年別アーカイブ:2016年

「かとく」とは何か?

2016年10月15日

2016年10月15日
昨年末に新入社員が過労自殺した電通の本社に、労働基準法違反の疑いで労働局が抜き打ち調査に入りました。そこに登場した残業調査の専門チーム、通称「かとく」。「かとく」とはなんでしょうか?

ーー以下「日本の人事部」のホームページによる→こちら
「かとく」とは、「過重労働撲滅特別対策班」の通称です。悪質な長時間労働など、労働基準関係法令に違反、または違反する疑いがある大規模事案、困難事案に対応するための専従組織として、2015年4月に、厚生労働省によって東京労働局と大阪労働局に新設されました。「かとく」の構成メンバーは全員、事業所に立ち入って調査・指導や摘発を行う労働基準監督官で、特別司法警察職員として違法な事業者を検察庁に送検する権限も持ち合わせています。
ーー以上「日本の人事部」のホームページによる

「過重労働撲滅特別対策班」
読みは(かじゅうろうどうぼくめつとくべつたいさくはん)

阿蘇山の爆発的噴火 関連語の読み方

2016年10月12日

2016年10月12日
8日未明に熊本県の阿蘇山、中岳第一火口で発生した爆発的な噴火。
阿蘇山で爆発的な噴火が観測されたのは、36年前の昭和55年1月以来です。
11日に気象庁は地中に触れた地下水などが水蒸気になって爆発する「マグマ水蒸気噴火」の可能性が高いと発表しました。早い収束を願っています。関係する言葉の読みを集めました。

阿蘇山(あそさん)の中岳(なかだけ)国土地理院・NHK
火映現象(かえいげんしょう)
火炎現象(かえんげんしょう)
火口(かこう)噴火口ともいう
火孔(かこう)火口内にできる穴
火口湖(かこうこ)
火砕流(かさいりゅう)
火山性地震(かざんせいじしん)
火山性微動(かざんせいびどう)
火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)
火山弾(かざんだん)
火山泥流(かざんでいりゅう)
火山灰(かざんばい)
火山噴火予知連絡会(かざんふんかよちれんらくかい)
火山雷(かざんらい)
活火山(かつかざん)
火道(かどう)地中にあるマグマや火山噴出物の通り道
空振(くうしん)
降灰(こうはい・こうかい)→こちら
孤立型微動(こりつがたびどう)
GPS観測(じーぴーえすかんそく)
震動観測(しんどうかんそく)
水蒸気爆発(すいじょうきばくはつ)
赤熱現象(せきねつげんしょう)
地殻変形観測(ちかくへんけいかんそく)
地磁気観測(ちじきかんそく)
土砂噴出現象(どしゃふんしゅつげんしょう)
入山規制(にゅうざんきせい)
熱観測(ねつかんそく)
微動停止(びどうていし)
噴煙(ふんえん)
噴火(ふんか)
噴火警戒レベル(ふんかけいかいれべる)
噴火警報・予報(ふんかけいほう・よほう)
噴石(ふんせき)
噴湯現象(ふんとうげんしょう)
遠望観測(えんぼうかんそく)
マグマ水蒸気噴火(まぐますいじょうきふんか)
マグマ溜り(まぐまだまり)
鳴動(めいどう)
湯だまり(ゆだまり)
溶岩流(ようがんりゅう)

大倉敬宏(おおくら たかひろ)京都大学教授
本田 圭( ほんだ けい)熊本県危機管理監
宮下正一(みやした しょういち)日本防災士会 熊本県支部長
松田泰治(まつだ たいじ)熊本大学大学院 自然科学研究科 教授 減災型社会システム実践研究教育センター長
蒲島郁夫(かばしま いくお)熊本県知事
佐藤義興(さとう よしおき)阿蘇市長

<参考>
阿蘇山の火山用語集(阿蘇山火山防災連絡事務所)→こちら
各種報道
音訳の部屋 なるほど読み方辞典No.2(2010年~2011年) 降灰の読み方→こちら

2016年10月23日追加
熊本地震  未知の断層 白川 黒川
熊本県白川および黒川流域水理地質図
(クマモトケン シラカワ オヨビ クロカワ リュウイキ スイリ チシツズ)

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所・国連難民高等弁務官)の読み方

2016年10月7日

2016年10月7日
国連安全保障理事会は6日、次期事務総長にポルトガル元首相のアントニオ・グテレス氏(67)を全会一致で指名しました。
グテレス氏は2005年から昨年まで、国連難民高等弁務官も歴任しました。
総会は来週、指名を承認する公算が大きく、任期は2017年1月1日から5年間です。

UNHCR(国連難民高等弁務官・国連難民高等弁務官事務所)がニュースに出てきましたので略語の読み方を調べました。

UNHCR(ユー・エヌ・エイチ・シー・アール)
国連難民高等弁務官のこと。一般的にはUNHCRは国連難民高等弁務官事務所のことを言います。

UNHCRのトップを10年務めた日本人が緒方貞子さんです。

<参照ページ>

「難民のために私たちが出来ること 和の手を世界に ? Japan For Refugees」
こちら

そもそもUNHCRって何?~10年間日本人がトップを務めた国連機関
こちら

ーー以下、上記専門のページより抜粋

◇国連難民高等弁務官
(UNHCR:United Nations High Commissioner for Refugees)
読み方はそのまま、「ユー・エヌ・エイチ・シー・アール」です。
「アンカー」や「ウンチャー」ではありません。(たまに誤解している人がいます。。)

※UNHCR=国連難民高等弁務官事務所 という表記で知っている方は上の記述を見て??と思ったかもしれませんが、それも正しいです。
細かく言うと、『国連高等難民弁務官事務所』はThe Office of the UNHCRであり、その事務所のトップが国連難民高等弁務官となっています。
一般にUNHCRと言えば事務所のことを示します。

◇国連難民高等弁務官事務所 UNHCR「ユー・エヌ・エイチ・シー・アール」
(UNHCR: Office of the United Nations High Commissioner for Refugees)
世界各国の難民を保護する活動を行っています。1954年と81年にノーベル平和賞を受賞。

ーー以上、上記専門のページより抜粋

<参考>

国連UNHCR協会は、国連の難民支援機関であるUNHCR(ユーエヌエイチシーアール・国連難民高等弁務官事務所)の活動を支える日本の公式支援窓口→こちら

Wikipediaの記載
国際連合難民高等弁務官事務所(こくさいれんごうなんみんこうとうべんむかんじむしょ)英語: Office of the United Nations High Commissioner for Refugees、略称:UNHCR

ノーベル医学・生理学賞に大隅良典 東工大栄誉教授

2016年10月3日

2016年10月3日
スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2016年のノーベル医学・生理学賞に東京工業大学の大隅良典(おおすみ よしのり)栄誉教授(71)に授与すると発表しました。

授賞理由は「オートファジーの仕組みの解明」。
生物の細胞が不要なたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」の仕組みを解明し、世界中で進むがんやパーキンソン病に関する創薬研究に道を開いた業績が評価されました。

盛り土(盛土)の読みは「もりつち」なのか「もりど」なのか?

2016年10月1日
音訳の部屋リビングルームのコメントに「盛土 →もりつち が正解」と書き込みがありました。
東京・豊洲市場で問題になっている「盛り土」、読み方について調査しました。

広辞苑は盛り土「もりつち」 日本国語大辞典は盛土「もりつち」
NHKことばのハンドブック第2版は盛り土について・・ニュースや一般番組では「モリツチ」と言うが、土木関係などの専門番組では「モリド」と言ってもよい。・・と記載があります。

では最近、豊洲市場で問題になっている「盛り土」でNHKニュースやFNNニュースはどう読んでいるのでしょうか?

◇NHKニュース (もりど)と読んでいます。WEB上にある音声つきニュース(2016/10/1現在)
豊洲市場問題 盛り土方針変更は建築部門の意向か | NHKニュース
豊洲市場問題 都の土木部門は盛り土を行う方針 | NHKニュース→こちら
豊洲市場問題 盛り土に関係する資料 新たに見つかる(2016/10/5)→こちら

◇FNNニュース (もりど)と読んでおり、文中には盛り土(もりど)とルビがあります。(2016/10/1現在)
「盛り土」問題 小池都知事、内部通報制度も活用し情報収集へ→こちら
「盛り土」問題 石原氏、2008年に「地下にコンクリ箱」案言及→こちら

盛り土(盛土)の読み方を調べていたら、今日10月1日の朝日新聞朝刊13版2面に
*盛り土の読み、なぜ「もりど」 が出ていました。
朝日新聞デジタルにも掲載がありましたので記事がなくなる前に音訳・点訳のために転載させていただきます。

◇朝日新聞デジタル 2016年10月1日(朝日新聞朝刊にも掲載)
ーー以下朝日新聞デジタル2016年10月1日記事引用
『盛り土の読み、なぜ「もりど」? 小泉元首相からも質問』→こちら
東京・豊洲市場で問題になっている「盛り土」の読みは、「もりつち」なのか「もりど」なのか。
元首相の小泉純一郎さんからも質問が寄せられ、調べてみました。

小泉さんは辞書を引いたそうですが、「『もりつち』しか載っていなかったんだよ。なんで『もりど』っていうのか、不思議でしょうがない」。

確かに広辞苑には「もりつち」しか載っていません。
小池百合子・東京都知事も記者会見などで、時に「もりつち」と読んだこともありました。

大手ゼネコンの広報担当者に聞きました。
「私たち建設業界では、造成工事で山の土を崩して平らにならすことを、『切り盛りする』と言うんです。そこから、切(き)り土(ど)、盛(も)り土(ど)、とも言います。
一種の専門用語というか、業界用語です。正しい日本語ではないかもしれないですが……」とのことでした。

いくつかの辞書や土木関係の用語集には「もりど」という読み方も併記されており、「もりど」は間違いではなさそうです。
では、なぜ「もりど」と聞くと、違和感を持つ場合があるのでしょうか。国語学者の金田一秀穂さんに聞きました。

「普通は音読みか訓読み、どちらかを重ねて読むんです」。
たとえば「携帯(けいたい)」は音音読み、「盛(も)り土(つち)」だったら訓訓読みとなります。
例外が「重箱(じゅうばこ)」のような音訓読みや「湯桶(ゆとう)」のような訓音読みです。
これらは「特別な言い方」だそうです。「盛(も)り土(ど)」も訓音読みになります。

金田一さんによれば「一般用語を使わず、仲間うちだけに通じる特別な言い方をして仲間意識を高めたり、権威やヒエラルキーを示したりすることがあるんですが、これもその一種ではないでしょうか」。

そういえば、自治体関係者は「首長(しゅちょう)」を「くびちょう」と読むことがありますね。
(編集委員・秋山訓子)

ーー以上朝日新聞デジタル2016年10月1日記事引用

◇国土交通省のWEB
盛土(もりど)のり面の点検状況について→こちら
用語集 盛土(もりど)切土(きりど)→こちら

◇一般社団法人 地盤安心住宅整備支援機構
地盤に関する基礎用語→こちら
ま行に 盛土(もりつち・もりど)

◇「音訳の部屋」の地学用語・建築用語には盛土を含む熟語も含めて(もりど)の記載があります。
これは参考文献に専門用語辞典を使用しているからです。
例えば
建築慣用語研究会編「建築現場実用語辞典」井上書院P296には
盛土(もりど)と記載があります。

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一般の辞書(広辞苑・日本国語大辞典等)では盛り土・盛土「もりつち」
大辞林では①に盛(り)土「もりつち」があり、②に盛(り)土「もりど」があります。
最近のニュース・専門用語辞典・業界では盛り土・盛土「もりど」

では、私達は音訳・点訳でどう読んだらいいのでしょうか。

「音訳の部屋」では資料を集め、読みを皆様にお伝えしています。
原本を見て音訳者・点訳者が決めて下さい。

最近の新聞等を読まれる方は、テレビ・ラジオの音声で「もりど」と読んでいますからユーザーは「もりど」の方が分かりやすいかもしれません。

音訳者・点訳者は現在、話題になっている言葉について、ニュース等を聞き、時代に敏感であることも大切だと思います。

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