「音訳の部屋」リビングルーム

電子書籍の普及と音訳

最近の新聞社のWEB(毎日JP)によると

◇アメリカの電子書籍事情→こちら
米インターネット小売り大手のアマゾン・コムは19日、同社が6月に電子書籍端末「キンドル」向けに販売した電子書籍の数が単行本の1・8倍に達したと発表した。

アメリカではとうとう電子書籍の販売が単行本を抜いたとのこと。

◇日本の電子書籍専用端末→こちら
日本でもすでにアマゾンのキンドル、ソニーのリーダー、アップルのアイパッドなどが出ています。
最近シャープが縦書き、ルビに対応する専用端末を発売する一方、関連企業と提携して電子書籍の製作支援、配信サービスも始めるとのこと。

他にも電子書籍対応端末はたくさん出ているようです。

◇電子書籍販売→こちら
大日本印刷は8日、約10万点の作品を扱う国内最大級の電子書籍販売サイトを今秋開設すると発表した。米アップルの「iPad(アイパッド)」のような読書端末のほか、パソコンや多機能携帯電話(スマートフォン)など、あらゆる端末での利用に対応する。2011年中には中規模書店並みの30万点まで作品数を拡大する方針。今後、電子書籍の制作から流通、販売までを総合的に請け負うサービスも開始するとしており、出版業界で電子書籍への取り組みが一気に加速した形だ。

凸版印刷も既に制作から配信までを請け負い、販売では紀伊国屋書店と提携する計画を発表。
ソニーと凸版印刷と、KDDI、朝日新聞社の4社は1日、電子書籍の配信事業について検討する企画会社「電子書籍配信事業準備株式会社」を設立。

出版取次大手のトーハン(近藤敏貴社長)は1日、電子書籍の取り次ぎサービスを年内にも開始すると発表した。

一方、グーグルが来年春に国内参入 ブラウザーで閲覧→こちら

端末も電子書籍も各社入り乱れてどういう風に落ち着くか先は見えません。

◇文字やデータの規格統一 政府懇談会、報告書→こちら
電子書籍の普及に向け、著作権などの課題を話し合う政府の懇談会(座長、末松安晴・東京工業大名誉教授)は22日、電子書籍向けの文字やデータの規格を統一することを盛り込んだ報告書をまとめた。一方、注目の著作権をめぐっては意見の集約ができず、業界関係者による協議の場で、1年以内に結論を出すことになった。
・・・米国の場合、電子書籍端末ごとにデータの規格が異なるため、端末ごとに読める本が限定される。
・・・一方、著作権関連の課題はほとんど解消できなかった。

規格統一は各社協力してぜひ早めに解決して欲しい問題です。
著作権関連も作家にとっては重大問題です。

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電子書籍と音訳~私たち音訳に携わっている者はどうなるのでしょうか。
<ここからは私個人の考えです・・・>

◇電子書籍はきっとすばらしい発展をすると思う。

電子書籍が普及することは視覚障がい者にとって好ましいことだと思います。
合成音声でも書籍を安くリアルタイムで読むことが出来ます。
合成音声も最近はとても良くなっているようですが、また一段と進化するでしょう。
何といっても、音訳などの恩恵を受けない、寝たきりの人や高齢者がありがたいことと思います。
自分が年齢を重ねたら、きっと欲しいものでしょうね。

電子書籍が普及すれば製品の説明書なども合成音声に沿った、優しい説明が販売元で配信されると思います。

◇音訳は必要なくなるのでしょうか。

合成音声でもよいものと文芸作品などじっくり、人の声で聞きたいものは違ってくると思います。
文芸作品はNHK出身者で作った「ことばの杜」→こちら など、最近多く出回ってきたようです。

販売される音声の書籍は販売が多いものが中心でしょうから、多岐にわたる書籍が必要と言う意味で音訳者はいつでも必要と思われます。
利用者も耳が肥えてくるので音訳者の勉強はますます必要になるのでしょうね。

合成音声では説明できない、図や写真、グラフ、表などがはいった専門書はたくさん希望されるでしょう。
音訳者もまた時代で変化していくことになるのでしょうね。
電子書籍が出てきても人の声で聞ける音訳の本は「やはりすばらしい!」と言う日が来るようにしなくては。

◇電子書籍専用端末を使えるようにしておきたい。

「本は紙でいいわ」と思っていましたが、報道をみると使える方がいいと考えるようになりました。
パソコンが出てきた時にもまだまだ~~と言っていたらあっという間に一般化して・・・
音訳もあっという間にデジタル化しました。

インターネットなんて・・・と思っていた私がネットで「音訳の部屋」などという読み方辞典を制作するようになるとは!
世の中の動きは思った以上に早いようです。

世の中の動きに関係なく、我が家のもみじはのん気なものです。

もみじはのん気です。

有本利夫展 天空の音楽

2010年7月17日

有本利夫展 天空の音楽 

東京都庭園美術館 2010.7.3-9.5→こちら(1) こちら(2)

有本利夫展 天空の音楽 パンフレット
友人が有本利夫氏のいとこで誘ってもらったので行ってきました。
———以下パンフレットより抜粋
有本利夫(1946~1985)は「ロマネスクな異色新人」、「画壇のシンデレラボーイ」と呼ばれ、鮮烈なデビューを果たしましたが、惜しまれつつも38歳の若さで世を去りました。・・・中略・・・
本展は、没後25年を経た今もなお、人々を魅了し続けている有本利夫の約10年のわたる画業を、絵画のほか、版画、彫刻などとあわせてふり返ります。
———以上パンフレットより抜粋

有本氏の作品は色合いが美しく、人物がどっしりしていて私は大好きです。

東京都庭園美術館は庭内の散策も楽しく、隣には国立科学博物館付属自然教育園もあり緑豊かで箱根か軽井沢にいるような気持ちになります。

国立科学博物館付属自然教育園こちら

静岡県点字図書館での講座終了

7月15日
静岡県点字図書館にて講座
「音訳・点訳のためのインターネット活用講座」
~インターネットを利用した“読み”の調査とコツ~

音訳・点訳養成講習会修了者と音訳・点訳の希望者 28名
auモバイルを使用してネットにつなぎました。

パソコンを使っている人が多くなり、ほとんどの人はインターネットも利用しているので、以前より講座は楽になりました。
適切なサイトで読みを見つけるには、コツがありますので覚えていただくと調査が楽になると思います。

私が作ったテキストはネットを利用した読みの探し方を書いてありますが、WEBサイトは新しく出来たり、消えていったり、今日あるものが明日あるとは限りません。
ですから学校の教科書のような感覚で利用すると不満かもしれません。頭を柔らかくして、色々な方法を試して欲しいと思います。


友人が送ってくれたカサブランカが見事に花開きました。
良い香りがして幸せな気持ちになります。

庭のカサブランカ1 庭のカサブランカ2


大好きな紫紺ノボタンを花屋さんに取り寄せてもらいました。
大きくなると2メートルになります。庭木にも1本植えました。

紫紺ノボタン

シロバナノボタンもネットで頼みましたので楽しみにしています。
ノボタンは5ヶ月くらい咲き続けるので嬉しい花木です。

「山鉾」は「やまほこ・やまぼこ」どちら?

2010年7月14日

 京都・祇園祭の「山鉾」の読み方は「やまほこ」か、「やまぼこ」か。
YOMIURI ONLINE→こちら  →こちら

読売新聞のWEBを見ていると山鉾の読みについて書いてありました。
音訳・点訳の参考になりますので考えてみました。
————————————————————以下YOMIURI ONLINEの記事より
 長年混在してきた二通りの読み方や表記に一つの方向性が見えてきた。
昨年9月にユネスコの無形文化遺産に登録された「京都祇園祭の山鉾行事」は英文表記で「yamahoko」。
祇園祭山鉾連合会もパンフレットの英文を「HOKO」で統一するなど「やまほこ」を“国際標準”としたためだ。
山鉾巡行は17日。「ほこ」は定着するのか――。

 祇園祭は平安時代、流行した疫病の退散を祈る御霊会(ごりょうえ)として始まったとされる。
山鉾の読みや表記は、鎌倉時代末期から江戸時代までの「八坂神社文書」で鉾を「ほく」と記しており、
これが「ほこ」に転じたとみられている。

 こうした歴史を踏まえて、1992年には当時の山鉾連合会会長が、祭りを執り行う八坂神社と協議し、
「やまほこ」で統一すると決めたが、山鉾の各保存会が「広く使われる言い方は『やまぼこ』」と反発、決定が覆った経緯がある。
以後、八坂神社は「ほこ」に統一したが、再び混在した状態が続いていた。
————————————————————以上YOMIURI ONLINEの記事より

広辞苑と日本国語大辞典を開いてみました。

◇広辞苑第五版 P2698
やまぼこ(山鉾)
山車(だし)の一種。屋台の上に山の形などの造物(つくりもの)があって、その上に鉾・薙刀(なぎなた)などを立てたもの。
京都の祇園会(ぎおんえ)の山鉾は有名。

◇日本国語大辞典第二版13巻 P239
やまぼこ(山鉾)
山車(だし)の一種。台の上に山の形などの造り物があって、ほこ・なぎなたなどを立てるもの。
京都の祇園会のものが特に有名。

どちらの辞書も「やまほこ」にはふれておらず「やまぼこ」と読んでいます。
日本国語大辞典には山鉾巡幸(やまぼこじゅんこう)山鉾町(やまぼこちょう)もあり、どちらも京都祇園会に関する言葉として載っています。

ことばは変化していくものですが、急に辞書と違う読みが出てくるとあわててしまいます。

点訳・音訳ボランティア募集(静岡県点字図書館)

2010年7月2日

7月になりました。
日本の選手が頑張って希望を与えてくれたサッカーワールドカップ、今日から準々決勝。
また眠い日が始まります・・・

 所属している静岡県点字図書館で点訳・音訳ボランティアを募集しています。
最近、社会貢献したいと言う人が増えてきていると聞きます。
勉強しながら、視覚障がい者に貢献できる 点訳・音訳をぜひ一緒にやりませんか。
興味のある方が身近にいらしたらぜひ知らせてあげて下さい。
情報を伝えていただくとありがたく思います。

以下静岡県点字図書館のページから →こちら

点訳・音訳ボランティア養成講習会受講生募集中 (静岡県点字図書館)

点訳講習会(初級コース)

 回数 20回
 期日 平成22年9月7日~平成23年3月17日
     毎週木曜日 10:00~12:00

 音訳講習会(基礎編)

 回数 25回
 期日 平成22年9月7日~平成23年3月15日
     毎週火曜日 10:00~12:00 

* 開講式は共通 9月7日(火)10:00~12:00
会場 静岡県総合社会福祉会館内 会議室

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<募集内容>
対象  初心者 [全日程出席でき、講習会終了後継続して活動ができる方(学生は除く)]
定員   点訳・音訳 各10名(選考あり)
受講料 無料(テキスト代実費) 

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<申込>
応募方法  1.募集要項請求(葉書に住所、氏名、電話番号、「点訳希望」「音訳希望」の別を明記)
2.必要書類記入の上、申込書提出(来館・郵送)
締切   7月23日(金)必着

 
募集要項請求・申込先  静岡県点字図書館
 〒420-0856 静岡市葵区駿府町1-70
 電話  054-253-0228
 メール shizuten@shizuten.jp

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