいな・ゆい・ゆな)
7位 花音(かのん・はなね・はなの)
7位 心結(ここな・みゆ・こころ・みう・ここみ・こゆる・みゆう)
7位 陽葵(ひまり・ひなた・ひより)

ルビがないと読みが難しい名前があります。音訳・点訳では悩むこともあるでしょうね。
名前にはルビをつけてほしいと思います。

明治安田生命のサイトには読み方ベスト50など興味深い記事があります。→こちら

国産初の旅客ジェット機 MRJ(エムアールジェイ)

2015年11月11日

2015年11月11日
昨年10月18日、お披露目されたMRJ(Mitsubishi Regional Jet/三菱リージョナルジェット)。
今日、初飛行が実施されました。テレビで離陸の様子を見て、ロケットが発射される時と同じ感動を得ました。

問題がなければ今後、本格的な飛行試験に取り組むことになっており、プロペラ機の「YS-11」以来、半世紀ぶりとなる国産旅客機の開発は、実用化に向けて大きく前進することになります。

世界での市場争いは厳しいでしょうが、MRJが世界の多くの地域で飛ぶことを願います。

ーー以下NHKニュース
MRJは平成20年から三菱重工業の子会社の三菱航空機が開発を進めている国産の小型ジェット旅客機で、地上の走行試験などが順調に進んだとして、11日、初飛行が実施されました。

機体は、11日午前3時ごろ、開発拠点がある愛知県の県営名古屋空港の格納庫から出され、初飛行に向けた最終的な点検や準備作業が行われたあと、午前9時35分ごろ離陸しました。

そして、MRJは、随伴する自衛隊機などと南に向かい、太平洋上にある自衛隊の訓練空域を飛行して基本的な性能を確認したものとみられます。

その後、再び県営名古屋空港の上空に姿を現したMRJは、午前11時すぎに着陸し、およそ1時間半にわたる初飛行を終えました。
ーー以上NHKニュース

2014年10月19日
10月18日国産初の旅客ジェット機として、愛知県豊山町(とよやまちょう)の三菱重工業小牧南工場でお披露目されたMRJ(Mitsubishi Regional Jet/三菱リージョナルジェット)。乗客・貨物を積んでそこそこの距離を飛ぶ中規模ジェット旅客機で国内線などの、比較的短距離・小規模なフライトに使われます。燃費がとても良いとのことで、世界各地で活躍できるといいですね。

国産の旅客機では、昭和39年に国や日本の航空機メーカーが共同で設立した「日本航空機製造」が双発のプロペラ機YS-11を開発しました。東京オリンピックなどで活躍しましたが、次第にジェット旅客機の就航が進んで、YS-11の生産は昭和48年に終了しました。

開発したのは三菱重工業の子会社「三菱航空機」。世界での市場争いは厳しいようですが、今回のMRJが世界の多くの地域で飛ぶことを願います。

<読み方>
MRJ(エムアールジェイ)
三菱重工業の大宮英明 (おおみや ひであき)会長
三菱航空機の川井昭陽 (かわい てるあき)社長

YS-11
一般的には(ワイエスじゅういち)NHKなど 英語読みでは(ワイエスイレブン)
正式な読みは(ワイエスいちいち)開発に携わった方や専門誌、一部の新聞

「音訳の部屋」参考ページ「特別な数字の読み方辞典」→こちら 航空機のところ

文化勲章に7人 文化功労者に16人

2015年10月30日

2015年10月30日

文化勲章に7人 文化功労者に16人選出

日経新聞WEB・NHK等参照

<文化勲章>(敬称略)

大村智(おおむら・さとし)(80)北里大特別栄誉教授。抗寄生虫薬「イベルメクチン」を開発し、関連分野の発展と人類の健康に多大な貢献をした。

梶田隆章(かじた・たかあき)(56)東大宇宙線研究所長。素粒子「ニュートリノ」に質量があることを実証、宇宙や物質の根源の解明に道を開いた。

塩野宏(しおの・ひろし)(84)東大名誉教授。新たな理論的基礎を築くなど、行政法学研究を今日の水準に高めるのに主導的な役割を果たした。

志村ふくみ(しむら・ふくみ)(91)染織家。植物染料による色糸を生かした独自の作風で、つむぎ織の芸術的価値を飛躍的に高めた。文筆にも優れた才能を発揮した。

末松安晴(すえまつ・やすはる)(83)東京工業大栄誉教授。光通信工学を育成し、波長可変半導体レーザーの開発に寄与。高速通信ネットワークの実現に貢献した。

仲代達矢(なかだい・たつや、本名仲代元久=なかだい・もとひさ)(82)俳優。映画「影武者」などに出演、重厚感ある個性的な演技で圧倒的な存在感を示す。

中西重忠(なかにし・しげただ)(73)京大名誉教授。グルタミン酸受容体の実体を解明するなど、神経伝達の基本的メカニズムを世界に先駆けて明らかにした。

<文化功労者>敬称略)

梶田隆章(かじた・たかあき)今年度の文化勲章にも選ばれた。上記参照

安西祐一郎(あんざい・ゆういちろう)(69)日本学術振興会理事長。認知科学のパイオニアとして先駆的な成果を挙げ、情報科学と認知科学の融合を先導した。

大隅良典(おおすみ・よしのり)(70)東京工業大栄誉教授。細胞の自食作用「オートファジー」に関し、分子機構や多様な生理的意義を解明した。

岡崎恒子(おかざき・つねこ)(82)名古屋大名誉教授。短鎖DNAによるDNA複製の普遍的原理を明らかにし、「岡崎フラグメント」とたたえられる。

尾上菊五郎(おのえ・きくごろう、本名寺嶋秀幸=てらじま・ひでゆき)(73)歌舞伎俳優。さっそうとした芸風と美しい容姿で高い評価を受け、近年は新作にも出演。

川淵三郎(かわぶち・さぶろう)(78)日本サッカー協会最高顧問。日本初のプロサッカーリーグ「Jリーグ」を開幕させ、地域スポーツの発展に尽力した。

黒柳徹子(くろやなぎ・てつこ)(82)俳優。司会を務める「徹子の部屋」は放送回数1万回を超える長寿番組として親しまれる。ユニセフ親善大使としても活躍。

佐々木毅(ささき・たけし)(73)東大名誉教授。プラトンなどの政治思想研究を基盤とし、現代政治の分析においても顕著な研究業績を挙げた。

西村暹(にしむら・すすむ)(84)筑波大客員研究員。発がんにおけるDNA損傷の分子機構を研究し、がん科学や多くの臨床研究分野に貢献。

野坂操寿(のさか・そうじゅ、本名野坂恵子=のさか・けいこ)(77)箏曲家。箏曲の新しい領域を広げる演奏活動を意欲的に展開した。「二十絃箏」なども開発。

野村万作(のむら・まんさく、本名野村二朗=のむら・じろう)(84)狂言師。気品とすごみを併せ持つ舞台は秀逸で現代劇にも出演。狂言を広く認知させた。

野本寛一(のもと・かんいち)(78)近畿大名誉教授。生活伝承について、自然環境との関係に着目し「生態民俗学」という新しい概念を提唱、優れた業績を挙げた。

橋田寿賀子(はしだ・すがこ、本名岩崎寿賀子=いわさき・すがこ)(90)脚本家。「おしん」「おんな太閤記」など名作を生み、日本文化の海外普及にも功績。

浜川圭弘(はまかわ・よしひろ)(83)大阪大名誉教授。省資源型の太陽電池の発明など優れた業績を挙げ、太陽光発電の世界規模の普及に大きな役割を果たした。

三谷吾一(みたに・ごいち、本名三谷伍市=みたに・ごいち)(96)工芸家。輪島塗の沈金職人として、独特の点彫り技法と透明感のある彩色法で高く評価される。

皆川博子(みながわ・ひろこ)(85)小説家。「恋紅」は直木賞を受賞。時代小説やミステリーなど幅広い分野で第一線の活躍を見せ、若手にも大きな影響を与える。

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