音訳・点訳

雪洞の読み方(せつどう)(せっとう)(ぼんぼり)

2011年2月22日

もうすぐ雛祭り。
母が遠方から大事に抱えてきたお雛様を玄関に飾りました。
趣味で作っていた方のお雛様がとても美しかったのでゆずって頂いたとのこと。
ずいぶん昔のことで、制作した人も母も今はおりませんが、雛人形は私の手元で毎年春を迎えます。

雛人形 この雛人形には雪洞がありませんが・・・

雪洞の読み方「音訳の部屋」には二ヶ所読み方があります。
1)「暦のことば 読み方辞典(50音順)」→こちら
は行(ほ) 雪洞 (ぼんぼり) 『宮中歳時記』

2)茶道用語読み方辞典→こちら
雪洞 (せつどう) 風炉覆のこと 淡交社『茶道用語辞典』P210
雪洞(せっとう)木や竹のわくに白い紙を貼り、その一部に窓をあけ、茶炉(ちゃろ)などの上をおおうもの。『日本国語大辞典』 『広辞苑』
11.02.22備考付加 11.02.23国語辞典の記載付加

音訳の部屋では上記が載せてありますが、他の辞書、WEBも再調査しました。

<調べた国語辞典>

◇日本国語大辞典 第二版
・7巻P1403 雪洞(せっとう)
①木や竹のわくに白い紙を貼り、その一部に窓をあけ、茶炉(ちゃろ)などの上をおおうもの。・・・
②紙または絹張りのおおいのある手燭。・・・ぼんぼり
・7巻P1404 雪洞(せつどう)
①雪の洞穴(ほらあな)。倉庫用あるいは登山の雪中露営など、いろいろな用途に用いられる。
②⇒せっとう(雪洞)
・12巻 ぼんぼりP271
一[副]うすくすけてぼんやり見えるさま、はっきりしないさまを表わす語。ほんのり。ほっかり。
二[名]
①(雪洞)木や竹のわくに白い紙を張り、その一部に窓をあけ、茶炉(ちゃろ)などの上をおおうもの。せっとう。
②(雪洞)紙または絹張りのおおいのある手燭。また、柄(え)をつけ、その下端に台座をつけた小さな行灯(あんどん)・・・せっとう
他にも③中啓(ちゅうけい)の扇の一種。④耳の垢を掃う道具⑤干鱈・・・の料理。⑥ぼんぼり綿の略。⑦毛糸や羽毛などで作った丸い房。

◇広辞苑第五版
・雪洞(せっとう)P1502
①木竹の框(かまち)に白紙を貼り一部に窓をあけ、風炉の上をおおい助炭(じょたん)に用いるもの。
②⇒ぼんぼり
・雪洞(せつどう)P1502
①積雪期登山中の露営のために雪を掘って作った横穴。ゆきあな。スノー・ホール。
②⇒せっとう
・ぼんぼりP2486
①物がうすく透いてぼんやりと見えるさま。・・・
②(「雪洞」と書く)
ア)茶炉などに用いる紙張りのおおい。せっとう。 イ)絹または紙張りのおおいをつけた手燭(てしょく)
③中啓(ちゅうけい)の一 ④耳垢(みみあか)をとる道具。⑤料理の名⑥ぼんぼり綿(わた)の略

◇大辞林第二版
・雪洞(せっとう)P1411
①風炉の上をおおうもの。木や竹製の枠組みに白紙を張り、小さな窓を設ける。炭火を保たせるために使う。
②ぼんぼり
・雪洞(せつどう)P1411
登山で、露営または緊急避難用に雪中に掘る縦穴または横穴 →せっとう(雪洞)
・(雪洞)ぼんぼり
①紙張りのおおいのある小さい行灯(あんどん)、または手燭(てしょく) 
②中啓(ちゅうけい)の一
 ぼんぼり綿(ぼんぼりわた)

<茶道の専門書>

◇淡交社『茶道用語辞典』P210
雪洞(せつどう)風炉覆のこと。風炉にかぶせて、炭火を長くもたせるためのもの。
厚紙製の六角形で、必要のない時は折りたたむことができる。

<その他の書籍>
参考までに家にある書籍には下記のような記述もあります。

◇小学館『間違いやすい言葉の事典』 
P34に[雪洞の明り] ×せつどう ○ぼんぼり (制作者注 [雪洞]ではなく[雪洞の明かり]とあります。)
*雪洞に火をともす
 火をともす部分の木の枠組みに紙や絹を張り、柄(え)や台座を取り付けた小さな行灯(あんどん)。茶道で「雪洞(せつとう)」という道具があり「ぼんぼり」を「雪洞」と書くのはそれと形態が似ていることから来たものか。
 「雪洞」を「せつどう」と読めばまったく別の語となり、冬山登山で、野営のために斜面などの雪を掘ってつくる穴のこと。こちらは文字どおり雪のほらあなという意である。 

<WEB>より:以下は個人のページですので再調査はしていません。参考までに。

◇遠軽町公式ウェブサイト WEBえんがる 文化研修館(碧南層)→こちら
雪洞(せつどう)の記載がありますが、典拠は不明です。  (茶道)

◇雛飾り(初節句雛)の豆知識こちら
7.雪洞(ぼんぼり)の語源 (雛祭り)

◇点訳の校正をしている方 読み分け辞書 →こちら
●雪洞
 せっとう:(茶道で)木や竹の枠に白い和紙を張って一部に窓をあけ風炉の上を覆うもの
 せつどう:露営のため雪の斜面に掘ってつくる穴 (→雪洞を掘る)
 ぼんぼり:紙張りのおおいのある小さい行灯または手燭 (→明かりをつけましょ雪洞に)

◇ほぼ日刊イトイ新聞-声に出して読めない日本語→こちら
雪洞
せつどう 登山で、露営または緊急避難用に雪中に掘る縦穴または横穴。
せっとう (1)風炉の上をおおうもの。木や竹製の枠組みに白紙を張り、 小さな窓を設ける。 炭火を保たせるために使う。(2)ぼんぼり。
ぼんぼり 紙張りのおおいのある小さい行灯(あんどん)、または手燭(てしょく)。

 「音訳の部屋」制作に関しては、信頼できる専門書や辞書を参考資料として、個人で「読み方辞典」を作っています。
資料によっては同じ用語でも読み方が違っているものも多いのです。
はっきり間違いとわかるものは他の書籍を調べて書き換えています。
今回のように
雪洞(せっとう)(せつどう)(ぼんぼり)を「音訳の部屋」から調べるにはトップページの
下方にサイト内検索を用意しています。
疑問に思ったときにはここを検索してください。いくつかの読み方辞典が出てきます。
今回は最初に記載しましたように
1)「暦のことば 読み方辞典(50音順)」→こちら
は行(ほ) 雪洞 (ぼんぼり) 『宮中歳時記』

2)茶道用語読み方辞典→こちら
雪洞 (せつどう) 風炉覆のこと 淡交社『茶道用語辞典』P210 の記載があり、辞書を調べて、雪洞 (せっとう)も入れました。
また専門書で違う本を読んだ時には加筆します。

音訳・点訳時の大事な注意点
1)「音訳・点訳のためのインターネット活用講座」ではいつも言っているのですが、パソコンの変換から読みを使わないで下さい。
変換ですと ぼんぼり(雪洞)です。
2)全文にルビがあるページはロボット検索か外国人向け、子供向けのページのことが多いので、点訳・音訳に使わないほうが良いでしょう。
3)音訳・点訳時、最終的に読みを決めるのは読んでいる本の内容によりご本人です。音訳の部屋は参考と思ってください。

「音訳の部屋」の制作者である私は専門書や辞書を調べて書いています。けっして漢字に強いのではありません。
文系でなかったので、漢字の読みか不得手・・・と言う出発点から制作が始まっています。
————————–
なお、茶道に関しても(ちゃどう)(さどう)の読み方があります。
いずれ調査して記事にしたいと思います。

新鉱物「千葉石(ちばせき)」発見 

2011年2月16日

千葉県内で世界2例目となる主成分にメタンを含む新鉱物「千葉石」が発見された。
16日付の英国科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」で発表した。

————————以下時事通信による
千葉県南房総市の元採石場で発見された新鉱物が「千葉石」(学名チバアイト)と命名され、国際鉱物学連合(IMA)に承認された。
「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレートと似た結晶構造で、内部にメタンなど天然ガス成分の分子を取り込んでいることを物質・材料研究機構や東北大などの研究チームが解明。
15日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に発表した。
 都府県名が付く鉱物は滋賀石、岡山石、新潟石、東京石、大阪石に続いて6番目。
メタンハイドレートと違ってエネルギー源にはならないが、希少価値があるという。
千葉石の透明な結晶を含む砂岩は16日から千葉県立中央博物館で公開される。
 千葉石の発見は1998年、千葉県館山市のアマチュア鉱物研究家本間千舟さん(63)が元採石場で不思議な形の白い結晶を見つけ、同博物館に持ち込んだのがきっかけ。
さらに2007年、同県市川市の西久保勝己さん(49)が良質の透明な結晶を採集し、解明に至った。同機構の門馬綱一研究員によると、千葉石を含む地層は約1800万年前、海底下2~3キロにあった。
海側プレートが陸側プレートの下に沈み込む境界付近で、有機物が地熱で分解されたメタンやプロパンなどが、かご状の結晶構造に取り込まれたと考えられる。
————————以上時事通信による

<関連語の読み方>

千葉石(ちばせき)
本間千舟(ほんま・ちぶね)
西久保勝己(にしくぼ・かつみ)
門馬綱一(もんま・こういち)独立行政法人物質・材料研究機構(茨城県つくば市)

滋賀石、岡山石、新潟石、東京石、大阪石の読み方については
和名で読むときには滋賀石(しがせき)新潟石(にいがたせき)大阪石(おおさかせき)のように(~~せき)と読むことが多いようです。
大阪石の読み方を調べた時にも(おおさかせき、おおさかいし)の両方の読みがありました。→こちら
岡山石(おかやませき、おかやまいし)も同様。
東京石に関しては読みが見つかりませんでしたが、他の例から見て(とうきょうせき)と一般には読むと思われます。

降灰の読み方(こうはい)(こうかい)-新燃岳噴火

2011年2月5日

新燃岳噴火が続いています。
報道から降灰の読み方が気になりましたので調査しました。

「音訳の部屋-読み方辞典」
気象用語と地学用語
に降灰の読み方があります。
気象用語関係の資料を参考にした読み方は(こうはい)
地学用語関係の資料を参考にした読み方は(こうかい)(こうはい)両方

気になりましたので気象庁に問合せをしました。
気象庁のページには
天気に関すること、気象や予報に関する用語などについては、「天気相談所」へお問い合わせ下さい・・・とあります。
電話に出られた方にお聞きしましたら正式には答えられない、平日に火山の部門に問い合わせるようにとのこと。

●専門家に聞くのでしたら文部科学省のオンライン学術用語集を見るのと同じですのでサイトにとびました。
オンライン学術用語集(こうはい) 気象学編、地震学編、地学編 すべて(コウハイ)になっています。
*現在はサイトがを見ることはできません。

ーーーーーーーー

辞書をみますと
●日本国語大辞典第二版 降灰(こうかい) のみ
●広辞苑第五版 降灰(こうかい)降灰(こうはい)両方あり (こうはい)⇒(こうかい) (こうかい)のところには説明の後に気象学では(こうはい)という。・・と記述
●大辞林第二版 降灰(こうかい)降灰(こうはい)両方あり (こうはい)⇒(こうかい)

報道を聞いていますと降灰(こうはい)と読んでいます。
●NHKではネットに降灰(こうはい)と言っていたとありますので、NHKのサイトをみてニュースで音声が流れる時、聞きました。
見出しには 降灰 と出るのですが、アナウンサーは「火山灰が降り積もり・・・」と言い換えていました。
ーーーーーーーー以下『改訂版 NHK気象ハンドブック』P260より
降灰[コーハイ]
なるべく「(火山)灰が降る」「降った(火山)灰」などと言いかえる。使う場合は[コーハイ]と読み、[コーカイ]とは読まない。
ーーーーーーーー以上『改訂版 NHK気象ハンドブック』P260より
NHKの見解をネットで見つけました。→こちら (リニューアルによりリンク先変更2011年4月記載)
●民放では降灰(こうはい)と言っているようです。

国会議事録に記載があります。→こちら
行政では(コウカイ)と言っているとの記載です。
ーーーーーーーー以下国会議事録より抜粋
衆議院会議録情報 第174回国会 総務委員会 第9号
平成二十二年三月二十三日(火曜日)
○原口国務大臣 この鹿児島の降灰、コウハイと私たちは一般に呼ぶんですけれども、コウカイというのが行政で使う降灰対策については、本当に、御地元の皆様にこの場をかりてお見舞い申し上げたいと思います。
ーーーーーーーー以上国会議事録より抜粋

以上、私が調査した結果です。
どう読むかは音訳・点訳なさる方、ご自身でお決め下さい。

「主な湖沼の読み方辞典」制作

2011年2月3日

2月3日

この冬は寒かったですね。
今日は節分、明日は立春、毎年今頃から寒さが和らぎます。
やっと春が訪れるでしょうか?

「主な湖沼の読み方辞典」をUPしました。→こちら
報道資料、国土地理院の日本の主な湖沼、『大きな文字の地図帳』帝国書院等を参照して、日本の主な湖沼の読み方を地域ごとにまとめました。
音訳・点訳時にお役に立てば嬉しい!

新燃岳噴火-報道の関連用語

鹿児島と宮崎の県境にある霧島連山の新燃岳(しんもえだけ)が噴火。
被害が大きくならないように祈ります。

 関連用語ー報道記事より言葉を拾い読み方を調査ー

霧島連山(きりしまれんざん)
新燃岳(しんもえだけ)
霧島山(きりしまやま)
加久藤(かくとう)カルデラ
砕屑丘(さいせつきゅう)
入山規制(にゅうざんきせい)

宮崎県西諸県郡高原町(にしもろかたぐん・たかはるちょう)
       皇子原(おうじばる)地区
宮崎県都城市夏尾町(みやこのじょうし・なつおちょう)
   都城市山田町(やまだちょう)
      御池町(みいけちょう)
      吉之元町(よしのもとちょう)
      高野町(たかのちょう)
   小林市細野(ほその) 瀬田尾(せだお)地区
      細野 (ほその) 上旭台(かみあさひだい)地区 
鹿児島県霧島市湯之野(ゆのの)
  
      
宮崎県知事 河野 俊嗣(こうの しゅんじ)
火山噴火予知連絡会会長 東京大学 藤井 敏嗣(ふじい としつぐ)名誉教授
火山噴火予知連絡会副会長 京都大学 石原 和弘(いしはら かずひろ)教授
東京大学地震研究所 中田 節也(なかだ せつや)教授
東京大学地震研究所 武尾 実(たけお みのる)教授
東京大学地震研究所 綿田 辰吾(わただ しんご)助教(地震学)
東京大学地震研究所 市原 美恵(いちはら みえ)助教 (火山学)
鹿児島大火山地質学 井村 隆介(いむら りゅうすけ)准教授
鹿児島地方気象台 松末 伸一(まつすえ しんいち)調査官
京都大学 鎌田 浩毅(かまた ひろき)教授(火山学)
防災科学技術研究所 藤田 英輔(ふじた えいすけ)主任研究員
国土地理院 新田 浩( にった こう)地殻監視課長

噴石(ふんせき)
火砕流(かさいりゅう)
土石流(どせきりゅう)
火山灰 (かざんばい)
降灰(こうはい)2/5ブログ参照 (こうかい)とも
降灰予報(こうはいよほう)
噴煙柱(ふんえんちゅう)
火道(かどう)
空振(くうしん)現象
空振計(くうしんけい)
噴気孔(ふんきこう)
地鳴り(じなり)

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気象庁│霧島山(宮崎県・鹿児島県)の記事から言葉を拾う→こちら

加久藤(かくとう)カルデラ
砕屑丘(さいせつきゅう)

琵琶池(びわいけ)
大幡池(おおはたいけ)
御池(みいけ)
小池(こいけ)
不動池(ふどういけ)
大浪池(おおなみのいけ、おおなみいけ)
六観音御池(ろっかんのんみいけ)

高千穂峰(たかちほのみね)
韓国岳(からくにだけ)
硫黄山(いおうやま)
中岳(なかだけ)
大幡山(おおはたやま)
御鉢(おはち)
新燃岳(しんもえだけ)

 追加 2/1/13:04
霧島市牧園町(まきぞのちょう)の丸尾温泉(まるおおんせん)
   霧島田口(きりしまたぐち)
   牧園町三体堂(まきぞのちょうさんたいどう)

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