音訳・点訳

視覚障害者 脳裏に心眼ー田嵜裕季子氏(日経朝刊)

2010年1月14日

1月14日 日経朝刊 文化 

ビジュアル作家 田嵜裕季子(たさきゆきこ)氏の「視覚障害者 脳裏に心眼」が掲載されています。

ーーーー以下文章抜粋
2歳の時に失明し、色の記憶のないH氏が
「好きな色はクリーム色。暖かい印象があるから」「青は冷たく透明なイメージ」
「色について会話したり、色の描写のある小説を読んだりしているうちに、心の中で色のイメージが育った」
また
「視覚障害者の子ども達には、大好きな色がある」

田嵜さんは視覚障害者と晴眼者の間のコミュニケーションを作品のテーマにして10年ほどになる。
具体的に手掛けているのは、視覚障害者のインタビューを基にした映像作品だ。
ーーーー以上文章抜粋

この記事を見て私は音訳の処理について思うのです。
音訳者は視覚障害の方が色が分からないと言う前提で、写真やイラストの説明を必要以上にしすぎてはいませんか。
処理で説明をし過ぎると内容が伝わらなくなることがあります。
日経新聞がお手元にある方はぜひお読み下さい。
視覚障害の方は自然に敏感で鳥の鳴き声や水の音、頬を伝わる風など私たちよりもずっと感受性に優れている気がします。

巨大電波望遠鏡『ALMA』 NHKニュース

2010年1月4日

1月4日

今日から仕事始め。音訳・点訳を始められた方も多いでしょうね。
巨大電波望遠鏡『ALMA』についてお正月のNHKニュースで放映していました。
アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計
(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)のことで
略称は『ALMA』「アルマ」と発音します。

南米チリに設置した80台のパラボラ・アンテナで深宇宙を探査する、日本・北米・欧州共同の
大型電波望遠鏡プロジェクト。
略称の『ALMA』はチリの公用語になっているスペイン語では「こころ」や「たましい」、「いとしい人」を意味するとのこと。

ニュースに写っていた研究者がこちらも引き込まれるような喜びの笑みを浮かべていたので嬉しくなりました。

興味のある方は
国立天文台のページ→こちら
ALMAについてのページ→こちら

09年・赤ちゃんの名前ランク(明治安田生命調べ)

先日、09年の赤ちゃん命名ランキング(ベネッセコーポレーションの調査)がありました。

今回は明治安田生命調べによる09年・赤ちゃんの名前ランクです。
( )内は主な読み方 東京新聞WEBより
明治安田生命名前ランキング2009→こちら

1位 大翔(ひろと、やまと、はると)  
2位 翔(しょう、かける)
3位 瑛太(えいた) 
3位 大和(やまと)
5位 蓮(れん)
6位 悠真(ゆうま、はるま)
6位 陽斗(はると)
8位 悠斗(ゆうと、はると)
9位 颯太(そうた)
9位 颯真(そうま)

順位 女の子
1位 陽菜(ひな、はるな)
2位 美羽(みう、みはね)
2位 美咲(みさき)
4位 美桜(みお)
5位 結愛(ゆあ、ゆい、ゆうな)
6位 さくら
6位 結菜(ゆな、ゆいな)
8位 彩乃(あやの)   
9位 七海(ななみ)
10位 ひなた
10位 愛莉(あいり)
10位 杏奈(あんな)
10位 優奈(ゆうな、ゆな)

名前はルビがないと読みは難しい!

日本(にほん・にっぽん)の読み方について

11月23日
「勤労感謝の日」
日本国語大辞典によると「勤労をたっとび、 生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」

最近は働きたくても働くところがない若い世代が大変。
早く若者が労働に意欲を持てる時代になって欲しいものです。

先日、友人と「日本の読み方」についてメールで話しました。
国名も(にほん・にっぽん)、その時々で読み方が違い、おおらかといえばその通りで、世界にも類がありません。

私も音訳の部屋で「日本の読み方」を作成しています。→こちら
NHKからいただいた資料、通信社からいただいた資料など好意的にいただいた資料をもとに、電話をしたり、メールで用途を話してお聞きしたりしています。
電話で窓口の人に聞いた読み方は必ずしも正確な読み方とは言えません。

以前、朝日新聞モンジローでの取材も受けましたが、報道関係でも日本の読みは悩みであるようです。
四季報などで正式に届け出ている読み方と会社で報道に使って欲しい読み方が違うことも多いのです。

「日本航空」などは四季報では「ニッポンコウクウ」ですが通称は「ニホンコウクウ」
会社に聞くと一般的には「ニホン」で読んで下さいとのこと。
会社が届ける日本書籍出版協会のISBNの届出によると関係するものが「ニホンコウクウ~~」になっています。→こちら より入力

先日、友人と話した例で 日本青年館 について
ホームページ(HP)のアルファベット表記はnipponになっているのですが、一般的には「ニホン~~」と言っているので電話で
利用する目的を話しお聞きしました。
返事は以下の通りです。
**********************
日本青年館 総務課に聞きました。
本来は にっぽん だそうですが通称 にほん としているそうで、にほんと読んでくださいとのこと。HPのローマ字表記はNIPPON
**********************
日本航空と同じですがこちらはHPにNIPPONとあるのでなお分からなくなります。

日本銀行は最近HPの子供向けのページに「ニッポン」ですと書いてありますからそれで良いのでしょう。
NHKも以前は「ニチギン」とのみ言っていましたが、最近は「ニッポンギンコウ」とも言うようです。
お札はNIPPONです。

一般的にはローマ字表記全てが読みに通じるものでもないようです。
外国向けにNIPPONとしているところもあり社内でも統一がない場合もあります。

音訳の部屋で会社の名前を「ニホン」のところに分類していたら、該当する会社の新入社員から「ニッポン」だとお叱りの言葉をいただきました。
そこで会社の総務課に理由を話して聞きますと正式は「ニッポン」だが通称は「ニホン」で、世間一般ではそのように通用しているから「ニホン」に入れてくれと言われましたので、その経由も読み方辞典には入れてあります。

今朝、ネットを閲覧していたら
国名の日本について閣議決定でどちらでも良いということが書いてあるページを見つけました。→こちら
テレビ朝日の日本語研究室にも読みの調査が載っています。→こちら

では どちらでもいいじゃないの! と言ってしまったらそれまで・・・
音訳・点訳は調査し正しく読むことが必要ですから。

国立国会図書館、小学館の日本国語大辞典、岩波書店の広辞苑などでは、文献上明らかに「ニッポン」とされている以外は「ニホン」としているようです。
日本国語大辞典第10巻「日本」の中に次のように書かれています。
**********************
~~~本辞典では、文献上明らかに「ニッポン」と記されている場合以外は、すべて「ニホン」として扱った~~~
**********************

日本の読みの扱いをどのようにするか。
このように、辞書や図書館でさえ難しいのです。
音訳の部屋では、声を出して読む必要がある放送局の資料他いろいろ調査をして掲載していますが、これは私個人の調査であり世の中にどのように読みが通用しているか全てを調べることは困難です。
各所属の意見にしたがって読みを考えてください。

私見ですが
調査は必要ですが、のめり込まないで、どこかで調査をこれでよしとしなくてはならない時もあるでしょう。
一般の読みとローマ字表記が一致していない場合も多々あります。
読む人が調査して読んだとき、校正する人が自分だけの判断で直すと混乱します。
そこで典拠が必要になります。
このような時に、図書館や辞書がどのような考えで作っているかを知っていることは大切です。

音訳の部屋は私個人が調査した範囲内であることを承知して使ってください。
気をつけてはいますが変換、記載の間違い等もあると思います。
その時には典拠を添えてメールをいただければ幸いです。

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