単位の読み方辞典
(3)昔の単位

最終更新日2007年4月7日

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 始めに

単位の読み方辞典(1)ではSI単位について記載しました。
単位の読み方辞典(2)では実際に使用する単位一覧を記載しました。

単位の読み方辞典(3)昔の単位では尺貫法などの読み方をまとめました。古文書などの引用等に利用してください。

参考資料・医学辞典・医師からの情報をもとに医学書を読むために「医学用語読み方辞典3・臨床でよく使われる単位」の読み方もまとめてあります。
医療現場で一般的に使われている単位です。こちらも参考にして下さい。(制作 平松陽子)


 尺貫法による計量単位(現在は使われていない)

呼び名 略字 補助計量単位
長さ 尺(しゃく) * 毛(もう)
厘(りん)
分(ぶ)
寸(すん)
丈(じょう)
間(けん)
町(ちょう)
里(り)
鯨尺(くじらじゃく) * 鯨尺分(くじらじゃくぶ)
鯨尺寸(くじらじゃくすん)
鯨尺丈(くじらじゃくじょう)
質量 貫(かん) 毛(もう)
厘(りん)
分(ぶ)
匁(もんめ)
斤(きん)
面積 平方尺(へいほうしゃく) * 平方寸(へいほうすん)
平方分(へいほうぶ)
歩(ぶ) * 勺(しゃく)
合(ごう)
畝(せ)
反(たん)
町(ちょう)
坪(つぼ) * 勺(しゃく)
合(ごう)
体積 立方尺(りっぽうしゃく) * 立方分(りっぽうぶ)
* 立方寸(りっぽうすん)
* 立坪(りゅうつぼ)
升(しょう) * 勺(しゃく)
* 合(ごう)
* 斗(と)
* 石(こく)

 お金の単位(三貨制度)

金貨 基本単位・両(りょう)
1両=4分(ぶ)<歩(ぶ)>
1分=4朱(しゅ)
計数貨幣(けいすうかへい)
4進法
銀貨 基本単位・匁(もんめ)
1匁=10分(ふん)
1000匁=1貫(かん)<貫目(かんめ)貫匁(かんめ)>*
秤量貨幣(ひょうりょうかへい)
10進法
銭貨(ぜにか)造幣局WEB
(銅貨)
1基本単位・文(もん)
1000文=1貫文(かんもん)
計数貨幣(けいすうかへい)
参考 大判は主として恩賞(おんしょう)用 贈答(ぞうとう)用としての特殊な金貨で単位は枚(まい)
*貫は〆とも表す  匁は目とも表す
  1の位が0の時には通例目 例えば20目、100目  1の位が有効数字の時には匁 1匁、12匁
  厘、毛(もう)もある →こちら参照

参考(全体):七十七銀行金融資料館

度量衡一覧 古文書等から引用の単位の読みが必要なときがあります。新潟県立文書館に問合せをしましたら、林英夫監修『基礎 古文書のよみかた』(柏書房、1998年)からの資料を送ってくださいました。

a (尺度・里程)
 度を表わす単位は、丈(じょう)・尺(しゃく)・寸(すん)・分(ぶ)・厘(りん)で十進法をとっていました。中世以降、曲尺(かねざし)が基準となり呉服尺・鯨尺・享保尺・文木(文尺)などができました。明治八(1875)年に曲尺一尺=30.303センチとされました。なお曲尺の一尺は鯨尺の八寸に相当します。
 里程を表わす単位は、里(り)・町(ちょう)・間(けん)で、一間は曲尺の六尺が基本となります。
(注)
日本国語大辞典によると曲尺(かねざし)は矩差(かねざし)とも記載があります。また曲尺・矩尺(かねじゃく)とも記載してあります。 また日本国語大辞典によると呉服尺(ごふくじゃく) 鯨尺(くじらじゃく) 享保尺(きょうほうじゃく) 文木(もんぎ)文尺(もんざし・もんじゃく)と読みます。 *もんしゃくと記載の呉服のHPあり

b (容積)
 量を表わす基本単位は、石(こく)・斗(と)・升(しょう)・合(ごう)・勺(しゃく)・才(さい)・弗(ふつ)で、十進法をとっていました。中世では、荘園領主や寺社ごとに個々の量制が用いられましたが、豊臣秀吉により京桝に統一されました。江戸時代の初期には東国は江戸桝が、西国は京桝が使用されましたが、寛文九(1669)年に江戸で作成された京桝に統一されました。一升=1.80391リットル

c (重さ)
 古代の令制以前から斤(きん)・両(りょう)・分(ぶ)・銖(しゅ)の制があり、近世でも茶や生糸などに用いられました。一斤を茶では四百匁、生糸では百六十匁としました。また、重さを計る単位としては一般的には、貫(かん)・匁(もんめ)・分(ふん)・厘(りん)で表わしました。一貫は現在の約3.75キログラム。(注)1921年以降の1貫は正確に3.75sとのこと連絡を下さった方がいます。
 貫は銭貨の単位と混同しないように通常「貫目(かんめ)」と呼び、分は金貨の「分(ぶ)」と区別するため「ふん」と呼びました。

d 面積
 面積を表わす単位は、町(ちょう)・反(段)(たん)・畝(せ)・歩(分)(ぶ)で、太閤検地以降は一反=三百歩となりました。一歩は一坪もいい、曲尺の六尺×六尺で、現在の約3.3058平方メートルに相当します。一町は約0.9910ヘクタール。 

● (長さ・里程)
1丈(じょう)=10尺(しゃく) 1尺=10寸(すん) 1寸=10分(ぶ) 1分=10厘(りん)
 *曲尺(かねざし)1尺=30.303cm  鯨尺(くじらじゃく)1尺=37.8cm

1里(り)=36町(ちょう)=3927.2688m 1町=60間(けん)=109.0908m 1間=曲尺6尺=1.818m

● (容積)
1石(こく)=10斗(と) 1斗=10升(しょう) 1升=10合(ごう) 1合=10勺(しゃく) 1勺=10才(さい) 1才=10弗(ふつ)
 *寛文9年(1669)以降 1升=1.80391リットル
 *なお、「夕」は「勺」と同じで、「しゃく」あるいは「せき」と読みます。(新潟県立文書館の説明)

● (斤両銖及び重さ)
1斤(きん)=16両(りょう) 1両=4分(ぶ) 1分=6銖(しゅ)
 *明治8年(1875)以降 1銖=1.6g

1貫(かん)=1000匁(もんめ)=3.75kg 1匁=10分(ぶ) 1分=10厘(りん)

● 面積(広さ)
1町(ちょう)=10反(たん)(段)*1町=1ha 1反=10畝(せ)*1反=10a 1畝=30歩(ぶ)(分)*1歩=3.3058u=1坪


古代の地方行政区分 

奈良・石神遺跡(明日香)で古代の行政区分を記す最古の木簡が出土されました。その関連で読みの調査に役だつと思われるものを記載します。(参考文献 日本国語大辞典・国史大辞典14 参照WEB 共同通信ニュース速報/asahi.com) (注)言葉の読み・年代は典拠により違いがあります。

○古代の行政区分

 「国(くに)」「評(こおり、郡)」「五十戸(さと、里)」参照WEB 共同通信ニュース速報/asahi.com(奈良文化財研究所研究員の報告より抜粋)

 ・「五十戸(さと)」から「里(さと)」へ
 干支もある木簡34点(石神遺跡以外も含む)の調査 「五十戸(さと)」は」665(天智4)年から687(持統1)年まで計10点 「里(さと)」は683(天武12)年から700(文武4)年まで計24点。 両方が存在する683〜687が「五十戸(さと)」から「里(さと)」への過渡期とみられる。

 ・「評(こおり)」と「郡(こおり)」
 701年の大宝律令で整う国郡里(こくぐんり)制で、郡段階の役所は700年までずっと、「郡(こおり)」より古い表記の「評(こおり)」が続いていた。日本国語大辞典5 p510他参照

○大宝律令の施行701年日本の地方制度は完成 「国郡里(こくぐんり)制」(日本国語大辞典等より)

 「国(くに)」「郡(こおり)」「里(さと)」

○霊亀元年(715)からの郷里制(ごうりせい)(日本国語大辞典5p187p473 p718/6 p121等より)

 ・「里(さと)」から「郷(さと)」 郷の下に2、3の「里(こざと)」を置く。「里(こざと)」は天平12年(740)頃廃止されそれ以後は「郷(さと)」の組織が最小区画となる。
 日本国語大辞典 里(こざと)の説明のところには・・・里(り)であったが霊亀元年(715)頃、里は郷(ごう)と名を改めた(出雲風土記733)ともある。

○郡(ぐん)(日本国語大辞典4 p1158より)

 ・郡(こおり)が「郡(ぐん)」と読まれるようになった時期は調査ではよく分からないが日本国語大辞典の郡(ぐん)には律令制で、一国の下の行政区画とある。この下に郷、里があった。こおり ・・・・・という記載から両方を用いていたのかもしれないがはっきりとは分からない。

 <参考> 明治23年(1890)以降は地方自治体の一つ   府県と町村の間に位置し市と共に府県を構成


言葉について
(読みは典拠によって違いがあります。調査した中からの抜粋です。)

「五十戸(さと)」

国史大辞典14 p514 里(り) 里(一)「さと」と訓まれ、一般には村・邑・郷などと同義の用語であるが、歴史的には律令制下の地方行政区画名で、律令制行政村落をいう。
それは五十戸を単位とし造籍を通して編成されたもので、『万葉集』にも「里(さと)の門田」を「五十戸之門田」(巻一〇)「里長(さとおさ)」を「五十戸長(良)」(巻五・巻一六)とする表記がみられる。・・・・・・

中略

天武天皇十二年以前ではいずれも「五十戸」と表記されている点について、賦課単位の五十戸制を示すのも、または三十戸一里制の併存を示すのも、などの見解が提出されているが、五十戸一里制施行の初期の段階において、その行政区画としての里が一般的な「さと」=里と異なることを示すため、その編成内容である「五十戸」と表記したのではないかと思う。
○五十戸(さと、ごじゅっこ)と違った読みのHPがあります。

石神遺跡第16次調査より
三川国青見評大市部五十戸(おおいちべのさと)三川国青見評(あおみのこおり)三川国穂評(みかわのくにほのこおり)
奈良文化財研究所HP


横浜市歴史博物館(横浜市教育委員会のHP)

 奈良県(ならけん)明日香村(あすかむら)の石神(いしがみ)遺跡(いせき)から、「諸岡(もろおか)五十戸(ごじゅっこ)」と記された7世紀後半の木簡(もっかん)が発見されました。「諸岡五十戸」は、律令(りつりょう)に基づく古代国家が成立した8世紀以降の武蔵(むさしの)国(くに)久(く)良(らき)郡諸岡里(もろおかり)(郷(ごう))の前身であり、現在の横浜市港北区師岡(もろおか)町(ちょう)や鶴見区駒岡町(こまおかちょう)を中心とした地域を示しています。
日本国語大辞典の里(さと)のところに出てくる万葉集(8C後)P121下「橘を守部の五十戸(さと)の門田早稲刈る時過ぎぬ来じとすらしも」五十戸(さと)と読みが入っている。歌の読みは たちばなを/もりべのさとのかどたわせ/かるときすぎぬ/こじとすらしも
WEB上の万葉集ではこの歌は「五十戸」の表記が「里」になっているのがほとんどである。



「里(り)」(日本国語大辞典13p821)
 令制における京以外の地方行政区画の最下級の単位。七世紀後半に順次設置された。(さと)と同じように使われたと思われる。里長(さとおさ)も(りちょう)と読んだWEBもあります。

 参考 里(二)距離の単位

「郷(ごう)」「郡(ぐん)」については上の説明にあります。



調査して他に出てきた読み

余戸(あまるべ)国史大辞典/日本国語大辞典@(あまるべ)A(あまりべ)
 令制下の村落制度。五十戸を一里(ひとさと・WEB 近世こもんじょ館 の中に『地方凡例録』参照として読みあり)として里を編成するとき、五十戸にあまる端数の戸(こ)で編成した里。また、その戸。人口が増えて五十戸になれば正規の里名をつけた。出雲風土(733)総記には余戸(あまるへ・日本国語大辞典内)として記載。

東出雲町のホームページ(教育委員会)には「出雲国風土記」(成立723年) 余戸里(あまりべのさと)の読みがあります。

戸口(ここう)日本国語大辞典 人口と戸数の意味

戸主(へぬし) 日本国語大辞典戸主(へぬし)A 条坊制(平城京・平安京)の宅地の区画。また、その一区画の面積。

 参考 日本国語大辞典 戸主(へぬし)@には令制で、戸の法律上の責任者 戸人(へひと)に対するとある。


紫紙金字経(ししきんじきょう)より

しめ[締]
紙の束を数える語。半紙一締(しめ)は一〇束(そく)、すなわち一〇〇帖(じょう)で、一帖は二〇枚なので二〇〇〇枚。美濃(みの)紙は一締が五束で、すなわち五〇帖、一帖が四八枚なので二四〇〇枚である。

じょう[帖]
帖には折り手本、法帖の略、幕二張をまとめて数える語など、いろいろの意味があるが、紙の一定枚数を数える場合に用いる語である。一帖の枚数は紙の種類によって異なり、半紙は二〇枚であるが、檀紙(だんし)・程村(ほどむら)紙は二六枚、西の内紙は四〇枚、奉書紙・杉原紙・美濃紙は四八枚、丈永(たけなが)紙は五〇枚、泉貨紙は六〇枚、半切紙(はんきり)は九六あるいは一〇〇枚などとなっている。→束(そく)




 ヤードポンド法による計量単位(一般には現在使われていない)

呼び名 略字 補助計量単位
長さ ヤード yd インチ(in, ")
フート(ft, ')
チェーン
マイル
質量 ポンド lb グレイン或いはグレーン(gr)*参考資料にはゲレーンもある
オンス(oz)
米トン
英トン
温度 カ氏度 ºF、F *
面積 平方ヤード yd2 平方インチ(in2
平方フート(ft2
平方マイル
体積 立方ヤード yd3 立方インチ(in3
立方フート(ft3
ガロン gal *
速さ ヤード毎秒 yd/s *
加速度の大きさ ヤード毎秒毎秒 yd/s2 *
力の大きさ 重量ポンド Ibw, Ib *
圧力 重量ポンド毎平方インチ Ibw/in2 *
水銀柱インチ inHg *
水柱インチ inH2O, inAq 水柱フート(ftH2O, 12inH2O, ftAq)
仕事 フートポンド ftIb *
熱量 英熱量 BTU, B.T.U. *
密度 ポンド毎立方フート ib/ft3 *

 馬力と燭(一般には現在使われていない)

呼び名 略字 補助計量単位
工率 英馬力 HP *
仏馬力 PS *
光度 * *

 古代インドで用いた距離の単位の一つ 

  由旬(ゆじゅん) 約7マイルあるいは9マイル、帝王の軍隊が一日に進む行程といわれる。地獄の距離の単位などと書物にでてくる

備考

Webことば百科
 単位を表すことば(三省堂)

助数詞一覧 等(マッハコーナー)

参考文献

単位の辞典 改訂4版第11刷り(ラテイス株式会社)
日本国語大辞典第二版(三省堂)
林英夫監修『基礎 古文書のよみかた』(柏書房、1998年)
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